高校生・大学生が本当に読むべき!おすすめ小説・本10選【面白い本・書籍で視野を広げよう!】

高校から大学までの7年間。
人間にとって最も多感な時期で、これからの人生を大きく左右する10年足らずの時間は、時の長さだけでは語れない大きな意味を持っています。
そんな時に読む本ですから、それは人生を変える本になる可能性もあるわけで。
ぜひ良い本を読んでいただきたい、ということで、今回は高校・大学の時期に読むべきオススメの小説・本10選をお送りします。

1|アンドロイドは電気羊の夢を見るか?(著者:フィリップ・K・ディック/早川書房)


アンドロイドと人間のかかわり。
そこにはどんな違いがあって、アンドロイドは本当に人間とは違う、心を持たないものであるのか?
これまで様々なSF媒体でのテーマとなって語られてきたある意味SFの定番ともいえる内容で、それだけに様々な解釈や考え方が物語の世界で語られてきました。
その先駆けとなるのがこの小説です。
SFらしい奇想天外な世界観、アクション、そして、深く考えさせられるテーマ。それを取っても珠玉の名作というほかなく、しっかりと楽しめる一冊。
しかもAIの発達で、現実に迫る世界ともシンクロし、今だからこそ読むべき本ともいえるかもしれません。

2|蟹工船 党生活者(著者:小林多喜二/新潮社)


働くということの意味が問われ、再び貧富の差が広がりつつある現代。
そんな現代に、もう一度若者たちに読んでほしい作品といえば、このプロレタリア文学の巨星小林多喜二の代表作「蟹工船」です。
その作品に描かれているしいたげられる労働者としいたげる資本家の姿。
その姿は、かつての若者の心に大きな衝撃を与え、戦後の共産主義活動にも大きくかかわってくることとなった本作。
しかし、本作はそんな主義主張とは別物として、人間の尊厳や労働ということの本質、または社会構造の在り様について深く考えさせられる本です。
決して共産主義や社会主義の教本としてではなく、人間とは何ぞやを知るべき作品として、もう一度小説本来の価値を取り戻してほしい名作です。
余計な先入観や、この本がたどった数奇な役割の歴史を考えることなく、一冊の素晴らしい小説として、その心に刻み込むように読んでほしい。
心が柔軟な若者にこそ、おすすめの小説なのです。

3|風の歌を聴け(著者:村上春樹/講談社)


いまやノーベル文学賞受賞者よりも有名になってしまった候補者村上春樹。
世界を股にかけて広まるハルキストたちは、その魅力を大いに喧伝し、そして、世界最高峰の作家の如くその魅力にはまっています。
が、世間の人に、あなたは村上春樹を読んだことがあるのか?と聞かれればそうでない人が多いことでしょう。
その内容は好き嫌いはあるとはいえ、やはり現代の日本文学界において、村上春樹というのは大きな足跡を残す新文豪のひとり。
彼がいつまでノーベル文学賞候補者、となるのかはわかりませんが、日本人として、その本の一冊くらいは手に取って読み、あなたの好き嫌いを確定させておくのもいいかもしれません。
そんな人にお勧めしたいのが、本作。
ムードと情緒、それを基本線に語られていくどこかとらえどころのない物語は、青春期の心に何らかの衝撃を与えることは間違いありません。
そして、あなたはハルキストなのかそれともアンチなのか、しっかりとわかることでしょう。
もちろんそれがどちらであっても何も悪いことはなく、どっちだったとしてもだからといって文章を読む能力がないというわけではありません、しかし、間違いなくこの一冊で決まります。
あなたはハルキストですか?
それとも、いつまでも候補者であることをさもありなんと思う人間ですか?

4|カラマーゾフの兄弟(著者:ドストエフスキー/新潮社)


文学史上に輝く間違いのない名作、カラマーゾフの兄弟。
読む人ごとに感想が変わり、読む人ごとにそのテーマさえも違って見えるという、まるでだまし絵のようなこの作品は、小説の持つエンターテインメント性の高さを物語る一冊です。
一人の資産家の死により、うごめき始める周囲の人物の本音。
それぞれが見せる人生模様と心の在り様、そして一本の線のように資産家の撲殺という結末に向かっていくそのストーリーはまさに圧巻。
震えるほどの人間性の奥深さが深く心に足跡を残していきます。
ただ、日本人的にはとにかく登場人物がわかりにくいのも本書の特徴。
え?これ誰だっけみたいなことが何度も何度も起こりますが、誰が読んでもそうなりますので、自分だけがそうなっていると思わなくても大丈夫。
メモを取ったり、人物相関図を広げたりと、工夫をしながら最後まで読破してみてくださいね。
それだけの努力をして、なんとか最後まで読み進めれば、それだけの価値のある小説であることは歴史がきちんと証明しているのですから。

5|現代語訳 学問のすすめ(著者:福沢諭吉/ちくま書房)


いわずと知れた1万円札の福沢諭吉が残した名著、学問のすすめ。
日本人であればほとんどの人が「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。
福沢諭吉は、この著書の影響で穏やかな学問の人と思われがちです。
しかしその本質は、激動の明治維新をしっかりと生きた信念の人であり、新しい時代を切り開く開拓者でもあった人。ですから「天は人の上に……」という言葉だけを知っている人には想像がつかない、安易な平等主義に陥っただけの人物ではないことが、この一冊からわかります。
鎖国の300年を経て、閉鎖的な環境下にあった日本人。
その日本人の心をそのままに、急速に西洋諸国に追い付かなければならないその必要性を身をもって知っていた福沢諭吉は、そんな日本人にいかなる学問をすすめていたのか。
彼はどんな日本を夢見ていて、そして、いま日本は枯れの夢見た日本とどれくらい隔たった場所にいるのか。
そんな、知の開拓者が残した、一冊の本からは、これまでの日本とこれからの日本を照らす一筋の光すら感じる、間違いのない名著なのです。

6|バカの壁(著者:養老孟子/新潮文庫)


IT技術とネット社会の発達で、人間関係が複雑化している現代。
SNSや出会い系サイトでのコミュニケーションは複雑化し、リアルにおいても、ハラスメントの拡大解釈なので、人間関係を保つことが非常に難しい世の中になってきました。
そんな、現代の若者に、読んでおいてほしいのがこのバカの壁。
人間同士は本質的に理解することはできずそこにはバカの壁がそそり立っているという、日本が世界に誇る現代の知性である養老孟子の考え方。
その人間関係の根本原理とも思える主張は、まさに今後の時代にこそ役に立つバイブルです。
複雑に絡み合い、また新しいコミュニケーションが次々に生まれてくる現代社会において、その本質を抑えておくことは言うまでもなく重要なこと。
また、人間関係に悩み精神を病む人が多い現代においてその処方箋とでもいうべき力も本書にはあります。
これから社会に羽ばたき、社会の中で生きていかざるを得ない高校生や大学生にとって、この本を読んだことがあるのとないのとでは、その人間関係の迷宮を進むうえで大きな違いがある。
そう断言できる、知性の一冊です。

7|超ひも理論とはなにか?(著者:竹内薫/講談社)


特に文系の人に読んでほしいのがこの本。
世界というのは色々な分野にいろいろな偉人がいて、それらの人たちはとてつもなくよくわからないことを考えて生きている、というのは狭い視野を持って生きていてはなかなか実感できません。
しかし、それではこれからの社会に出ていくうえでは、かなりのマイナスポイントといっていいでしょう。
そこで、そんな視野狭窄におちいることなく、この世にある不可解で複雑な論理を読み解く力を養ってくれるのがこの本なのです。
はっきり言って、この本は難解です。
日本語さえ読めれば、内容を読み進むことも何が書いてあるかを認識することもできますが、とてつもなく難解な理論なため理解するのは至難の業。
しかしそれでもめげることなく読み進み、最後まで読んで、それでもわからなければもう一度読み返す。
何度も何度も読んでいるうちにだんだんと内容が理解できてきて、そんなSFみたいなことが実際の宇宙で起こっているのか!という新鮮活衝撃的な感想を抱くことができるでしょう。
読書とは、未知の世界への冒険。
難解な冒険ではありますが、その垂直の崖を上るような冒険はまさに読書の喜びの一つです。

8|資本主義という謎(著者:水野和夫、大沢真幸/NHK出版)


今や当たり前の社会システムとなった資本主義。
共産主義や社会主義がその対立の概念として存在し、その良し悪しをはかる時代は終了し、今や資本主義こそが唯一絶対の価値を持つ正義のようになっています。
しかし、本当にそれは正義なのか。盲目に崇拝してもいいのだろうか?
これから社会に出て生きていくには、この資本主義と付き合っていかなければいけないのは間違いなく、資本主義とは何だろう?の答えに大きな意味が出るのも間違いはありません。
そこで読んでほしいのがこの本。
この本は、二人の学者、経済学者の水野氏と社会学者の大沢氏がそれぞれの立場から資本主義とは何ぞやについて対話を深めていきます。
そこで展開されている話は、まさに資本主義の本質を探る旅。
専門用語が多く、論理形成も難しい内容ではありますが、読み進めていくうちに二人の知の巨人の手によって資本主義の形がどんどんと浮き彫りにされていきます。
そして、最後に、あなたの心の中にぼんやりと資本主義の正体が見えてくる。
そして資本主義が作り出す未来予想にまで切り込んでいるこの対話には、社会に出ていく若者にこそ読んでいただきたい本になります。

9|ボヴァリー夫人(著者:ギュスターブ・フローベール/新潮文庫)


高校生大学生の若者にとって、社会に待ち受ける大きな落とし穴は、人間関係とお金。そして異性です。
多くの若者が社会に出てから異性関係で人生を失い、また、多くの若者と立が社会に出てから異性関係のおかげで幸せを手に入れる。
何かを失うにしても得るにしても、避けては通れないのがこの異性との関係です。
そんな異性との関わり、人間の性における行動の本質に迫った作品が、このボヴァリー夫人という小説になります。
この物語で、奔放かつ自由な性を謳歌する田舎の医者婦人エマ・ボヴァリーは何不自由ない生活の中で暇を持て余し、次々と不倫を重ねる生活に落ちていきます。
そのなかで、派手な遊びを覚え、どんどんと浪費を重ねていき借金を積み上げていき、逃れられない破滅の闇の中にとらわれていきます。
その姿は、まさに現代の恋模様にも通じる姿であり、現代の破滅に向かう性の誘いに当てはまる人間の変わらない欲望への渇望が描かれています。
社会に出る若い人たちが、その本を読んで何を感じどう生きる指針とするのか。
そこに人間の自我の強さと共感をどう感じていくのか。
それは、一つの試金石だと言えるのかもしれません。

10|斜陽(著者:太宰治/新潮社)


若いころに太宰を読まなかった人間は、不幸だ。
そう断言してもいいくらいに、若い頃にだけ強く心に響く力を持っている名著を数多く生み出している、太宰治という文豪。
本著は、敗戦後の価値観の変化の中で戸惑う社会で生きる若者の生き方。
価値観が変化し、この世の正しさや美しさが目まぐるしく変化していく世界の中で、変わらないものを見つめて生きる主人公の姿は、太宰治の文体と相まって恐ろしいほどのリアリティを感じさせます。
そんな物語ももちろん大きな魅力ですが、やはり注目すべきは太宰の文体。
行間に影をまとったような、美しくも人間の血の通った暖かさ、そしてこの世にある冷たい風を姿を感じるようなその言葉の芸術は、まさに一読の価値があります。
日本の時代のある時期に、文章芸術の頂点ともいえる場所にたどり着くことができた人間のひとりである太宰治のその文章は、一読の価値のあるものであることは言うまでもありません。

乱読も読書の一つ。

高校大学の時代は心が大きな口を開けて待っているような時期。
吸収出来れば、吸収しただけ心の栄養にしてくれる時期で、こういう時期にはジャンルにこだわらず読み散らかすくらいに本を読むのが最良です。
ただ、今回紹介したのは、どれも、最高の栄養となる名著。
ぜひその素晴らしき本の世界を楽しんでほしいものです。

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