【読書の時間】高校生が面白く読める!オススメ小説・本10選

高校生にとって読書というのは一生の宝になるものです。
なんといっても人生で最も感受性が高まり、柔軟な思考を持てる時期ですので、このころに読んだ本というのは人生の大きな指針になることも少なくありません。
少なくとも、本好きになるかどうかを決めるポイントにはなるでしょう。
そこで今回は、高校生が面白く読める本と題して、高校生におすすめできる素敵な小説をご紹介していきます。

1|劇場(著者:又吉直樹/新潮社)

言わずと知れた芥川賞作家である又吉直樹の作品。
お笑い芸人ピースのひとりとして芸能界で活躍しながらも、第153回芥川賞を「火花」で受賞したマルチというにはあまりに突出した才能を持った作家です。
前作の火花は、お笑い芸人の話と彼のパーソナリティに寄り添った作品でしたが、今回は劇作家と少しだけ距離を置いた感じになっています。
とはいえ、同じ業界の話であることは間違いありません。
その業界の中にいる人間だからこそわかる細かい描写はもちろんのこと、圧倒的な筆力で描写される内容は航行氏にとっての初の純文学としてはかなりオススメ。
物語としても、最後にぐっと感動させる場面をきちんと用意してあって、お笑い芸人としてエンターテインメントの世界に生きてきた又吉直樹という人間のバックボーンをしっかりと感じさせてくれます。
また、そこに至る物語の中では、青春期の人間であれば、きっとより深い感情の変化をもたらすだろう、人間の感情の機微が用意されていて、心地よい没入感も味わえるはずです。

2|サルたちの狂宴(著者:アントニオ・ガルシア・マルチネス/早川書房)

高校生にとって、将来はIT企業でと考えている人は少なくないでしょう。
とくに、志大きく、アメリカのシリコンバレーで、最先端の企業を目指すような高校生もきっといるでしょうし、目指してはなくてもあこがれとともに興味を持っている人は多いはずです。
そんな、高校生にとって本当におすすめなのが本作。
とにかく、どこかお堅いイメージのあるシリコンバレーのその愉快にしてリアルを感じさせる舞台裏が、余すところなく表現されている本当に面白い一冊。
しかも、適度に口が割るというか下品なところが、高校生男子にはたまらない爽快感と、なんとなくの親近感を感じるのではないでしょうか。
物語の内容としては、Facebook社でスタートアップを任された人物の、愚痴と悪口と暴露にまみれた、Facebook社を追い出されるまでの軌跡を描いた作品。
IT業界のみならずあるいみ、とてもリアリスティックに描かれた働く大人の世界を垣間見ることができて、高校生の好奇心を大いに刺激すること間違いなし。
ビジネス本としても評価が高く、そういう感覚を身に着ける手助けにもなるでしょう。

3|君の膵臓を食べたい(著者:住野よる/双葉社)

あまりに有名な小説で、紹介するまでもないとは思いますが、ぜひ高校生に読んでほしい一冊です。
というのも、こういう純粋な青春小説というものは、ある一定の年齢を超えてしまうと素直な気持ちで読めなくなってしまうんですね。
そしてこう思うのです、高校生のときのあのみずみずしい感性でこの物語を読むことができたら、きっともっと違う景色が見れたのかもしれない、と。
きっと、同じことを多くの大人たちが思ったはずです。
ですので、ぜひ高校生の時の読んでほしいのです。
文体はラノベ長でものすごく読みやすい文章になっていますし、メディアミックスも豊富で漫画もドラマもアニメも存在しますので本が得意でない人にも様々なヘルプが存在します。
しかも、高校生の時に誰もが一度考えて恐怖する、人間の生と死の話。
自分と同じ年頃の主人公たちが、命というものを目の前に悩み苦しみ葛藤し、そしてその中でも何か大切なものを見つけようと奮闘する様は、きっと高校生にしかない共感を生むはずです。

4|2分間の冒険(著者:岡田淳/偕成社)

高校生におすすめの本と銘打っておきながらなんですが、本作は完全なる児童文学。
大人が読んでも面白いというタイプの児童文学ではなく、まさに子供のために書かれた典型的な児童文学なのです。
ではなぜこれを高校生におすすめするかというと、まず一つにはまったくもって、本当に本を読むのが苦手な人にとって、本を好きになるかもしれない可能性を秘めているという点。
児童文学でありながら、そこにはしっかりとしたプロットと、そして人間の心理を突くストーリーが存在し、その単純な作りの中にきちんと本を読む楽しさが詰まっているのです。
ですので、本を読むのが苦手な人でも、しっかりと楽しめる本なんですね。
もう一つは、ここには読書の原体験があるからです。
読書を重ねていって、様々な物語に触れていくと、ある一定のところで読書するということ自体に快楽を感じることになり、本の内容を素直に受け取れなくなる瞬間があります。
特に高校時代に多いそんな時期。
この本を虚心で読めば、本を読むということの本当の意味を思い出せるかもしれません。

5|いつか、眠りにつく日(著者:いぬじゅん/スターツ出版文庫)

本作は、2014年ケータイ小説大賞を受賞した作品です。
つまり、これは携帯小説としてかかれたもので、そのジャンルに偽りなしな、とても簡単な文章で淡々とつづられる読書をあまりしない人でもしっかりと読める作品になっています。
しかし画なら、その内容は意外に深く、そして引き込まれるような不思議な魅力を持っているのです。
タイトルからある程度想像がつくとは思いますが、この作品のテーマは命であり、当然中ではひとの死について言及されるタイプの作品になります。
しかしながら、その文体のやわらかさと作者の人柄がにじみ出るような優しい作品世界が、そこに重苦しさを感じさせることなく淡々と作品世界に没入できる良作です。
テーマ自体は、もちろん軽いテーマではありません。
しかし、これといって深刻になることなく、高校生が心を痛めずにしっかりと考えることができる程度の柔軟さを持っているところまた、高校生におすすめのポイント。
しかも最後の展開はあっと驚く、衝撃のラストです。

6|三日間の幸福(著者:三秋縋/メディアワークス文庫)

恋愛小説というのは、女子高校生ならまだしも、男子高校生にはかなり敷居の高い読み物。
なんとなく気恥ずかしいものでもあるし、正面切って完全なる恋愛小説は男子高校生の完成から言うと、かなり面倒くさいものだったりしますよね。
でも、恋愛ものを一番読んで影響を受け、そして心にしみるのはやはり高校時代。
そんな、なんとなく恋愛小説を敬遠しているような人にでも自信を持ってオススメできる恋愛小説が、この三日間の幸福です。
この物語は間違いなく恋愛小説。
しかし、そのテイストはどこかSFチックでありファンタジー要素も感じるもので、少なくとも、お花をしょってしまいそうな恋愛小説でないことは確か。
しかし、そこには確かな恋愛というものの醸し出す心の動きを感じることのできる小説です。
ただし、話の内容としては全体として暗く、ともすれば落ち込んでしまいそうな気分にはなりますが、それを淡々と読み進めていけば、最後にきっとあなたは泣きます。
それくらい、素敵な恋のお話です。

7|ゲームの達人(著者:シドニー・シェルダン/アカデミー出版)

日本ではある一定以上の年代にはなじみの深いシドニー・シェルダン。
そして、本国アメリカでは、もはや知らない人はいないといっていいほどに、ベストセラーという言葉はこの人のためにあるといっても過言ではないほどの小説家です。
当然、話が面白いのは言うまでもありません。
とにかくストーリーの展開が面白く、起伏に富んでいて、まさにハラハラドキドキという陳腐な言い回しがぴったりな痛快娯楽小説です。
ですが、これを高校生に読んでほしい理由はそこにはありません。
シドニー・シェルダンは、きっとこれまでで最もアメリカ人の心をつかんだ小説家といっていいでしょう、つまり、この小説はアメリカ人の心を理解するうえでこの上ない教科書でもあるのです。
これからますます社会はグローバル化していき、日本人の狭いコミュニティーの中に閉じこもっていては対応できない時代がやってきます。
そんな時に、この一冊に触れていることで、アメリカ人的モノの考え方や、思考の傾向を知っているだけでも大きくその先の理解が変わってくることでしょう。

8|何者(著者:朝井リュウ/新潮文庫)

これから高校生が大人になっていく中で、避けては通れない関門の一つである就職活動。
そんな就職活動にまつわる人間の影と光、そして、そこにまつわる社会というものの形をリアルに浮き彫りにしているのが本作。
まるで、ノンフェクションのルポルタージュを読んでいるかのような徹底したリアル感は、就職活動というものの実態を解剖するようにしっかりと表現できている傑作です。
さらにこの小説においてはSNSというツールが欠かせないアイテムとして登場します。
むしろ、若干今の高校生にとっては時代おくれ感のあるものかもしれませんが、やはりネットを通じたSNSコミュニケーションというのは現代の高校生にとっては欠かせないもの。
そんな細かい設定もまた、高校生にとっては自分の事のように現実感を持って受け入れられるのではないでしょうか。
そして、この作品を読み終えた後高校生の皆さんが就職活動というものに対してどんな印象を抱くことになるのか。
社会というものに、そして日本という国にどんな思いを抱くのか、
ぜひとも聞いてみたくなる作品です。

9|氷菓(著者:米澤穂信/角川文庫)

京都アニメーション作品としてアニメ化された作品。
むしろ、小説よりもアニメの方が有名で、しかもかなり出来の良いアニメだったこともあって高校生も知っている人が多いのではないでしょうか。
むしろ、あのアニメに原作があったことを知らない人が多いかもしれません。
もちろんそれが小説の読み方とした正しいのかどうかはわかりませんが、この作品に関しては、まずアニメから入る方が楽しめる様な気がします。
小説自体はこれといってものすごく強調することはない普通のミステリー作品なのですが、そこにアニメのビジュアルがクロスオーバーすることでより深い楽しみ方ができるはずです。
今や、小説原作がアニメになるのはままることですし、中にはアニメが原作で小説ができることも珍しくない時代になっています。
そんな時代に活きている高校生にと取っては、アニメの原作として小説を楽しむというのも普通のこと。
そうでなければわからない、そんな新しい楽しみ方を発見できる作品です。

10|ちょっと今から仕事やめてくる(著者:北川恵海/メディアワークス文庫)

吉本興業の一件を見るまでもなく、今や深刻な社会問題となっているブラック企業問題。
そんなブラック企業問題に対して、小説という手段を使って社会に大きな波紋を投げかけたのがこの小説です。
高校生という時代に、小説を読むことももちろん大切ですが、社会問題というものに対して興味や関心を持つことも大切なこと。
特に今は選挙権が18歳になっているのですから、これまでよりも一段と重要ですし、いわゆる等身大の社会問題ではなく経験したことのない出来事にも関心を持つべきです。
そういう点で、この小説を読んで労働問題という社会問題について知ってほしい。
と、同時に、人間はなんのために働くのか、生きるということはどういう事なのか、そして何より、これから進出していく社会と、そこを生き抜くというのがいかに凄絶なものなのかを知ることができます。
命の大切さを知るという、ありきたりなものではなく。
命をいかに使うのか、人生をいかに消費していくべきなのか、というこれから長い人生を生きていく高校生にとってとても大切な要素がふんだんに盛り込まれた小説。
小説の力というものを知ることのできる一冊です。

世界を見通す窓として

小説は娯楽です。
しかしそれは様々な人間のさまざまな人生、そしてこの世の中に存在する様々な社会を、たとえフィクションであるとはいえ、のぞき見することのできる窓でもあります。
狭いコミュニティーの中で小さな物の考え方しかできない大人になる前に。
そんな、色とりどりの世界を一つでも多く覗いてみることの大切さを、小説は教えてくれるのです。

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