読書好きな私がこれまでに読んできた本の中で、読みやすさや面白さが特に優れている小説をジャンル問わずに、ランキング形式でご紹介をします。
気軽で手に取りやすい文庫本として出版されているものも多く含まれているので、ぜひ本記事の中から「あなたにぴったりの一冊」を選んでいただければと思います。
それでは「【2019年度版】誰が読んでも面白いこと間違いなし!おすすめ小説ランキング」をお楽しみください。
注:本記事は、2018年版を2019年版に再編集したものです。
第1位|ナミヤ雑貨店の奇蹟(著者:東野圭吾/角川文庫)
面白かったです!と、一言で済ませてしまうのもなんですが、やはり東野圭吾という人のストーリテリングのうまさは特筆すべきものがあるなと感じた一作。
読みやすさやエンターテインメント性も入れて、おすすめ度は断トツ1位ですね。
山田涼介さん主演映画の原作で、若い人にも当然受けるでしょうし、昭和レトロを題材にしていますので、年配の人にも懐かしいノスタルジックな感動が味わえます。
ぜひ堪能してほしい、暖かな東野ワールドです。
第2位|わたしを離さないで(著者:カズオ・イシグロ/ハヤカワepi文庫)
小説ランキング第2位は、2017年日系人としてノーベル文学賞を受賞したカズオ・イシグロ氏の作品。
当然日本語訳なるのですが、やはり心の根底に日本人の情緒を感じられるその物語は繊細で情緒豊かで、なぜかしっくりとくる感覚が気持ちの良い作品です。
ないようは、ちょっと背筋がぞわりとするような、そんな感覚を与えてくれる内容。
朴訥としていて冷静な主人公の語り口を追いかけていくにつれみえてくる真実。
これを読まずに2019年は終われない、そんな話題の名作です。
第3位|カエルの楽園(著者:百田尚樹/文春文庫)
小説ランキング第3位は、Mr.炎上の異名を持つ、お騒がせ作家百田尚樹氏の作品。
まるで児童書の様な平易な読み口は、年齢を問わず、また読書の得意不得意を選ぶことなく読むことのできる作品になっています。
とはいえ、内容は過激な社会批判。
彼の目に見える、日本という国の現状の危うさとそんな社会になってしまった原因をカエルの形を借りてあらわしていく手法は、甘さに百田尚樹節。
百田尚樹が好きな人も嫌いな人も、読んでおくべき怪作です。
第4位|最低。(著者:紗倉まな/角川文庫)
小説ランキング第4位は、某大物お笑い芸人の恋人としても注目を浴びたAV女優紗倉まなさんの作品。
AV女優という、ある意味社会の影の部分に存在している職業にスポットライトを当てた作品で、それを現役のAV女優が描き出すというセンセーショナルな小説。
女性という性の在り様をAV女優というある意味極端な場所から描き出していく手法は、痛みとともに深い感銘を受けるそんな物語になっています。
AV女優とは何なのか、女性とは何か、人間とは……そんな思いに駆られる、異色の名作です。
第5位|君の膵臓をたべたい(著者:住野 よる/双葉文庫)
面白いかおもしろくないかは読んでみてみなさんが判断すればいいことで、
取りあえず2019年にこの本を読んでいないと、それはそれでまずいのではないだろうか?と思える作品がこの「君の膵臓を食べたい」ですね。
泣きたいのであれば泣けます。それは太鼓判です。
小説になじみのない人には問題なくお勧めできますし、今の小説の流行りというものがどういう要素で成り立っているのかというレベルで読書ができる人にもぜひおすすめです。
そう、つまり、これが、今の小説なのです。
第6位|かがみの孤城(著者:辻村深月/ポプラ社)
文句なしに面白いエンターテインメント作品であるかがみの孤城。
最近どうもいまいちおもしろいと感じなかった本屋大賞ですが、2018年の大賞を受賞したこの作品は、本当に面白かったですね。
特に、物語に伏線がちりばめられているのが好きな人にはお勧めです。
そこかしこにちりばめられた伏線が、まるで糸を手繰るように回収されていく様は、もはや快感ともいえる楽しさを与えてくれること間違いなし。
人によっては辻村作品の最高傑作との呼び声も高い本作。
辻村作品の導入としても、また、辻村作品のファン(でこれ読んでない人はいないか)も納得できる作品です。
第7位|たゆたえども沈まず(著者:原口マハ/幻冬舎)
小説ランキング第7位は、原口マハお得意の絵画小説。
ゴッホの作品に日本の浮世絵が影響を与えたという出来事をもとに、そのきっかけとなった日本人画商とゴッホ、そして弟テオとのかかわりを描いていく作品です。
これをきっかけに絵画に興味を持つ本好きがいてもいいし、小説に興味を持つ絵画好きがいてもいい。
そう思わせるほど、本好きをうならせる筆致と、絵画好きを納得させる美術への愛が織り込まれた本作は、没入感の強い魅力的な作品に仕上がっています。
第8位|崩れる脳を抱きしめて(著者:知念実希人/実業之日本社)
小説ランキング第8位は、最近流行りのラノベ文体。
ラノベ文体に親しんでいるものの、ラノベではない本を読みたいと思っている人にはありがたい、どちらかというとラノベ文体に近い小説がこの作品。
ですのでものすごく読みやすくて、しかもそれなりにしっかりとした内容が描かれているというお得感ある小説です。
内容は、医療ミステリーに恋愛が大きくかかわる内容。
しっかりとした医学知識に裏付けられた作品には、文体の優しさとはかけ離れた感動が存在します。
第9位|AX アックス(著者:伊坂幸太郎/KADOKAWA)
安心の伊坂幸太郎作品、ほんと、安定の面白さ。
内容もさることながら、文体のテンポという描写のシンプルでわかりやすい表現といい、ページをめくる手が止まらないそんな傑作です。
内容に関しては、恐妻家の殺し屋という設定の勝利。
その設定であれば、いかように面白い作品が書けるだろうなと思わせるくらい、その面白い設定の妙味で最後まで一気に連れて行ってくれます。
外したくないなら、これがおすすめです。
第10位|オーバ―ロード(著者:丸山くがね/KADOKAWA)
ラノベはあんまりだけど、今のラノベ界の流行りを知りたい。
そんな人におすすめなのが、第13巻がオリコン調べで2018年のベストセラー小説3位にランクインしたこの『オーバーロード』です。
この作品はラノベでありながら、ラノベっぽさを最小限に抑えた内容で、変な言い方ですがしっかりとした作品。
もちろん今はやりの異世界物で、いわゆる主人公が最強設定という俺TUEE展開な作品なのですが世界の設定や人間関係がラノベらしからぬ充実ぶり。
ラノベ未経験の人にぜひ読んでもらいたい一冊です。
読書はなるべき好き嫌いなしに呼んでみましょう!
読みたい本がたくさんあるなら別ですが、そうでないならあまり選り好みせず読んでみるのもおすすめ。
特に今回ご紹介した作品群は、どれもかなり面白い出来になっていますので、いままでチャレンジしたことのないジャンルでも読んでみることをお勧めしますよ。