森見登美彦|おすすめの小説本ランキング【作家名から作品を探す】

そうだ京都へ行こう!
というCMがかつてありましたが、森見登美彦作品を表す言葉として、これほどぴったり来る言葉はないのではないでしょうか。
そう、本当に森見作品は京都へ行きたくなる作品揃い。
しかも森見作品を読んでいると、京都という場所は現代のファンタジーの舞台として誰かが意図的に作ったのではないかと思えるほどにファンタジー感があふれています。
そんな京都とファンタジーを感じる森見作品。
京都に行く前に、まずは読んでみてほしいランキングです。

1|夜は短し歩けよ乙女(角川文庫)

森見登美彦の名を世に知らしめた作品。
彼の作品の時帳は、幻想的な京都の描写はもちろんのこと、適度にふざけていて、そしてそのふざけ方になんとも言えない趣のあるところ。
雅というか知的というか、まさに京都的なおふざけ。
作品の中心的なテーマである恋愛要素は、少し若者に寄りすぎていて、なんとも気恥ずかしいような気分にさせられますが、それもまた一つの森見感と言ってもいい感覚であるときっとわかってくるはず。
そしてやはり森見作品は全体を通しておしゃれでロマンチックなんですよね。
そんな森見作品の特徴を知り、そしてハマっていく上での入門作品として間違いなくおすすめできる作品です。
そして・・・やはり京都に行きたくなりますね。

2|聖なる怠け者の冒険(朝日文庫)

怠け者がいかに怠けるかに全力を尽くすという物語。
こういうバカバカしいけれど、どこか人間の本質や幸せの根幹に関わっていることをつらつらと書かせたら、本当に森見登美彦という人は最高の味を発揮します。
ある意味、この作者ほどバカバカしいということのバカバカしくなさを知っているひとはいないのかもしれません。
というのも、この作品のストーリーは『ぽんぽこ仮面』が正義の味方にならないかと誘ってくるのを怠惰なサラリーマンが断り続けるという、もうどこから突っ込んでいいのやらという内容。
しかし、読めば読むほど、そのダメサラリーマンの生き方が魅力的で、そしてどことなく羨ましくなる。
怠惰という人間にとって慎むべきものに憧れを感じ、怠惰ですらない自分の生活、怠惰にすらなれない自分の生き方に疑問が浮かぶ。そんな作品です。

3|有頂天家族(幻冬舎文庫)

まさに京都を舞台にしたファンタジーという点で、ある意味終着点のような作品。
とにかく奇想天外で、魅力たっぷりのキャラクターがわんさか出てくる作品で、そのキャラクターひとり(ひとり?)づつが個性的で、それぞれの理念や生き様を抱えている、魅力溢れる作品です。
中心となるのはたぬきの3兄弟。
他にも愛にあふれる母だぬき、対立するたぬき一家に天狗と半天狗など様々なこの世ならざる世界の住人が京都を舞台に大暴れします。
そして気付かされる日本の美しさと日本ならではのファンタジーの幻想的な世界。
ときにほっこりし、時にホロリとし、その大半でクスクスと笑いの止まらない。なんとも愉快なキャラクターたちがその日その日を精一杯楽しんでいる姿は憧れすら感じます。
世界で一番たぬきになりたくなる小説です。

4|四畳半神話大系(角川文庫)

パラレルワールドを舞台にした恋愛物語。
人間の選択肢というものを考えさせられる物語で、成長するたびに失っていく可能性をその都度見つめることで人生のあり方を浮き彫りにしていくという変わった構成になっています。
というと難しいですが、要は不思議の世界です。
様々な可能性を、1つの人生の中で見ることのできるというこの不思議な空間を森見登美彦らしいタッチで、なんとも怪しく華やかに描き、その不可思議な世界と実感のこもった感情とを結びつけていく。
その過程が何とも心地よくそしてなんとも切ないお話です。
森見作品は不思議の世界を不思議なものとしてしっかりと怪しく描きながらも、どこかにあるんじゃないだろうかという現実感をそこに付け加えることができる特徴を持っています。
そんな不思議と現実の境目が行間にあふれている作品です。

5|太陽の塔(新潮文庫)

底抜けにバカで変態で、それでいて憎めないそんなダメ大学生の失恋の記録。
もはやなんの説明もいらない・・・ただただ努力の方向性と情熱の吐き出し方を間違えた大学生が失恋を機に暴走してしまうという 。本当に馬鹿な物語。
はっきり言って、その内容はただのストーカー。
でも読んでいるううちに、これも1つの純愛で、1つの恋愛の形としてありなんじゃないだろうかと思えてしまう残念な自分に気付かされます。
そして、そんな馬鹿な情熱が今の自分にないことに、ちょっと悲しくなるのです。
失恋を経験してきた人生で、こんなになるまで心をえぐられる失恋をしたことがあるだろうか?
男は馬鹿だ、だからいい。そう叫びたくなります。

ダメ人間は美しい

森見作品は京都を舞台としたファンタジックな世界が楽しい。
それは間違いではありませんし、まったくもって真実なのです。
しかし、森見作品でもう一つ、心の底から楽しめるのは、人間という生き物(時に狐や狸)の、泣きたくなるほどのバカさ加減と、そんなバカであることの楽しさと美しさです。
そう、ダメ人間は美しい。
森見作品を読むと、馬鹿になれない自分を思って、馬鹿であることに憧れすら感じてしまうのです。

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