本屋大賞ノミネート本から選ぶ!おすすめの小説・本20選

目次

いまや本読みにとって直木賞芥川賞よりも大事な本屋大賞。
誰よりも小説に詳しい本屋さんが選ぶ大賞だけに、先入観のない純粋に面白い小説が選ばれることで有名で、本読みの指針としてはこれ以上ないものだと言えます。
今回はそんな本屋大賞の中から、20冊を厳選して、中でも面白いものを紹介していこうと思います。

1|教場(著者:長岡弘樹/小学館)★第11回本屋大賞6位受賞★


品を通して、ずっと張り詰めたような緊張感を感じるこの作品。
教場とは、警察学校におけるクラスのことで、そんな警察学校で繰り広げられる謎めいた事件がこの物語の中心軸になっています。
そんな物語の内容より、とにかく、何よりその雰囲気が怖い。
うつろな目をした白髪の共感がそんな警察学校の中で立ち回る姿は、まるでホラーのごとき緊張感を感じさせてくれます。
一風変わった警察学校内での学園ものともいえるこの作品。
ひとたびはまり込んだら、ちょっと癖になってしまいそうな文体です。

2|百年法(著者:山田宗樹/KADOKAWA)★第10回本屋大賞9位受賞★


人が死ななくなってしまった未来に制定された一つの法律「百年法」。
この、100年生きたものは強制的に安楽死させられてしまうという法律が施行された世界で、人間たちが描く様々なヒューマンドラマがこの作品の本筋。
ある人は安楽死を拒んで身を隠し、ある人は不老不死自体を拒絶、ある人は甘んじて安楽死を受け入れる。
人間にとって死とは何か、生きるとはどういうことか、強制的に人生のリミットを決められた世界で人々はどう考えどう生きていくのか。
長編でかなり読力のいる作品ではありますが、時間をかけてしっかり読み込みたい一冊です。

3|悪の教典(著者:貴志祐介/文藝春秋)★第8回本屋大賞7位受賞★


現代の学校に巣くう問題をブラックで戦慄の衝撃作。
学校という閉鎖空間によどむ織りの様な悪意、その悪意を体現するかのような主人公の教師は、次々と悲劇と惨劇を振りまいていきます。
目くるめく衝撃とスリル、そして肌がざわめくような恐怖。
人間社会の縮図の様な学校で、その問題点を鋭く描き出しながら、一人の最古キラーが物語をどんどんと深みへと導いていく。
ある意味、何よりも人間の心を深くえぐる恐怖という名の感動が、衝撃のラストに導いていくのです。

4|出星前夜(著者:飯島和一/小学館文庫)★第6回本屋大賞7位受賞★


歴史の教科書でおなじみ、島原の乱をめぐる顛末を描き切った作品。
人間の本性をあぶりだす数々の苦しみ、それは圧政であり貧困であり飢餓であり、そしてそれを救うものとして存在するはずの宗教とその恐ろしさ。
遠い昔日本で起こった一つの宗教戦争の顛末の中に、そういった極限状態だからこそ垣間見ることのできる人間の本性と、支配被支配の関係性の残酷さ、宗教の怖さと脆さ。
そう言った、現代社会の争いにも通じる、ある意味不変の心情をしっかりと描き切った本作は歴史小説として確固たる存在感を放っています。

5|鹿男あをによし(著者:万城目学/幻冬舎文庫)★第5回本屋大賞ノミネート★


コミカルで軽妙な万城目文学の最高峰の一つ。
いまや、WEB小説で一大ムーブメントを起こしている異世界モノのストーリーを、人気作家がしっかりと書き上げた一冊は、かなりの異色作。
とにかく優しい文体とコミカルな表現が、この世界観の独特なライト感と相まって、ノンストレスで読み進めることのできる作品です。
古都奈良を舞台にしていることから、歴史に興味乗る人や日本神話や古代史に興味のある人まで楽しめる、まさにエンターテインメントの傑作です。

6|八日目の蝉(著者:角田光代/中央公論社)★第5回本屋大賞6位受賞★


母であり娘であり、そしていつまでも女である、そんな女性の本性を鋭くえぐる作品。
不倫や不倫相手の子供の誘拐、そして、誘拐された子供の人生と、自分自身も不倫をしてしまう娘の生きざまの中に描かれた女の業。
仏をして外面如菩薩内心如夜叉と言わしめる女性の本性を現代的な背景の中で、生々しくえぐり取って目の前に突き付けてくる本作には、どこかもの悲しさがずっと付きまといます。
しかし、だからこそ、そこには愛すべき女という性がある。
美しくも儚い、女という生き方があるのです。

7|島はぼくらと(著者:辻村深月/講談社文庫)★第11回本屋大賞3位受賞★


心の底まであの頃の気持がよみがえる、青春小説の傑作。
瀬戸内海に浮かぶ架空の島で繰り広げられる、少年少女の物語である本作は、常に青春時代のあの頃の匂いが潮の香りとともに漂ってくるような物語。
島という閉鎖空間ならではの問題点やそんなどこか異空間ともいえる場所での伝統や風習も描かれていて、単なる青春小説では終わらない深みも持っています。
人生の中で、これほどまでに高校時代というものが貴重な時間だったのだと再認識させてくれる意味で、大人だからこそ読んでほしい、珠玉の青春小説です。

8|海賊と呼ばれた男(著者:百田尚樹/講談社文庫)★第10回本屋大賞1位受賞★


記念すべき第10回の本屋大賞で1位となったお騒がせ作家百田尚樹の作品。
歴史にメスを入れ、事実をもとにしたフィクションを書かせたら右に出るものはいないといってもいい百田氏の作品らしく、その筆致はリアルで鮮烈。
そして、そこに描かれる海賊と呼ばれた男の姿は、閉塞感漂う日本人の心の琴線に、確かに触れる本当の人間の生きざまを感じさせる何かがあるのです。
人間はいかにして生きるべきかそして働くべきか。
今の日本人が忘れてしまったはたらくということの意味、人間が協力し合うということの意義、そいうものを再認識させられる、名著です。

9|横道世之介(著者:吉田修一/文春文庫)★第7回本屋大賞3位受賞★


自由に生きることの意味と、それにまつわる悲喜こもごもが楽しい作品。
日本の狂乱の夢、バブル経済が終わりを迎えようとしていた1987年を舞台に、毎日をしっかりと生きていこうとする平凡な大学生の日常を描いた物語。
個性的な友人や周りの人間とのかかわりが楽しく、その中で平凡ながらもひょうひょうと生きていく世之介の姿は、確かに大学時代という青春の残り火が最後に燃え上がる美しさを持っています。
物が立としてはそこまで大きな事件も起きず、のんびりと読める楽しい読書に最適な一冊です。

10|新世界より(著者:貴志祐介/講談社文庫)★第6回本屋大賞6位受賞★


アニメ化や漫画化されその衝撃的な内容で、作家貴志祐介の名を若い人に印象付けた作品。
SF小説の体をなした、貴志祐介らしいホラーとも思える底冷えするような世界観は、まさにらしい世界観といえる本作は、その内容もまた衝撃的。
いったいどこから発想しているのかといいたくなるような驚異の創造力でつづられていく物語の展開に、ハラハラを通り越してびくびくするような、そんなお話です。
しかし、その面白さは折り紙付き。
しっかりと読み込んで、その世界を堪能していただきたいものです。

11|赤朽葉家の伝説(著者:桜庭一樹/創元推理文庫)★第5回本屋大賞7位受賞★


戦後日本を生きた女三代の数奇な生涯を描く異色作。
歴史を背景にした大河小説のようであり、また推理小説のようであり、ファンタジーや伝記のような趣も持っている、まさにジャンルを特定できない怪作です。
しかしながら、ストーリーの面白さは圧巻。
純粋な謎解き推理小説とはいいがたい内容ではありますが、一つの物語を描き切ったその内容は、読む手を止めさせない大きな魅力に満ちています。
がっつりと読書したい人、物語の世界に引き込まれたい人には、まさにおすすめ以外の言葉はない一冊です。

12|サクリファイス(著者:近藤史恵/新潮文庫)★第5回本屋大賞2位受賞★


自転車ロードレースの世界を描く、スポーツミステリー作品。
内容的には、自転車ロードレースの世界を描く、興奮と迫力のスポーツ小説として楽しむこともでき、またミステリーとしても一級品の面白さを持っているお得な一冊。
きっとしっかりとした取材の上ででき上ってるだろうことを感じさせる、自転車ロードレースの描写は、マイナースポーツらしからぬ共感を得られます。
まるで自転車の疾走感のように展開していくストーリー展開も見事で、読書の楽しみを存分に感じさせてくれる作品でもあります。

13|ゴールデンスランバー(著者:伊坂幸太郎/新潮文庫)★第5回本屋大賞1位受賞★


心ゆくまでミステリーの快感を感じることのできる作品。
まさに、ミステリー小説、と、そう言いたくなるような隅から隅までしっかりとした構成と展開でミステリーファンをうならせる傑作ともいえる本作。
最初から最後まで、ミステリー小説特有の緊張感とドキドキ感に彩られ、興奮のままに最後まで通読してしまう魅力にあふれています。
さすがは「このミステリーがすごい!」でも1位を獲得した作品と言わざるを得ない圧巻の内容ですが、物語自体の精緻な面白さもありますのでミステリー初心者にぜひおすすめしたい作品です。

14|夜は短し歩けよ乙女(著者:森見登美彦/角川文庫)★第4回本屋大賞2位受賞★


不思議な文体と不思議な世界が楽しめる、珠玉の森見ワールド。
この物語は、まさに幻想的な世界を書かせたら頭一つ抜け出ている森見氏の作品だけあって、不思議な世界観が癖になるそんな作品です。
お得意の京都を舞台に、ファンタジーの世界と現実の世界の境目を失ってしまいそうな錯覚の中繰り広げられる恋愛模様は、雅で趣深い味わいがあります。
まさに、文体の万華鏡。
森見ワールド初心者にもお勧めしたい、個性的な作品です。

15|ベルカ、吠えないのか?(著者:古川日出男/文春文庫)★第3回本屋大賞8位★


戦争という悲劇に翻弄された、犬たちの数奇な運命。
戦争に翻弄された生きざまを描く作品は数多くありますが、これは、戦争に翻弄された軍用犬の物語を描く異色作で、だからこそ感じられる戦争というものの業を描き出した名作です。
文章自体は、本当に評価の難しいところ。
純文学のようであり通俗小説のようでもある、そのマッシュアップ感の強い文章には、はじめてこずるかもしれませんが、それであきらめるには本当に惜しい作品。
ぜひ、根気強く結末までたどり着いてほしい物語なのです。

16|クライマーズ・ハイ(著者:横山秀夫/文春文庫)★第1回本屋大賞2位受賞★


日本人の心に深く刻まれて忘れることのできない、日航ジャンボ機墜落事故。
正確には日本航空123便墜落事故といわゆるこの出来事を新聞記者の視点で鋭く切り取ることで、その自己の本質とその事故に翻弄された人たちの愛憎を印象的に描き切った作品です。
その内容は、あまりに苦しく切なく、そして心に痛い内容。
しかし、人間の本性ともいえるその姿を見つめることによって。あの事故とはいったい何だったのかという答えが、徐々に浮き彫りにされてくる、そんな力を持っています。

17|晴天の迷いクジラ(著者:窪美澄/新潮文庫)★第10回本屋大賞6位受賞★


どこまでも鬱々として、心が苦しい作品。
人間は、特に読書の好きな人間は、時としてどうしようもないくらいに気分が落ち込んで暗くなってしまうような作品を読みたいときがあります。
そんな欲求にしっかりと答えてくれるのが本作。
3人の主人公がそれぞれの生い立ちや経験から絶望的なまでの孤独感にさいなまれ、最終的に3人で死を決意する旅に出かけるという本作はとにかく余すところなくずっとくらい。
そして重い。
一応ハッピーエンドですが、読後感は全然そんな感じはなく、本当に重い作品が読みたいときには最適です。

18|騙し絵の牙(著者:塩田武士/KADOKAWA)★第15回本屋大賞6位受賞★


実在の人物をモデルに書き上げられた、前代未聞の異色作
一番新しい本屋大賞で最も興味を引いたのは、その内容というよりむしろ、実在の俳優をモデルに主人公を描き出すという異色作である本作。
そのモデルは、国民的俳優となった北海道のスター大泉洋氏。
もちろんストーリーも面白く、出版業界という場所の光と影を感じて楽しいのですが、モデルとなった大泉洋氏を思い浮かべて読むと、これが格別に面白い。
これを読んでいる人間全員が、同じ顔と声を当てて読んでいると思うとちょっとわくわくする変わった楽しみ方のできる異色作です。

19|桜風堂ものがたり(著者:村山早紀/PHP研究所)★第14回本屋大賞5位受賞★


暖かい風に満たされた、素敵な気分の読了感が特徴の作品。
本が好きで、読書という時間を心の底から愛してやまない人が読めば、心の底から共感できると太鼓判を押せるのが、この作品。
とにかく、本好きの本好きだからこそ共感できる思いがそこかしこにちりばめられていて、もうそれだけで優しい気持ちに満たされていくことでしょう。
物語も綿密で、しっかりとした構成がしっかりとした面白みを持っていますし、その点でも文句なしのおすすめ作。
でも、とにかく本好きに読んでもらいたい、心の底からそう思う一冊です。

20|村上海賊の娘(著者:和田竜/新潮文庫)★第11回本屋大賞1位受賞★


歴史小説として、一段階上のレベルに到達したといってもいい名作。
もうあまりこの小説については細かいことを言いたくはないのですが、とにかく面白いから先入観なしによんでください、とだけ言いたいほどの傑作。
もちろん内容的には歴史小説ですが、歴史小説をこれまで毛嫌いしていたような人でも絶対に楽しめます。
じつは、最後にお勧めするこれが、一番のおすすめ。
だから、おすすめです!ということだけで、失礼します。

本屋さんはいい本を選ぶ

本屋大賞は書店員さんたちが選んだ小説。
さすがは本屋さんだけあって、きちんと面白い本を選んでくれています。
ここで紹介しているものはもちろん、それ以外の物もぜひ読んでみてくださいね。

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