いま小説の世界は空前のファンタジーブーム。ただせっかくなのでそんなファンタジーやSFといった空想の世界の限りない発想力を現実に生かせるといいですよね。
というわけで今回は「死ぬまでに絶対に読むべき!ファインタジー・SP小説20選」をお送りします。
限りない作家の発想力に刺激されてみてはいかがですか?
1|『横浜駅SF』柞刈湯葉(カドカワBOOKS)
周りのすべてを飲み込みながら増殖していく横浜駅に、日本が飲み込まれていく。そんな、どうしたらそんな発想が生まれてくるんだ?と首をかしげたくなる物語が、この作品。しかし、内容はしっかりとした硬派なSFで読むものを物語の世界にしっかりと連れ込んで離しません。ちょっと変わったおすすめの作品です。(SF)
2|『しゃばけ』畠中恵(新潮文庫)
江戸時代の街を舞台にした、ジャパニーズファンタジーの傑作。西洋ファンタジーに出てくるのがエルフやホビットなら、この物語に出てくるのは個性豊かな妖怪変化。まさに日本人ならではのファンタジーである妖怪奇譚の数々が、読んでいる人間のインスピレーションを刺激しまくりです。(ファンタジー)
3|『エンダーのゲーム』オースン・スコット・カード/訳:田中一江(ハヤカワ文庫)
SF作品の中でも王道中の王道を行く、スペースSFの傑作。将来エリート将校となるべく教育されていく主人公の少年エンダーの痛快な成長ストーリー。物語の内容にこれといって非うねりはないもののその創造力あふれる宇宙の描写だけで、じっくり読ませる作品です。(SF)
4|『新世界より』貴志祐介(講談社文庫)
人類が呪術を使いバケネズミを使役している近未来。少年たちは、その世界に隠された真実にたどり着くことで、何事もなかった日常は波乱の日常へと変化を遂げていく。そんな近未来の少年の葛藤を描いた人気作です。(ファンタジー)
5|『旅のラゴス』筒井康隆(新潮文庫)
ある意味日本のSF作家の代表ともいえる筒井康隆の作品。内容については読んでいただくとして、数ある筒井ワールドの中でも読みやすく、そして奇想天外な世界を堪能することができます。日本有数のイマジネーションの世界をあなたに。(SF)
6|『十二国記シリーズ』小野不由美(新潮文庫)
中国風異世界モノのファンタジー小説として絶大な人気を誇るベストセラーシリーズ。壮大なスケールと綿密に計算されたストーリー、そして違和感なく入り込んでいける異世界の描写。流行りの異世界転生物の先駆けともいえるファンタジー史に残る作品です。(ファンタジー)
7|『虐殺器官』伊藤計劃(早川書房)
著者の処女作にして代表作の本作。社会派の趣と、SFとしてのしっかりとした作りが評価され、またエンターテインメント性の高さも人気の秘訣となったヒット作です。残虐性のあるスプラッタを感じさせるタイトルとは裏腹に、社会はミステールの色も濃い、作品です。(SF)
8|『精霊の守り人』上橋菜穂子(新潮社)
NHKで映像化もされた本作は、アジアンファンタジーの傑作として名高い作品。最近、一部の人を中心時じわじわ来ているアジア系のファンタジー作品の特徴は、女心をくすぐる、女性ウケの高い作品が多いという点。この作品も、女性の豊かな感性に語り掛ける作品で、作品世界の雄大さとともに母性本能をくすぐる一冊です。(ファンタジー)
9|『南極点のピアピア動画』野尻抱介(早川書房)
かつて一世を風靡した某動画サイトが好きだった人には、間違いなくお勧めの作品。架空世界のピアピア動画とボーカロイドの小隅レイが織りなすストーリーといえば、その意味も分かってもらえるのではないでしょうか。もちろん、SFとしてもしっかりとした出来の作品ですのでピンとこない人も楽しめます。(SF)
10|『光の帝国』恩田陸(集英社)
不思議な力を持つ「常野」一族をめぐる連作短編小説。かつてはたくさん存在した連作短編小説ですが、最近はあまり見なくなり、連作短編の面白さを再認識する良作です。おとぎ話的なファンタジーとは一線を画す深い人間ドラマに感動必至です。(ファンタジー)
11|『バナナ剥きには最適の日々』円城塔(早川書房)
芥川賞作家の円城投資のSF小説は、そのち密さゆえ難しいものが多いのが特徴。そこで今回お勧めするのはそんな円城ワールドの中でも比較的読みやすい作品です。それでも、その卓越した空想力と緻密な設定には目を見張るものがある傑作です。(SF)
12|『空色勾玉』荻原規子(徳間書店)
美しい自然と優しい空気の中で紡がれていく、癒し系ファンタジーとでもいうべき名作。とにかく素朴で純粋で、優しい雰囲気包まれている作品で、目くるめくワクワクというよりはふんわりと柔らかい空気の中で進行していく不思議世界のお話です。こういう作品には珍しく恋愛要素もある素敵な作品です。(ファンタジー)
13|『My Humanity』長谷敏司(早川書房)
著者の10周年の集大成として位置づけられた記念すべき作品。2014年の日本SF大賞を受賞したことからも、非常に評価の高い作品になっています。作品自体は5編からなる短編集で、そのどれもがSFの基本に忠実な空想科学の世界をしっかりと表現した傑作ぞろいです。(SF)
14|『金春屋ゴメス』西條奈加(新潮社文庫)
ファンタジーの様なSFのような時代小説のような、とにかく変わった作品としか言いようのない本作。すべてにおいて、とにかく奇想天外というか荒唐無稽というか、思ってもみないような設定や展開が目くるめくあらわれてくる楽しい作品です。しかもストーリーはなんと推理もの。怪作です。(ファンタジー?)
15|『敵は海賊シリーズ』神林長平著(早川書房)
ともするとシリアスな内容が多くなってしまうSFにあって、コメディー要素の強い本シリーズ。とにかく警戒で楽しく、重苦しい雰囲気などない、ストレスフリーな作品は色々ストレスをため込んでいる現代人にはぴったりかもしれません。とにかく楽しい、それが一番な作品です。(SF)
16|『デルフィニア戦記シリーズ』茅田砂胡(中央公論新社)
シリーズ全18巻。日本の戦記物ファンタジーの最高峰にして金字塔といっていいのがこのシリーズ。戦記物ですので、もちろん血沸き肉躍る一大スペクタクルにおいては大満足のシリーズですが、冒険も恋愛も、読む人の心を最大限にくすぐる至れり尽くせりな作り。これがだめなら、戦記物はきっとみんなダメ。そういっても過言ではない名作です。(ファンタジー)
17|『スカイ・クロラ』森博嗣(中央公論新社)
アニメ映画化されたことでも有名な、SFとファンタジーの狭間にあるような作品。戦闘機パイロットである主人公と仲間たちの青春群像劇であるこの作品は、さらに青春小説としての趣もあるお得な作品となっています。作者独特の風を感じる空気感と共にその世界観を楽しめる作品です。(SF)
18|『陰陽師シリーズ』夢枕獏(文芸春秋)
一大陰陽師ブームを巻き起こし、羽生結弦選手のスケート曲としても注目を浴びた陰陽師シリーズ。まさに平安ファンタジーの最高峰というべき売り上げと内容の面白さを誇る、平成を代表する名作といって過言ではない作品です。とにかくその怪しい雰囲気と雅な雰囲気がたまらない、年齢を選ばない傑作です。(ファンタジー)
19|『All You Need is Kill』桜坂洋(集英社)
ライトノベル作品史上、最も世界的成功を収めたといっても過言ではないSF小説。というのも、ライトノベル作品としては初めてハリウッドで映画化、しかも主演トム・クルーズの超大作映画の原作となった作品なのです。内容は、ライトノベル的軽い書き味に骨太なミリタリーSFという読む人を選ばない作品です。(SF)
20|『異世界居酒屋「のぶ」』蝉川夏哉(宝島文庫)
2018年春アニメとしてアニメ化された、異世界グルメファンタジーの最高峰。ある意味、異世界食堂やダンジョン飯など、異世界グルメ物の流行の発端となった作品ともいえる名作です。当然ファンタジーとしても、そしてグルメ小説としても一級品の出来で、夜中に読むのは危険な作品。しかも居酒屋ですから、お酒の好きな方にはさらに危ない作品になっています。(ファンタジー)
空想は脳のストレッチ
いかがでしたか?身体を動かさずにいると、筋肉が固まってストレッチが必要になるように、頭も時々ストレッチが必要です。
そんな脳のストレッチにはSFやファンタジーで空想の世界に遊ぶのが一番。ぜひ、読んでみてくださいね。
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