伊坂幸太郎|おすすめの小説本ランキング【作家名から作品を探す】

システムエンジニアから小説家になったという異色の作家、伊坂幸太郎。
その作風は、ユーモアとシリアスの絶妙なミクスチャーの向こうに見える、人間というものに対する複雑な感情。
そして、巧みな文章構成によるシステマチックなエンターテインメイント性。
とにかく、面白いのもその特徴で、初心者にもしっかりオススメできる伊坂幸太郎作品。
今回はそんな伊坂幸太郎の作品を、おすすめの小説ランキング形式でご紹介いたします。

作品ランキング1位|死神の精度(文春文庫)

やはり伊坂幸太郎と言えば、これ『死神の精度』ですよね。
死神として、人間世界で人間の生き死にの可否を決めるという奇想天外なテーマの中に隠れている、おかしな人間の姿と、人間という生き物の本質。
死神という、かなりネガティブな存在にもかかわらず、思わず微笑んでしまいそうなその姿は、ぜひ自分の死に際にも表れてほしいと思いたくなるようなキャラの良さ。
生と死を扱う重たいテーマでありながら、伊坂幸太郎らしいユーモアと、心を引き付ける絶妙な構成力のおかげで、重たくなくさらっと読める。
伊坂幸太郎の代表作です。

作品ランキング2位|オーデュポンの祈り(新潮文庫)

伊坂幸太郎のデビュー作が本作。
彼の一つの肩書でもあるミステリー作家の色合いが濃く表れているデビュー作は、それでもただのミステリーではないとしっかりと感じさせる不思議な小説。
殺人事件を発端に始まる基本的なミステリー作品でありながら、そこに現れる日常ではない世界観。
その、奇妙な世界が、まるで、本当にどこかにある世界のように妙にリアルに感じられてまるで違和感なく心にしみこんでいくそんな文章力がデビュー作ながら感じられます。

作品ランキング3位|アヒルと鴨のコインロッカー(創元社推理文庫)

小説におけるキャラクターの重要性。
物語の構成やその文章表現の独特さに定評のある伊坂幸太郎が、キャラクターづくりにおいても天才的であると知らしめたのがこの作品。
もちろんストーリーもその他推理作品の重要な部分もしっかりとしている作品なのですが、その特筆すべきはキャラクターの魅力。
キャラクターは物語の案内役でありながら、同時に読者の分身。
そのことをしっかり意識して出来上がっていることを想像させる、絶妙な読者、つまり現実との距離感。
その巧みさに、脱帽な作品です。

作品ランキング4位|重力ピエロ(新潮文庫)

ある意味伊坂幸太郎の出世作である、直木賞候補作。
様々な生い立ちと、そしてそれぞれにバックグラウンドを持った一つの家族、そしてそんな家族の心の交流を描き出した著者渾身の作品です。
物語の体裁は、推理小説の体裁を取っていますが、もはやそれは一つの味付け。
この作品に満ちているのは、家族というものへの問題提起と、作者がこの作品内に作り出した一つの家族のその存在の意味。
家族とは何か、そして家族として生きるとはどうい事か。その一つの答えがここにあります。

作品ランキング5位|ゴールデンスランバー(新潮文庫)

巨大な権力の陰謀と市井に活きる人たちとの間で繰り広げられる逃走劇。
映画化もされ、人によっては伊坂幸太郎の代表作に間違いないという人もいるだろう、圧倒的なスケール感で書き上げられた名著です。
物語自体は、JFK暗殺事件のオズワルドをモチーフにした、物語。
しかし、この物語はそんな「オマージュ」ではなく、まったく新しい、そして手に汗握る興奮を味わうことのできる極上のエンターテインメントです。
本当にこの作者は、物語を面白くすることに関しては天才だ、と思わせる作品ですね。

作品ランキング6位|陽気なギャングが地球を回す(祥伝社文庫)

とにかく、伊坂幸太郎のキャラクターづくりのうまさを心の底から味わいたいなら間違いなくこの作品。
出てくるキャラクターがいちいち魅力的で、それぞれのキャラクターでそれぞれの物語を書いても、立派な小説になるだろうなと思わせる、脱帽の一冊。
そして、そんなキャラクターたちが暴れまわる小説の世界は、まさに計算されつくされた文章の演出。
人間はいかに面白がるのか、そんな人間の心の動きのシステムを、しっかりと把握できているだろうことがうかがい知れる、絶妙なエンタメ力。ただただ面白い。

作品ランキング7位|グラスホッパー(角川文庫)

妻を亡くした主人公が、裏社会へと自ら進みそして殺し屋とのかかわりのなかですすんでいくストーリー。
出来事をしっかりと、そして冷酷なまでにつまびらかに描写していくそのテクニックは、構成力の天才的な才能がこのような悲しい復讐劇を描き出すときもまた、最高の威力をはっきりすることを証明した作品。
ある意味伊坂幸太郎という人間の作品の幅広さは、この作品でわかるといえます。
誰がどこで何を感じ、そして何に向かって進んでいくのか。
復習というテーマの中で、交差する人間の感情のつぶてが胸に突き刺さる、そんな作品です。

作品ランキング8位|魔王(講談社文庫)

人は、動き出したファシズムとどう戦うのか。
そんな、ある意味ひとつの社会的命題ともいえる壮大なテーマに挑戦した、伊坂幸太郎作品の中でも、圧倒的な社会へのメッセージ色の強い作品。
きっと伊坂幸太郎の中で、現在の社会に対する思いや、特定のだれかをターゲットにした想いがあるのだろうなと感じさせる作品ではありますが、それだけにその思いの強さに圧倒される作品です。
物語自体は、特殊能力使う主人公だったりと現実離れしていますが、それだけにはっと現実に戻される瞬間に、社会への恐怖を感じる作品です。

作品ランキング9位|アイネクライネナハトムジーク(幻冬舎文庫)

2019年秋、映画が公開される作品。
もともと、斉藤和義の作詞依頼に対して「小説なら」と応じて生まれた作品で、ある意味斉藤和義ファンならまず読んでおきたい作品でもあります。
伊坂幸太郎作品の中では、ある意味異色であるともいえる淡々とした日常の描写の多いこの作品は、じっくりと染み入るような人々の思いが感じられる作品。
この作品を読んだとき、伊坂幸太郎という人の作り出す世界の幅の広さに驚いたものです。
映画のキャストもかなり豪華キャストになっていますので、見に行く予定のある人も読んでおいて損はないでしょう。

作品ランキング10位|フィッシュストーリー(新潮文庫)

伊坂幸太郎のミステリーをサクッと読みたい人におすすめの短編集。
しかも全作品を読んで感じるのは、メッセージ性でも人間の感情の恐ろしさのようなものでも、もちろん凄惨な事件への心の動揺でもなく、なんとなくほっこりとした感覚。
とにかく、世界はきっとよくなると思いたくなる作品。
伊坂幸太郎は読みたいけど、短いうえにあまり心に響かない優しい小説が読みたいという人には、まずこれから読んでほしいと思えるそんな作品。
これもまた、間違いなく伊坂幸太郎という人の世界観であることは間違いないのです。

小説は娯楽、この線を絶対に外さない作家

とにかく幅広い世界観で様々な作品を作り出す伊坂幸太郎。
きっと好きなジャンルは、読むほうも、そしてきっと伊坂幸太郎自身にもあるはずなのに、どの作品もしっかりと面白いのは、この作者の作風がすべてしっかりと娯楽を意識して作られているという点です。
そう、どの作品も、しっかりとエンタメなのです。
小説は学問でも教養でもなく、しっかりと心の底から楽しめる娯楽なんだという忘れてしまいそうな前提を思い出させてくれる伊坂幸太郎作品。
ぜひ、読んでみることをおすすめします。

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