中学生が本当に読むべき!おすすめの小説・本10選【面白い本・書籍で視野を広げよう!】

若い頃、日本文学を読んでおくことの大切さ。
中学生の頃にそんなものあまり実感はわかないかもしれませんが、大人になるとその重要性をひしひしと感じるときがやってきますよね。
とはいえ読書の習慣というのはなかなかに身につくものではありません。
そこで、ここでは中学生に読ませたい、もしくは読んでほしい本をご紹介します。
読書をするということは、もちろん情操教育にも良いですし、いろいろな思考の幅を増やすという点でも最適なこと。
そして、高校受験大学受験にも活きてくることですので、しっかりと習慣化できるといいですね。

1|カラフル(著者:森絵都/文春文庫)

2010年にアニメ映画化された、森絵都の作品。
主人公が中学校3年生ですので、等身大の中学生目線で楽しむことができる上に、とにかく文章がシンプルなため中高生にとても人気の作品です。
しかし、その内容は大人でも感銘を受け涙を流してしまうような深く感動的な作品でもあります。
主人公は、輪廻の輪から外れ、天使業界の抽選に当たるというおかしな展開から、自殺を図った少年『真』の身体の中にホームステイすることが決まります。
彼は、生前お菓子辰巳をその体の中から、見出さなければいけなくなったのです。
そして、少年の体を通して見る世界は、中学生の素直な心を通してみるその姿は、人間というものの美しい部分と汚い部分が織り混ざった、なんともカラフルな世界。
主人公は、そのカラフルな世界に悩み、そして同時にそのカラフルさこそが素晴らしいと気付いていくのです。
そして最後に訪れる衝撃のラスト。
人間社会や大人の世界というものに対して、好奇心とともに疑念や不快感を持ってしまう中学生の時期だからこそ、読んでおきたい作品。
きっと読んだ子供の人生を、カラフルに変えてくれる、そんな一冊であることは間違いありません。

2|きみの友だち(著者:重松清/新潮文庫)

全10篇からなる短編小説集。
まずは何よりひとつひとつの分量が短くさらに読みやすいので、あまり小説が得意でない子にも間違いなく勧めることのできる一冊ですし、だからといって内容が軽薄でないのも良いところです。
そして、本書の中に描かれているのは、集団の中にある自分というもの捉え方。
小学生の時は、なんとなく友達と一緒に遊んでいることが普通だったのに、思春期を迎えるとそれぞれ強い自我が芽生えてくることで集団の意味というのは変わってきますよね。
そしてタイトルにあるような『友達』の意味も変わってくるはずです。
いままではみんな仲良くしている証だった、一緒に行動するということが、周囲からの同調圧力に変わり暴力的なものにさえ感じられてくる。
一人になるということは寂しいことだったのに、集団から弾かれてこそ見つかる一人の良さも見えてくる。
そして、集団からあぶれて一人になったときこそ、心から信じ合える友達に出会えることもある。
社会の中で集団の中で生きるということはどういうことなのか、友達とはどういう存在なのか。
小学校時代からガラッとその辺の価値観が変わってしまう中学時代にこそ読みたい名作です。

3|アルジャーノンに花束を(著者:ダニエル・キイス/早川書房)

ただただシンプルに、人間というものの姿を克明に捉えその価値を感じさせてくれる感動巨編。
世の中における価値観というものをどうやって認識していこう。そんな思春期特有の不安定な状態にある中学生だからこそ、こういった本を読んで、物の価値というものをしっかりと感じてほしい、そんな一冊です。
この作品は、知的障害を持つ青年の変化を追い続けた、そんな作品。
知的障害を持つ青年は、最初、その知能指数の低さからあまりにもつたない文章で自分の周りのことを綴っていくのですが、段々と治療のおかげで知能指数が上がってきて文章もしっかりしてきます。
そして彼は超知能を手に入れ天才となり、恋も人生をお浮かし始めるのです。
しかし、彼は、ともに被験体であったネズミのアルジャーノンの様子から、自分に訪れる運命を悟ってしまうのです、そう、彼のその知能は一時的であることを。
この作品を通して、きっと、子どもたちは物の価値というものの本質を学ぶはずです。
そして、最後の2行。
文学史上最も感動的という人さえいるこの2行の意味は、どうかご家族や友人で一緒に考えてほしいな、と思うのです。

4|さよなら、田中さん(著者:鈴木るりか/小学館)

この本は読む中学生自身に中学生の可能性を感じてほしい、そんな一冊です。
というのも、この小説は、著者である鈴木るりかが小学4年生の頃に小学生を対象とした12歳の文学賞で入賞した作品を加筆修正し14歳の頃に上梓したという作品名のです。
そうつまり、これは中学生作家の作品だということ。
その内容は、著者が中学生であること感じさせないクオリティーと、中学生だからこそかけるみずみずしい感性が織りなす素晴らしい出来。
社会に対する問題敵も、それを切り取る視線も素晴らしいと言わざるを得ない作品になっています。
しかし、やはりそれよりも、これを読む中学生には『自分と同じ年代の子供にも、こんな事ができるんだ』ということを感じてほしい。
そうでなくても、中学時代というのは大人になっていく身体と子供扱いする社会の狭間で苦悩するもの。
そんなときだからこそ、その気になればここまでできる、中学生であってもこんなに素敵な小説を書いて『小説家』になることだってできる。
そんな事実がもたらす希望の大きさは、計り知れないものになるのです。

5|ブレイブ・ストーリー(著者:宮部みゆき/角川文庫)

中学生の中には、ライトノベル的なファンタジーなtらよねるという人も多いはずです。
もちろんそれでも全然問題はありません、ファンタジー小説からまんべることやファンタジー小説だからこそ表現できる世界もあるので、それはそれで良いのです。
しかし、いろいろなジャンルの小説を読むことはその思考の幅を大きく広げることにもつながってきます。
そこで、そんなファンタジーが大好きな中学生におすすめしたいのは、現代における最高のストーリーテラーである宮部みゆきさんの本作です。
まずこの本は、しっかりとファンタジー小説です。
ファンタジー小説が好きな人には間違いなく受け入れられて、きっとその作品世界にはまり込んでしまうような空想力の刺激される作品。
と同時に、この小説はそんなファンタジーの世界に世界に絶妙に現代小説が織り込まれている作品でもあります。
そしてとうぜん、宮部みゆきの作品ですから、の現代小説の部分においても、読みやすくそしてわかりやすい文体でかかれれているので拒否反応は少ないはず。
これを気に宮部みゆきという人のファンになれば、ミステリーから時代小説、SFにホラーと何でも読める読書好きになるかもしれませんよ。

6|そして誰もいなくなった(著者:アガサ・クリスティー/ハヤカワ文庫)

中学生は、良くも悪くも知識がまだ十分でない時期。
それはもちろん物足りないものであると同時に、実はこれほど幸せな時期はないという時代でもあります。
そう、中学生であれば、アガサ・クリスティーのそして誰もいなくなったを手にとって読むとき、ミステリー作家の2大巨塔の一人が書いた世界的名作だと知らずに読むことができるのです。
今回はこの作品にしましたが、これは他の名作にも言えることです。
世界的に有名な名作を、おとなになって読むとき、人は「これは世界的な名作だ』という先入観だけではなく、それにまつわるいろんな知識をまとってその物語を読んでしまいます。
例えるなら、アカデミー長編アニメ賞をとったのだという先入観を持って見る『千と千尋の神隠し』は。ただ無心でアニメを見るときときっと感想は違うはずだということ。
そしてきっと、後者のほうが素直な意見を持てるということです。
ひとりの海外の作家の古いミステーリ、そんな先入観だけでこの本を読める幸福。
もちろんこの本だけでなく様々な名作をこの時期に読んでほしいのには、そういった意味があるのです。

7|三国志<1>英傑雄飛の巻(訳者:渡辺千州/偕成社)

きっと、中学生の親御さんには三国志マニアの方もいらっしゃいますよね。
この三国志マニアという人たちは、男性にも女性にも一定数存在していて、小説好きのファン層の中では『ハルキスト』と『赤毛のアンマニア』と並ぶ勢力です。
そんな三国志マニアの親御さんにとって、大好きな三国志の世界にいかにお子さんを引き込んでいくかは大きな問題。
いきなり小さな文字の小説を読ませてもつまらないだろうし、かと言ってアニメや漫画では、この先しっかりと三国志を活字で読んでくれなさそう。
そんなときおすすめなのが本書。
子供向けの三国志小説である本書は、他の子供向けの本とは違って、変に子供っぽくしすぎず今風の萌えイラストでもなく、しっかりと三国志。
難しい登場人物の関係性などはわかりやすくしてくれているのに、その読み味は間違いなく歴史小説。
きっと三国志好きの親御さんですら、その魅力にハマってしまいそうなほど、三国志の歴史を感じる雰囲気をそのままに子供向けにすることに成功した稀有な一冊。
ぜひおすすめです。

8|カエルの楽園(著者:百田尚樹/新潮文庫)

残念なことに、日本の教育業界というのはどちらかというと左派リベルの傾向が高い政治思考を持っています。
もちろん、左派リベラルであることはいけないことでも何でもなく、そういう思想は認められるべきものですが、中学生の柔軟な精神をどちらかの思想に偏らせるのはあまり良いことではありません。
ですので、そこにはしっかりとカウンターとなりうるものを当てておきたいもの。
そういう観点から行くと、日本の現在の『専守防衛』のあり方に大きな疑問を呈する、偉大な作家でありながら過激な言動で炎上の常連でもある百田尚樹のこの本は最適です。
しかも、文章自体は本当に簡単で、まさに児童文学と読んでささしつかえないレベル。
ただ、そこに書かれている、カエルの楽園の姿をいまの日本だと考えたときに、きっと学校ではとにかく良いものだと教えられる日本国憲法についてある種の考えが浮かぶはずです。
そして、大事なことは、それなのです。
当たり前に疑問を持つこと、とうぜんの価値観に流されないこと。
特に価値観の流動の激しい現代において、こういった本は中学生には必須です。

9|ボッコちゃん(著者:星新一/新潮文庫)

中学生に読んでほしい本といえば、一番にこれが浮かぶ人も多いでしょう。
というよりも、この本というよりも、星新一という人のショートショートを読ませたいという人は、かなり多くいるはずです。
それくらい、多くの日本人にとって思春期を共に過ごした星新一という人の小説。
その読みやすさは、分量は言うまでもなく、本なんかまったく読んだことのない子供でも、しっかりと読み込むことのできる難解さの皆無なシンプルさ。
そして、そのシンプルな文体が引き立てる、星新一ワールドならではの雰囲気と奇想天外なアイデア。
多くの小説家志望の文学青年や、今現在活躍している小説家が、それを目指したきっかけにあげている、星新一のショートショート。
なんかこういうのだったら自分にもかけるんじゃない?
中学生がそう思う小説といえば、まさにこれです。

10|赤毛のアン(著者:モンゴメリ/新潮文庫)

最後にご紹介するのは、まさに、禁断の書ともいうべき赤毛のアン。
とくに、空想力が発達して夢見がちになってきた女子中学生にとっては、今後の人生に影響を与えかねない、それほどに強力な引力を持っている作品です。
というと、すすめていないようですが、つまりはそれくらい面白いということ。
そして、個人的には、これからの社会で生きていく上において、この赤毛のアンとの出会いは、もしかしたら大きなプラスになるのではないかと思っています。
というのも現在の社会は、大きなストレスを抱えやすいストレス社会。
なにも良いことがない、全然自分を幸せだとは思えない、そんな気持ちを抱えて生きている人は多く、またそれが原因で深く落ち込む人も多い世の中です。
そんななか、赤毛のアンの『幸せ探し』の毎日はきっと一つの光になるはずです。
多感な中学生の時期に、そんなアンのような『幸せ探し』な毎日の送り方を知っておく、それはきっと大きな財産になるのではないでしょうか。

おもしろい本だけ読めばいい

中学生という好みが安定していない時期に読む本は、ためになるより楽しい本。
このときに無理にためになる本を読ませようとして、その経験がかえって読書嫌いに結びついてしまったら、元も子もない結果になってしまいます。
いまは、しっかりと本を読む楽しさを知ること。
それが何より大事なのです。

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