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小学生になった途端、本を読んでくれなくなるといったことは珍しくありません。しかしながら、やはり本というのは子どもの想像力を養うのに欠かせないものです。親御さんのほうからも積極的にアピールしてほしいところですが、子どもに興味を持ってもらえるような本を選ぶことも大切です。ここでは、低学年の女の子向けで小学生が読むべきオススメの小説・本をご紹介していきたいと思います。
1|なぞなぞのすきな女の子(著者:松岡享子、イラスト:大社玲子/学研プラス)
なぞなぞというのは大人になっても楽しめる遊びのひとつです。この「なぞなぞのすきな女の子」の主人公となるのは、本のタイトルの通り、なぞなぞの好きな女の子です。なぞなぞの好きな女の子は一緒に遊べる友達を探すために森へ出かけるのですが、そこで腹ペコの狼と出会ってしまいます。なぞなぞの好きな女の子が腹ペコの狼に食べられてしまうのかと思いきや、なぞなぞの好きな女の子は腹ペコの狼になぞなぞを出すのです。腹ペコの狼はなぞなぞに大弱り……なぞなぞの好きな女の子はどのようにして腹ペコの狼から逃げ出すのかというドキドキ感のある本でもあります。なぞなぞが出てくるので、この本をきっかけになぞなぞにハマってしまうお子さんも多いようです。なぞなぞを自分で考えるのには頭を働かせなければいけないので、想像力もより豊かになるでしょう。
2|ぐらぐらの歯(著者:ドロシー・エドワーズ、イラスト:酒井駒子、翻訳:渡辺 茂男/福音館書店)
ぐらぐらの歯は、「きかんぼのちいちゃいいもうと」シリーズのひとつです。基本的にこのシリーズは、妹のいるお姉さんの視点で描かれている作品です。何気ない妹との日常をユーモラスに、でも愛情がしっかりと込められた上で語られます。何かの教訓を得るという部分ももちろんあるのですが、それよりは優しさを知るための本とも言えるかもしれません。女の子であれば興味を持ってくれる本でしょうが、特に妹のいるお姉さんにおすすめしたい本でもあります。もともとは海外の作品で日本語訳がなされているのですが、日本語訳の際によくある違和感などもありませんのでとても読みやすいでしょう。
3|ロッタちゃんのひっこし(著者:アストリッド・リンドグレーン、イラスト:イロン・ヴィークランド、翻訳:山室静/偕成社)
嫌な夢を見て、朝から機嫌の悪いロッタちゃんは、隣の物置へと引っ越してしまいます。小さなお子さんを持つ親御さんであれば「あるある」とニヤニヤしてしまう作品だと思いますが、ロッタちゃんと同じくらいのお年頃の女の子にもおすすめです。この作品の魅力は、ただ単に「小さい子あるある」を描いているだけではなく、ロッタちゃんの細かな気持ちの変化をしっかりと描いているところです。だからこそ、お子さんも読みながらロッタちゃんの気持ちをしっかりと理解できるようになりますし、自分自身に当てはめて考えてみるといったところで想像力を働かせることもできるのです。女の子を持つ親御さんが親子2代で楽しんでいるというケースも多いようです。
4|ちいさいモモちゃん(著者:松谷みよ子/講談社)
親御さん世代で小さい頃に読んだという方も多いでしょう。不思議で優しく温かい話なのですが、どこか怖さを感じる作品でもあります。お子さんにしてみると、今の感じていることがそのまま本になっているといったところでしょうか。本を読むことによって客観的に自分を見つめられるような部分もあるかもしれませんし、モモちゃんに感情移入してしまうこともあるでしょう。親御さんが読むと、お子さんの不可解な言動といったものが解き明かされるような感覚を得るかもしれません。こちらの作品も親子2代で頼んでいるというご家庭が多いようです。お子さんが読んでいると、その中でいろいろな感情を刺激されることになるでしょう。
5|手ぶくろを買いに(著者:新美南吉、イラスト:いもとようこ)
これは不朽の名作といってもいい本です。狐の親子が住んでいる森に冬が訪れ、冷たくなった子ぎつねのために母ぎつねは手袋を買ってやりたいと思うのです。ですが、前に町へ出かけたときの記憶が蘇り、仕方なく子ぎつねをひとりで町へ行かせ……という話なのですが、親子の愛情や美しい日本語が魅力となっている本です。母ぎつねの気持ちはもちろん、子ぎつねの気持ちや帽子屋さんの気持ちなどいろいろな気持ちに触れられますし、読んでいるだけで心がほっこりとします。愛情や優しさといったものを学ぶことのできる本なのではないでしょうか?また、美しい日本語が魅力となっているという話をしましたが、日本語の美しさが損なわれつつある今の時代だからこそお子さんに読ませてあげたい本とも言えるでしょう。
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