「小説家になろう」から書籍化された人気ライトノベル15選【おすすめ作品順】

今や新人小説家の登竜門としてしっかり定着したサイト「小説家になろう」。
既存の小説家がそれを認めようと認めまいと、もはや日本の文学界においてなろう出身作家を除外して考えることは不可能な状況にさえなっています。
そこで今回は、そんな小説家になろうから書籍化された、いわゆる「なろう系」の小説をご紹介します。
一度嵌ると、立て続けに同系統の作品を読んでしまいたくなろう系の面白さを、ぜひ堪能してください。

※注意
作品の選出には『一度でも小説家になろうに掲載されたことがある』ことを基準としております。
初出および現在掲載中であることを前提としておりません。

1|オーバーロード(著者:丸山くがね/KADOKAWA)

2018年ノンフェクションブックランキングの第7位に入った大ヒット作。通称オバロ。
累計発行部数760万部を超える、なろう系小説だけでなく、ライトノベルの全体においても上位に食い込むまさにベストセラー小説です。
内容は、いわゆる異世界での俺TUEEEE系(主人公が無敵状態)
しかし、他の作品と大きく違うのは、その無敵状態の主人公が「ダークヒーロー」つまり、アンデッドであり人類の敵として存在しているところにあります。
そこには、助けるべき相手が「人間だから」という当たり前の常識を取っ払い、主人公にとって助けたいか否かだけで語られる、ある種の全能感を味わうことが出来ます。
海外でも人気を博している、現在なろう系で最も売れている作品です。

2|魔法科高校の劣等生(著者:佐島勤/電撃文庫)

こちらは、累計でなろう系売り上げトップをひた走る超ベストセラー。
その売上は、なんと860万部と900万部に迫る勢いで、アニメ化はもとより映画化もされているという、なろう系で最も成功した作品であると言ってもいいでしょう。
物語はやはり俺TUEEEE系。
その舞台は、いわゆる異世界なのですが、現実世界がモチーフとなっていて、魔法が普通に存在しているというローファンタジーの要素と近未来SFの要素を持った作品です。
内容は、とにかく魔法やその世界のシステムについての作り込みが精緻であることが一番目を引くポイント。
また、近未来SFのような世界観でありながら、どことなく登場人物が古風な価値観の中に存在しており、また学生者としての面白さも持ち合わせています。

3|転生したらスライムだった件(著者:伏瀬/CGノベルズ)

2019年冬アニメとしてアニメ化された、現在一番旬な小説といえば、この転スラ。
俺TUEEEE系でありながら、転生して異世界にたどり着いては見たものの、なんとその姿は最弱のスライムになっていたという、面白い設定で始まる物語。
もちろん、その能力において、すぐに最強の生き物の如くなるのですが、性別のないスライムという設定がこの物語独特の『恋愛要素』のなさを作り上げています。
転生して強い力を手に入れたら、ぜひとも美しい女性と仲良くなりたいという男の願望が、ほぼないというのはかなり異色の作り。
しかも、バトル、内政、そしてぐんぐんと強くなっていく成長というなろう小説にほしい要素は完備。
ある意味今になろう系を知りたい人におすすめの小説です。

4|無職転生 異世界行ったら本気だす(著者:理不尽な孫の手/KADOKAWA)

冴えない中年が転生、赤ん坊の頃の修行で最強化、ハーレム要素、旅、そして世界を変える神のような敵との邂逅。
そんな現在なろうにおける俺TUEEEE系のテンプレと言われている要素を、確立し一般化させた功績のある小説といえば、間違いなくこの無職転生が当てはまるでしょう。
はなしが進むに連れてだんだんと拡大していく物語のフィールド、そして主人公といるおかげで最強化していく仲間。
現在人気を博している数々のなろう系におけるテンプレ要素が、まさにここで評価を得たと行っていいほどにしっかりと噛み合って一つの世界観を生み出している秀作です。
転スラに抜かれるまで小説家になろうの総合ランキング1位にい続けたなろうを代表する作品です。

5|Re:ゼロから始める異世界生活(著者:長月達平/KADOKAWA)

アニメ化によって一気に火がついて大人気作の仲間入りをした、通称リゼロ。
もちろん、アニメ化されるわけですからそれなりに人気はあったのですが、やはりアニメの人気があまりに大きくて、その原作もまた注目された作品であることに疑いの余地はありません。
それは2014年に観光された小説が「SUGOI JAPAN Award 2017」においてアニメ部門とラノベ部門の二冠を取り、「このライトノベルがすごい!」においても2017年に第2位を獲得していることから間違いのない事実。
物語としては、死に戻りという、死んだらリスタートできる力を持った主人公が活躍する物語。
その物語性もさることながら、キャラクターの魅力で大人気の作品です。

6|この素晴らしい世界に祝福を(著者:暁なつめ/KADOKAWA)

こちらもアニメで人気に火がついた作品、略してこのすば。
ある程度シリアス要素や冒険要素、そして世界を救ったり愛する人を救ったりといろいろなことに全力をつくすのが普通のなろう系にあって、この作品は徹頭徹尾ギャグ要素満載のコメディ。
元ひきこもり・ニートの主人公と、その仲間として、使えない女神、1種類の魔法を1発しか打てない魔法使い、そして攻撃の当たらないどMの聖騎士と、まったく役に立たないメンツ。
そこには俺TUEEEE系の要素はなく、むしろ主人公はかなりの長い間、運以外のすべての要素が弱いという変わり種。
そしてそのテンポの良いギャグ要素が、アニメという媒体に絶妙にマッチしたことで、大人気作の仲間入りを果たした、作品です。

7|デスマーチから始まる異世界狂想曲(著者:愛七ひろ/KADOKAWA)

こちらもやはり俺TUEEEE系の異世界もの、略称はデスマ。
残念ながらアニメ化は失敗してしまったものの、それでも高い人気を誇っている作品で、最強能力を使った世直しという一つの方向性を見出した作品とも言えます。
また、とにかく主人公が強い、負けないという小説を読みたいならこれが一番かもしれません。
というのも、この小説の主人公は、異世界に飛ばされた直後に放った一発の魔法で大量の強敵を倒してしまい最強になるという、まさになんの努力もなく、いきなり最強という最強っぷり。
しかも、物語をすすめていっても、この主人公より強い敵は出てこないという、どこまで言っても安心安全な、完全無欠の俺TUEEEE系なのです。
まさに、ノンストレスが好みの人におすすめですね。

8|異世界居酒屋「のぶ」(著者:蝉川夏哉/宝島社)

なろう系のジャンルとして確固とした支持を持つ「異世界グルメ」系小説の雄。
いわゆる、日本の食文化を異世界に持ち込むことで、異世界の人たちがその美味しさに驚く様子を見ながら、読者も一緒にお腹を空かすという飯テロ系です。
これ系の小説には「異世界食堂」ですとか「ダンジョン飯」のようなものもありますが、やはりこれが一番の人気作。
アニメ化もされることで、さらに人気を高め、その物語に登場するノブタイショーの作る食事のクオリティーと、従業員シノブちゃんの魅力は必読の価値があります。
また、1軒の居酒屋を中心に、食べ物を基点としたかなり大きな世界観が広がっていくあたりも、小説としての奥行きがあってこの物語の面白さを引き立てています。

9|本好きの下剋上(著者:香月美夜/TOブックス)

他のなろう系小説とはちょっと毛色の違うお話しである本作。
結局は様々な要因で俺TUEEEE系の要素は含んでいるのですが、どちらかというと主人公は苦労の連続で楽に世渡りが出来ていくような系統のお話ではありません。
しかも、最終的に世界に影響を及ぼすほどの権力を手に入れる主人公の目的は本を読むこと。
庶民が本はおろか紙すらもまともに手に入れることのできない世界に、1庶民として転生してしまった本の虫である女性が、涙ぐましいほどに本を手に入れるため積み重ねる努力。
辛い試練、様々な別れ、そんななろうにあっておしんのような苦労の連続をただただ本を読むために重ねていくという、かなり異色で小説として一級品の面白さのある作品です。

10|ナイツ&マジック(著者:天酒之瓢/主婦の友社)

魔法の世界でロボットオタクがその趣味を極めるという物語、通称ナイツマ。
この物語のの面白さは、魔法という世界にありながら魔力を動力とするロボットが存在し、その魔力を用いたシステムを転生前に天才プログラマーであった主人公が自在に強化するという設定。
つまりそこには単純な俺TUEEEE系要素だけではなく、魔法世界の楽しさと同時に、何よりロボット好きという一定数間違いなく存在する層の欲求を満たしているところにあります。
いうまでもありません、ロボは男の子の永遠の憧れなのです。
現実世界ではプラモデルで満足するしかなかったロボットオタクの主人公が、死んで転生した先で、本物のロボットを思う存分作ることができる。
まさにロボ好きの夢を詰め込んだ作品です。

11|蜘蛛ですが、なにか?(著者:馬場翁/KADOKAWA)

アニメ化も決まって、今一番勢いのある作品といえばこの作品。
これまで、なろう系の有名作品においてもいろいろな異世界転生が行われてきましたが、この作品の主人公はなんとタイトル通りの『蜘蛛』なんですから驚きです。
この作品は、その文章の構成が非常に繊細で緻密。
主人公から見た蜘蛛視点と、同じく異世界へ転生した人間旬の視点から描かれる物語が交錯し合うという独特の二重構造になっています。
そしてその2つの視点が近づくに連れて明らかになる世界のカタチ。
一般に作りが単純であると言われるなろう系の小説にあって、複雑でしっかりとしたプロットのもと構成されている読み応えのある作品です。

12|盾の勇者の成り上がり(著者:アネコユサギ/KADOKAWA)

小説家になろうで「落ちこぼれ系」というジャンルを開拓した作品。
これまで、最初から最強の要素を持った主人公が活躍する俺TUEEEE系が人気であった小説家になろうの世界で、最初は転生者の中でも落ちこぼれの立場から物語が始まるという形を確立させた作品です。
ですので、基本的に序盤の流れは、暗めのお話となっています。
しかし、一度落ちこぼれてから再起を果たし俺TUEEEE化、自分を陥れた人間や見下した社会に対して復讐したり見返していくさまには、やはりカタルシスがあり面白い。
少々復讐が陰湿なイメージはどうしても拭えないものの、人間としての主人公の成長もしっかりと感じられる作品に仕上がっていて読みごたえのある作品です。

13|異世界はスマートフォンとともに(著者:冬原パトラ/ホビージャパン)

あまりにアニメ化が失敗したせいで、スマホ太郎という不名誉な通り名で呼ばれる作品。
たしかにそのアニメ化作品は残念なできで、お世辞にも面白いとは言えない作品だったものの、小説自体はオーソドックスななろうの俺TUEEEE系。
異世界でスマホが使えるという発想は面白く、作品のスタイルもまさにな郎系と言った感じで親しみやすい。
ただ大きな特徴がないため、なろう系の小説に慣れていない人にはとっつきにくいかもしれませんが、なろう系の雰囲気に慣れている人であれば、間違いなく楽しんで読める作品です。
とりあえず、アニメを見て原作を切った人は考え直しましょう。

14|賢者の孫(著者:吉岡剛/KADOKAWA)

ある意味なろうにおける俺TUEEEE系の到達点と言ってもいい作品がこの賢者の孫。
とにかく、これまで数々の作品が確立させてきた俺TUEEEE系のテンプレをしっかりと継承し、さらに、自分が強いという自覚がないという要素を加えることで新しい展開を見出した作品です。
つまり、強いと思ってないけど最強という形で始まる物語なのです。
物語自体は、申し訳ないですがこれと言って目新しさのないはなしではあるのですが、とにかくこの主人公のキャラクターでどんどん読み勧めることのできる作品。
俺なんかしました?が合言葉です。

15|私、能力は平均値でって言ったよね!(著者:FUNA/アース・スターエンターテイメント)

実は結構少ない女性が主人公の俺TUEEEE系小説、略称はのうきん。
平凡を好む少女が、神様に転生後の能力を平均値でお願いしますとお願いしたところ、人間だけではなく最強の神話の生き物なども含めた平均にされたために、人間においてはほぼ最強になるというストーリー。
この物語の面白いところは、その最強であるゆえんとなる意味づけ。
世界に放たれている、ナノマシンの存在を上に寄って知らされていることで、この世の不思議をしっかりと理解してしまえるという、新発想が楽しい小説です。
女性主人公のなろう系が読みたい人にはおすすめです。

テンプレを様式美として楽しめるか?

なろう系小説は、常にその界隈での流行にその作風が左右されますから、いわゆるテンプレな設定が多くなります。
ですから、それを、全部同じような小説だな。と思うのか、時代劇のように様式美として楽しむことができるのかで大きく楽しみ方は変わってきます。
後者の楽しみ方ができそうなひとは、一度挑戦してみるといいのではないでしょうか。

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