司馬遼太郎|おすすめの小説本ランキング【作家名から作品を探す】

歴史小説を語る上で、避けては通れない巨人『司馬遼太郎』。
司馬文学とも言える1ジャンルを築いているといってもいいほどに、日本の文壇はもちろん、歴史学の世界にさえ大きな影響を与えている作家です。
今回はそんな司馬遼太郎のおすすめ作品をピックアップしてみました。
少しおこがましくはありますが、おすすめ順にランキングを作成しています。

1|竜馬がゆく(文春文庫)

これと次に紹介する作品で1位をどちらにするか悩みましたが、今回はこれにします。
まさに司馬文学を代表する作品であり、日本の歴史文学の金字塔と言ってもいい、日本文学史上の欠くことのできない名作中の名作です。
そして、日本史上最も人気のある偉人坂本龍馬の人間像を確定した作品でもあります。
それまで謎に包まれた男であった坂本龍馬を、シッカリとした考証と生き生きと人間像を描き出すその筆力で、日本人のシリアの坂本龍馬として世間に生み出した、といってもいいでしょう。

2|燃えよ剣(新潮文庫)

竜馬がゆくと双璧をなす、司馬文学の代表作、それが本作。
幕末、その激動の時代のさなかにあって、はじめからその結末が悲劇的であることをわかった上で読み勧めて行くことを宿命付けられているにもかかわらず、最後の最後まで信じたくない思いに駆られる名作です。
しかも、それまで、日本史上の『悪役』であった新選組。
この作品をきっかけに、この新選組もまた、義に殉じた男たちの姿として、一つのヒロイックな存在として日本人の中にキャラクターが確立した、そんな力を持っています。

3|項羽と劉邦(新潮文庫)

日本のみならず、中国の歴史をモチーフにした文学においても司馬の凄さは圧倒的。
中国という圧倒的なスケールを持つ国土で展開される、圧倒的なスペクタクルを、文字でここまで表現し尽くすその才能には脱帽。
そして、そのスケール感の中で人物の細やかな心理描写もまた、繊細かつ精緻な表現で表されています。
遠い中国の遠い昔の話でありながら、その人間の魅力や思いが現代の日本人にも手に取るようにわかり、心に迫ってくる感覚は、司馬文学の司馬文学たるゆえんです。

4|坂の上の雲(文春文庫)

NHKのドラマ化によって、再評価され人気を高めた作品。
日本の歴史教育であまり触れられることのない明治大正の日本において、世界の中の日本として大きな転機となった日露戦争。
そんな、日本の激動期を生きた秋山兄弟と正岡子規という若人たちの青春とその人生の軌跡は、今の日本人が忘れてしまった美しく気高い人間の姿を感じます。
この時代を知るためにも、そして、人間として、日本人として生きるその美学をしっかりと感じられる一冊。
ぜひ若い人に読んでほしい作品です。

5|新選組血風録(中公文庫)

新選組を描いた燃えよ剣とは違い、一人ひとりにスポットを当てた新選組血風録。
長編が評価されやすい歴史文学において、短編でありながらここまでの評価を受けた作品は珍しいというくらいの、シッカリとした短編集です。
それぞれの物語で語られる、新選組の素顔。
途中からこれがフィクションであることを忘れ、歴史的事実を垣間見ているような気持ちにさえなってしまう、リアリスティックを追求した一級の娯楽大作です。

6|峠(新潮文庫)

幕末、一つの悲劇を生んだ長岡藩。
そんな、歴史の間に埋もれてしまうところだった壮絶な物語を、見つけ出して衆目に晒し、その功績やドラマを描く司馬遼太郎の真骨頂とも言えるのが本作品。
ある意味これも、新選組物と同じ負けの美学。
幕末の激動に、革新的な理想を追い求めながらも、夢半ばに扮しした河井継之助の生涯が、胸に迫ります。
司馬遼太郎がいなければ、無名の人物であった男の、歴史に名を刻むきっかけとなったそのすべてに、新たな驚きと感動を覚えることでしょう。

7|功名が辻(文春文庫)

これもまた、歴史の中で大きな名を残す人間でなかった山内一豊の一生を描いた作品。
いや、正確に言えば、山内一豊の妻である千代の、その才長けた鮮烈な生き様を描き出した、名も無き歴史上の人物にスポットを当てる司馬遼太郎らしい作品です。
人が良いだけで、武にも知にも秀でていない山内一豊という男が、内助の功で成り上がるという立身出世の物語は、痛快で爽快なストーリー。
軍記物でも戦略でもない、夫婦愛を中心に描きながらもまさに功名なす男の一生を描いている傑作です。

8|梟の城(新潮文庫)

痛快娯楽時代小説の主役といえば、忍者。
しかし、あまりに荒唐無稽なものは、どことなく子供だまし感が出てしまう忍者ものですが、この梟の城はさすがは司馬遼太郎というべき重厚感のあるシッカリとした忍者もの。
司馬文学によくある、フィクションであることを忘れてしまう感覚が、このような忍者ものでも味わえるのはかなりありがたいですよね。
きっとそういう忍者がその時代にいたに違いない。
そう思わせてくれる作品です。

9|翔ぶが如く(文春文庫)

いかにして西郷隆盛は西南戦争に至ったのか。
幕末維新の大人物にして、明治政府成立の立役者でもあった西郷隆盛が、その自ら作り上げたと言ってもいい明治の世に賊軍として反乱軍の大将となるまでの過程をリアリスティックに描いた作品が、本作。
まるでルポルタージュのようなその作風から、小説としての評価はあまり高くはないですが、それでもやはり司馬遼太郎の筆力は健在。
西郷隆盛という一人の人物の生きざまをありありと感じる作品。

10|国盗り物語(新潮文庫)

斎藤道三、織田信長、明智光秀。
ともに認めあい、ともに反駁し合った戦国時代の三人に英雄の生涯を、人間味溢れる作風で描ききった戦国時代小説の大作。
斎藤道三が油売りから国を興し、その斎藤道三に認められた織田信長が斎藤家を滅ぼして日本統一に邁進する。
そして、日本統一を目指した織田信長にその才覚を認められた明智光秀は、織田信長が天下を統一するその目前で、織田を裏切り本能寺の変へといたる。
戦国の無常を感じる圧巻の作品です。

司馬を読むことは日本を読むに等しい

司馬遼太郎作品を読む、それは日本を読むに等しい行為。
精緻に描かれた歴史もそうですが、日本という国に生まれ日本という国土で生きる人間の『日本人としてのこころ』こそ司馬文学の源流。
まさに、日本人として読みたい『日本』が書かれている作品たちです。

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