社会人が本当に読むべき!おすすめの小説・本10選【面白い本・書籍で視野を広げよう!】

社会人にとって読書とは、自分の人間的魅力を上げるためのツール。
もちろん、好きな小説や好きなジャンルを延々と読み続けるのも悪いことではないのですが、そうなってしまうと人間性に偏りが出てくる危険性も。
人間性なんて大きなくくりでなくとも、すくなくとも知識の偏りはまぬがれません。
そうなれば、きっと人間関係にも偏りが生まれてくるでしょうし、取引先との会話などにも、対応できないジャンルが生まれてくることもあるはずです。
そこで今回は、社会人に必須の・・・人間の幅を広げる新しいジャンルにチャレンジするときにぜひとも読みたい小説をピックアップしてみました。

1|おそろし三島屋変調百物語事始(著者:宮部みゆき/角川文庫)

まずは時代小説の入門編から。
この小説は、日本を代表するストーリーテラーであり、様々なジャンルの小説において最高峰で有り続けるという現代の文豪宮部みゆきの作品です。
ですから、とにかく現代小説を読んでいるかのように読みやすく感情移入しやすい作品でもあります。
本作は、心を閉ざしてしまった『おちか』という一人の娘が、江戸の街におこる様々な怪異の話を聞いていくという展開のホラー要素もあるお話。
様々な話を聞いていくうちに、その話の先にある一つの物語の終焉もまたここを惹かれる面白さですが、もう一つ、江戸の街に生きる様々な階層の人達の生活が知れるのもこの本のポイント。
そしてそれこそが、知識の面での時代小説の良さでもあります。
いまと変わらない人間模様の中にある、江戸時代という日本でも最も華やかだった時代の知識を知ることは、日本という国の文化の根底を知る一つのきっかけになることでしょう。
これを気に、様座なジャンルに興味が湧いてくるかもしれませんよ。

2|老人と海(著者:アーネスト・ヘミングウェイ/新潮文庫)

次に海外の名作小説を一つも読んでいない人におすすめの、海外名作小説。
基本的に海外の名作小説が、なぜ読んだことのない人にとって難しいかといえば、その一番はやはり、人間の名前を覚えにくいことがその大きな原因です。
主人公ラスコーリニコフが何故か作中でロージャと呼ばれ、人によってはロージカ、もしくはロジオンと呼び始めたら、それは先を読む気を失うのも無理はありません。
しかし、間違いなく世界的な名作であるこの老人と海、主な登場人物はたったひとりの老人です。
途中からたくさん登場人物が出てくることはなく、その主なシーンは小舟に乗った老人がカジキとの戦いを繰り広げるシーン。
とうぜんカジキに難解な名前がついているなんてことはありません。
また、もう一つ名作文学が敬遠される理由といえば、やはり長編がおおいということもあげられます。
しかし老人と海は、文庫本の薄さが物語るとおり、ほとんど短編に近いと言っていいほどに短いお話ですし、内容もごくごく単純。
とはいえ、この小説が世界の文学史において欠かせない名作であることに異存のある人はいません。

3|汚れっちまった悲しみに(著者:中原中也/童話屋)

次は詩集です。
詩集というのは古今東西様々な人が残していますが、なかなか手にとって読む人は少なく。小説は多ジャンル読む人でも詩集は読んだことがないという人は多いはずです。
しかし、お気に入りの詩集が一つあるというのは、人生の幅としてとても大きなもの。
また、なにか詩集を読んだことがあるのか?という問いに対して、一つでも答えられるというのは、社会的にも悪いことではありません。
そこでおすすめなのが、この中原中也。
彼の作品の特徴は、ひとつには難しい表現やトリッキーな作為を多用することなく、非常に真っ直ぐで素直な心情の吐露がおおいということ。
また、もうひとつはどことなく影のあるかっこいい文章であるということです。
詩集ですから、なかには難解なものもおおいのですが、このように適度にわかりやすく、だからといって児童用であるとは思われない作風は、社会人の一冊目の詩集には最適。
しかも中原中也は、文学界においても非常に人気の高い作家ですので、間違いのないチョイスです。

4|ナタラージュ(著者:島本理生/角川文庫)

次に読んでほしいのは、大人の恋愛小説。
この恋愛小説というジャンルに関して言えば、女性は結構読むのですが、男性のなかにはこのジャンルをまったく読まない、下手をすると毛嫌いしている人も多いものです。
しかし、こういった大人向けの恋愛小説は、それなりに大きな効用があります、そうそれは異性への理解です。
特に男性にとって女性の心というのはいつまでたっても理解するのが難しい迷宮案内のようなものですから、こういう恋愛小説もやはり読んでおくといいのです。
そこでおすすめがこの作品。
この作品の特徴は、すでに結婚し子供を持っている主人公が、忘れることの出来ない青春時代の恋愛を思い出すという構図で始まります。
主人公は、高校のときに好きだった教師に大学になって再開し再び燃え上がった恋をおとなになって回想する。
つまり、3つの時間軸の中でめくるめく女性の恋愛感情を、非常にわかりやすく、かつ繊細に、また緻密で、そして何より赤裸々に綴っているのです。
恋愛小説なんて、と思っていた人にこそ読んでほしい、恋愛小説が好きになる一冊です。

5|羅生門・鼻・芋粥(著者:芥川龍之介/角川文庫)

これは言わずとしれた文豪系の日本文学をあまり好まない人用の作品です。
基本的に、純文学という言葉は曖昧かつ自己満足な割り切り方なので文豪系の文学という言い方をしますが、そういった小説というのはとにかく難しそうだというのが一般的なイメージですよね。
しかし、実は言い回しが古臭いというだけで、そこまで難解なものというのは早そうそうありません。
それこそ川端康成の『雪国』も題材修の『人間失格』も、言ってしまえば夏目漱石の本などはどれもむしろ簡単な言い回しのおおい作品です。
ところが、やはりどこか敬遠してしまうのは、その分量もあるでしょう。
そこで紹介するのが、それはもう純文学の賞の名前にもなっている、間違いなく日本を代表する文豪のひとり芥川龍之介の作品です。
そしてこの本は短編集ですのでとても短く、しかも実は児童文学です。
ただ、そこは流石に芥川です、明らかなる児童文学でありながら、大人が読んでも深く考えさせられ、また大人だからこそ感じる真実がそこにはあります。
大人が愛読書として公表しても決して児童文学だからとなどられることのない、しっかりとした名作です。

6|アンドロイドは電気羊の夢を見るのか(著者:フィリップ・K・ディック/ハヤカワ文庫)

次にご紹介するのは、そうSFの名作。
この作品自体はそこまで簡単な作品ではないですし、いきなりSFの入門書とするのは難しいように思われますが、実はそこには理由があります。
そう、この本はあの名作映画「ブレードランナー」の原作にあたるのです。
そして、この作品に貫かれているテーマは、数多くのSF作品の中で何度も取り扱われそして、特に日本のSFアニメやSF漫画で好まれているテーマ。
世界的大ヒットを記録したアニメ映画『攻殻機動隊』や2019年日本の漫画『銃夢』が原作の世界的にヒットしたハリウッド映画『アリータ』も同じ系統のテーマを持っています。
そういう意味では、まさにSFの入門書としては最高の作品。
しかも、本作は多くのファンを持つSFのジャンルであるサイバーパンクの代表と言われる作風のSFであるため、熱狂的なファンもかなり多く存在します。
話題という点においても、文句なしの一冊と言っていいでしょう。

7|竜馬がゆく(著者:司馬遼太郎/文春文庫)

言うまでもなく歴史小説の金字塔、つまり歴史小説の入門としておすすめの一冊。
一般に時代小説と歴史小説は大きくその内容が異なり、時代小説はいわゆる昔の人々の『生活』を描き、歴史小説は歴史的『事柄』を描くもの。
そして、日本においては、歴史小説といえば司馬遼太郎という評価は今後も覆ることはありません。
ですから、歴史小説を読んだことがあるということはイコール司馬文学に触れたことがあるというふうに考えてもいいくらいで、やはり最初は司馬遼太郎の作品から入るのが筋と言えます。
しかも、この作品に関して言えば、少々難しくても読み勧める手が止まらないほどにとにかく面白い。
歴史が得意ではない人でも、きっと坂本竜馬をしらないという人は少ないでしょうし、仮に坂本龍馬を知らないとしても、十分に楽しめるだけの力を持った小説です。
現在2500万部を突破し、もはや日本の歴史小説におけるスタンダードであり代表作であると言ってもいいこの作品を読んだことがあるという事実は小さくありません。
他の凡百の歴史小説をいくら読もうと、この一冊にはかなわないと言っていいでしょう。

8|オーバーロード(著者:丸山くがね/KADOKAWA)

次にご紹介するのは、ライトノベルの作品。
ライトノベルに関して言えば、いまだに『そんなものは小説ではない』と豪語する人がいるほどになかなかに浸透していかないジャンルです。
しかも、大抵のライトノベルは、表紙に可愛い萌キャラがついていたり、挿絵が完全にアニメ絵に埋め尽くされていたりと、なかなか初心者には踏み込みにくい雰囲気を醸し出しています。
とはいえ、そうではないライトノベルはいわゆるライトノベル感が薄い。
そんななか、ここでご紹介するこの『オーバーロード』はまさにライトノベルといいたくなるような、主人公無双の異世界ものでありながら、いわゆる萌キャラの挿絵もなく、非常に購入しやすいのが特徴。
もちろん内容的にも、しっかりとしたダークファンタジーで物語としても十分楽しめます。
とくに、なかなか日本ではお目にかかれない、徹底した悪役によるダークヒーローものでそういった方面が初の人にとっても、おすすめの作品となっています。

9|蕎麦ときしめん(著者:清水義範/講談社文庫)

次にご紹介するのは、パスティッシュ文学の名手、清水義範の作品。
と言っても、かなり狭小なジャンルであるパスティッシュ文学の入門書というのではなく、これはいわゆる『お笑い小説』のジャンル、つまりコメディ作品の入門書です。
とにかく、ただただくすくすと笑える作品の詰まった清水義範作品の代表作。
まさにスキマ時間を埋めるための小説であり、しかも、清水義範作品の一つの特徴である、無駄な雑学がそれなりに付いてしまうというおまけ付き。
かなり変わったジャンルの作品ですので、ひとに勧めるときにも重宝する作品です。
しかも、この清水義範という人は、作品数の多い多作な作家としても有名な人で、清水義範という作家を好きになってしまえば、読むべき本はたくさん見つかるという特典も。
まったく本を読まなかった人が一気に読書家にかわるという可能性を秘めている作品でもあるのです。
雑学という点においても、かなり知識の詰まった作品が他にもたくさんありますので、普通に知識をつけたい人にとっても、清水義範作品はおすすめの作品群になります。

10|東京困惑日記(著者:原田宗典/角川文庫)

最後はエッセイ。
残念ながら交通事故や薬物使用などで、ほぼ断筆の状態が長く続いてしまった作者、原田宗典の代表的なエッセイ周がこの作品。
エッセイは、独りよがりな自己満足であることが多い中、このエッセイ集はさすがは原田宗典と言える出来。
とにかく人を楽しませることが好きなこの作者らしく、独りよがりに過去を回顧するのでも自分の論を押し付けるのでもなく、ただただ全力で読者を笑わせにきているザッツ・エンターテインメント。
エッセイなんか面白くもんなともないと思っていた人でも、笑い転げること間違いなしな作品です。
もちろん、このエッセイを持って他のエッセイもこんな感じだろうと読んでしまうと、じゃっかん肩透かしを食らうかもしれませんが、創作ではない話を読むという点ではいい経験にはなるはず。
そして、きっと、この作家を好きになること間違いなしです。
ただし間違っても電車の中で読もうとしてはいけません。
この日本という国においては、電車の中で笑い転げるような人物は、不審人物に認定されてしまうからです。

いろいろな世界に触れる

小説は、部屋にいながらにしていろいろな世界に触れられるツールです。
そして、数多くのジャンルを読みこなすことは、それだけ、人生というものに厚みをく会える1つのスパイスとして大きな効果があると言ってもいいものです。
ですので、できるだけ多くのジャンルに接して、人生の幅を広げることに利用してみてください。
なお、ここではミステリーに関しては触れていません。
ミステリーは今や日本の小説界の中心。
流行りの小説を読めばそれがイコールミステリーというくらいありますので、お好きなものをお選びください。

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