【読書感想文】小学生が作文を書きやすいオススメの小説本・書籍15選

小学生の読書感想文の一番のポイントは、読めること。
何よりもまず、感想文を書く題材としての本をしっかりと最後まで自力で読んでしまえない事には感想文を書くことはできません。
ですので、重要なことは背伸びをしない事なんですね。
特に小学生にとって、読めない文章を読まされることはかなり苦痛。
実際、読書感想文を書かされることで本嫌いになる子供も多くいますので、その辺にしっかり気を付けて、読書感想文のクオリティよりも楽しんで読むことに心がけましょう。

【小学校低学年向け】小学生におすすめの小説本・書籍

まず小学校低学年におすすめの本はできるだけ優しい本です。
これは難易度が優しいということでもありますし、同時に、内容のテイストがやさしいという意味でもあります。
とくに、1年生や2年生は、感動して泣くことと悲しくて泣くことの区別があまりつかない子も多く、その状態で泣くような話を読んでしまうと読書が嫌な思い出になってしまいます。
ですので、できるだけ優しいテイストの楽しくほっこりするような本がいいでしょう。

1|けんかのきもち(著者:柴田愛子/ポプラ社)

友達と喧嘩をした時の心情を素直に、そしてストレートに表現した本。
喧嘩をした時の気持を持てあまして、相手が謝ってくれてもそして相手のことを嫌いではなくても、どうしても許せない葛藤がきっとお子様にもダイレクトに伝わってくるはずです。
そして、その仲直りの過程は結構はらはらします。
そんなはらはらした気持ちも、感想文を書く上では重要な心の動きです。

2|まほうのじどうはんばいき(著者:やまだともこ/金の星社)

望むものならば何でも出してくれる自動販売機を見つけた主人公。
そこから子供らしい好奇心も手伝って、主人公は何でも欲しいものを自動販売機を使って出していくようになってしまいます。
しかし、それを心配した母親が損自動販売機を使うと自動販売機は消えてしまうのです。
欲しいものを出してくれる自動販売機というアイテムは、きっとお子さんの心を直撃するはずです。
そして、そんな自動販売機に魅力を感じてしまったまま、そのあとの展開を読んでいくと主人公と同じような成長をしていくお子さんの姿が見れるはず。
それをそのまま感想文にすれば、いいものがかけるでしょう。

3|しゅくだいさかあがり(著者:福田岩緒/PHP研究所)

逆上がりという、ある意味小学生にとって一つの試練のような行事。
そんな逆上がりの宿題を出された主人公が、一緒に練習してくれた友達との衝突などを経て、逆上がりに向き合って行く姿がかかれた作品。
逆上がりができないことに対する悔しさ、投げやりな気持ち、そして友達のこと。
もうあきらめたつもりなのにどこかもやもやした気持ちがずっと残り続ける主人公の様子は、きっとお子さんの共感を呼び感想文も書きやすくなるでしょう。
しかもこれが本当に逆上がりのできない子ならなおさらです。
自分と物語の主人公が同じことで悩んでいるという安心感は、感想文に大きなリアリティを付加します。

4|わすれものチャンピオン(著者:花田鳩子/PHP研究所)

わすれものをした時のドキドキ感というのは、人によっては大人になっても和売れられないトラウマ。
でもだからこそ、この本のようにその時の気持ちをリアルに描いた作品というのはかなり強い共感をもって子供たちに受け止められるはずです。
そして、きっと忘れ物をした時の気持を軸に感想文がスラスラかけるはずです。
しかも3年生くらいになると、この後に、じゃぁ自分はわすれものをしないようにするにはどうしたらいいのか、という発展っさせた考え方も生まれてくるかもしれません。

5|さいこうのスパイス(著者:亀岡亜希子/PHP出版)

何を食べてもおいしいとは言わないリスの坊ちゃんを主人公にした話
そんな坊ちゃんにおいしく食べてほしいと願う執事が、おいしい料理を作りたくて街のカフェに訪れるという話なのですが、食事をおいしく食べるということの意味に深く迫った作品です。
特に食事に関しては、子供の食いつきが良いので、きっと夢中になってくれるはずです。
そして、その結果本当に食事をおいしくするものに共感できれば、よい感想文がかけると思います。

【小学校中学年向け】小学生におすすめの小説本・書籍

小学校中学年になってくると、かなりストーリー方向性がはっきりした作品がおすすめです。
たとえば笑ってしまうくらい面白いコメディ作品ですとか、ちょっとじんわりくる感動のお話のように感想文を書くときに、どんなものを書こうとしたいのかがはっきりわかるものがいいんですね。
というのも中学年の子供は韓じょいうをはっきり表したいと考える時期。
また同時に、泣いたり笑ったり怒ったりを素直にできる最後の時代ともいえるのです。

6|わらうきいろオニ(著者:梨屋アリエ/講談社)

お手玉が得意な黄色いオニ。
そんなオニが人間と仲良くなろうと小学校にやってくるのですが、赤でも青でもないその姿にみんなから変なオニ扱いを受けてしまいます。
つまり、そう、偏見と差別につながるお話です。
もちろんそこまで社会派というわけではなく、普通って何だろう?と考えるという程度なのですが、こういった社会的な内容も中学年なら問題ありません。
むしろ自分の学校清潔の中での出来事と比較して考えられるはずです。

7|はれときどきぶた(著者:矢玉四郎/岩崎書店)

児童文学界において、異例の大ヒットを記録したベストセラー本。
日記にでたらめを書いた途端それが本当になるという奇想天外なストーリーを、子供がそれこそお腹を抱えて笑うようなユーモアでつづった作品です。
ですから、もう感想文はここが面白かった、ここが笑えたのオンパレードで十分。
いかに面白かったのかどれくらい楽しかったのかを伝えるというその点だけをしっかり考えて書くといいでしょう。

8|しっぱいにかんぱい!(著者:宮川ひろ/童心社)

失敗するという出来事は子供にとっては一大事。
まるでそのまま世界が終ってしまうかのような錯覚にとらわれてもおかしくないくらい、深刻な悩みになります。
そんな失敗に悩みおそれることに対して、気にすることはないと背中を押してくれるのがこの本。
この本では、むしろ失敗を肯定的にとらえて、お子さんに発想の逆転を教えてくれます。
失敗って本当にダメなのか?
そんな子供にとってはうれしくなるような内容ですので、感想も浮かびやすいでしょう。

9|あのときすきになったよ(著者:菫くみこ/教育画劇みんなのえほん)

友達になるということが、昔ほども簡単ではなくなってくる時期。
そんな人間関係の悩みも出始めてくるころだからこそ共感できるのが、この本。
友達になる瞬間、そして友達だと認識するきっかけ、友達とは何なのか友情とは何なのかについてしっかりと考えるという初の試みが、この本でもたらされるかもしれません。
そして、そのままお子さん自身の自分の友達との関係を見直すきっかけになるはずです。
もちろんそれは悪い意味ではなく、ただ単に友達だった人との間に友達という意味を持った関係性が生まれてくるということなのです。

10|びりっかすの神さま(著者:岡田淳/偕成社文庫)

成績順で席が決まるクラスというかなりシビアな設定のクラスに転校してきた主人公。
しかもそのクラスでびりになってしまった主人公は、びりになると見える神様に出会って、そこからクラスの様子を見ていくことになります。
ちょうど小学4年生頃になると、クラスの中でも明確な成績の差が出てきます。
成績の良いこと悪い子、人気者の子とそうでない子、足の速いこと遅い子それまで全く気にならなかった、いわゆるクラス内カーストができ始めるわけです。
そんな時期の戸惑いにはぴったりの本。
感想文を書く時も、ちょうど自分が悩み始めていたことに当てはまれば、内容の濃いものがかけるでしょう。

【小学校高学年向け】小学生におすすめの小説本・書籍

小学校高学年になると、早い子はすでに思春期に差し掛かります。
ですのでもうここからは、親が与えるそれ用の本というよりもしっかりとストーリーがあるその子の個人的に好きなジャンルの本を読んでもいいころです。
特に6年生になれば戦争と平和のような重たい主題を考えることも重要。
かなり抽象的な概念にも対応できるようになりますし、少しだけ背伸びした読書をしてもしっかりと感想をかけるだけの力は持っている頃です。

11|モモ(著者:ミヒャエル・エンデ/岩波少年文庫)

大人が読んでも他の死絵めるファンタジー小説。
小学生のころにこういったファンタジー小説を読むことは、想像力を鍛えるのにとても適しているのですが最近はアニメやゲームでファンタジーはたくさん出ていますよね。
しかし、このファンタジーはそんな魔法と県とエルフとホビットが出てくるものとは違います。
時間を盗むというとても難しい概念について書かれている本ですので、きっとお子さんの知的好奇心を満足させてくれるでしょう。
時間とは何ぞや。
そんな大人でも悩んでしまうような命題に、感想文でと湯煎してみてもいいかもしれません。

12|二分間の冒険(著者:岡田淳/偕成社文庫)

これもファンタジー小説。
とにかくファンタジー小説というのは頭の中でこの世ではないどこかの世界を作り上げなければいけませんので、想像力が鍛えられます。
しかも、この物語は冒険もの。
そう、一般的に子供のころはファンタジーが得意ではない男の子が喜んで読むファンタジーです。
内容もそこまで難解ではないので、あまり読書が得意でないお子様には、感想文が書きやすいでしょう。

13|光のうつしえ(著者:朽木祥/講談社)

サブタイトルが「廣島・ヒロシマ・広島」となっている通り、原爆に関するお話。
とうぜん原爆に関するお話ですので、悲しくも残酷な描写が登場してきますが、小学生でも大丈夫なくらいにととどまっています。
それでも少なからずのショックは受けるでしょう。
しかし、これくらいの年齢になれば、平和学習でも原爆の話はかなり細かくされるでしょうし、きっとそのことに対する感想や作文を書くこともあるはずです。
そんな時この本を読んでいることはきっとプラスになります。
また、夏休みの感想文としての原爆の話は、原爆忌のある8月周辺のテレビ番組などとも合わせて感想が書きやすくもあるのです。

14|わたしの心のなか(著者:シャロン・M・ドレイバー/鈴木出版)

脳性麻痺のせいで、声を発することができないという主人公のお話。
そうです、これはいわゆる障害を持つ人の話になるのですが、この主人公が代わりに声を出す機械に巡り合えることで人に思いを伝えることの難しさなどを学んでいくお話です。
そして当然ですが差別や偏見についても。
しかしやはりこの本の中心は、五体満足で生まれてきた自分という人間がいかに幸せであるかを感じ取れるかどうかにあります。
そして、そう感じる事と障害を持っている人がイコール不幸せではないということとの折り合いをどうつけていくのか。
お子さんの確かな心の成長具合を感想文を読んで感じることのできる作品です。

15|Wonder(著者:R・J・パラシオ/ほるぷ出版)

主人公は生まれつき顔に障害を抱えている男の子。
その見た目は醜悪で、子供たちは怖がって悲鳴を上げたり、映るといって仲間外れにしたりと子供ならではの残酷さで彼を追い詰めていきます。
しかしオーガストには、面白い話をするという特技があって……。
そうですね、これも障害というものに対する認識をどう表現するか、という感じの感想文になるタイプの本です。
そしてこちらは、どちらかというと障害があることで受ける偏見と、それでも人に受け入れられる個性があることで救われていくというお話です。
とうぜん偏見と差別についても感想を書けるでしょう。
しかし、この物語を通じて障害も個性の一つであるということ、そして個性があることで道が開けていくということを感想に織り込めればかなり良く読めている証。
社会問題をしっかりと考えることができるということなのです。

小学生には決して無理に書かせないことが何より大事です。

とにかく、小学生の時に本が好きになるか嫌いになるかが決まるのは間違のないこと。
それどころか、もし読書感想文を書くという作業をいやだと感じるようになってしまうと、文章そのものがかけなくなってしまうことも大いに考えられます。
ですので、大事なことは、楽しませること。
楽しんで読み楽しんで書く。
それこそ親御さんが一緒になって感想を言い合ったりすることで、より良い感想文がかけることでしょう。

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