【名作・傑作選】本当に怖い!おすすめの海外ホラー小説6選【背筋が凍ること間違いなし!】

怖い小説が読みたい!
と、思った時、まず初めに思いつくのがいわゆるジャパニーズホラーや怪談話なんですが、海外ホラーも結構怖くてゾクッと来るものは多いのです。
とくに、何とも言えない日本ではありえない感じが、もう……。
というわけで、とにかく本を読んで怖い思いをしたいという方に名作・傑作として知られているおすすめの海外ホラー小説をご紹介いたします。

1|ローズマリーの赤ちゃん(著者:アイラ・レヴィン/早川書房)


古代ホラーの代表的な作品といえば、このローズマリーの赤ちゃん。
もう赤ん坊が出てくるホラーというだけで、ぞっとするところはありますが、その内容たるやもはや不快感に到達する怖さです。
『本書は、ニューヨークのアパートメントに引っ越してきたローズマリーという女性が主人公。
そのどこにでもいる主婦ローズマリーは、同じ年代の気の合う女性テレサと仲良くなるのですが、そのテレサは原因不明の自殺を遂げてしまいます。。
その直後、同じアパートに住む老夫婦と仲良くなるのですが、ある日この老夫婦からテレサの物である首飾りをプレゼントされるのです。
その行動に疑惑を抱いたローズマリー。
そんな不穏な空気の中、夫との生活は順調で経済面も安定したことから子作りを計画、しかし、ローズマリーはその晩突如意識を失うのです。
幸いなことに子供は出来ましたが、意識のない間、ずっと悪魔にレイプされる夢を見ていたローズマリー。
彼女の心に、子供は悪魔崇拝の儀式の結果できたものではないかという疑念が生まれ……。』
ね、もうあらすじで怖い。
しかも、子供に対する疑念は「周りがおかしいから」なのか「自分がおかしいから」なのか、妄想と現実が入り混じり不安定なまま話が進んでいくあたり本当に震えます。

2|ペインティッド・バード(著者:イェジー・コシンスキ/松籟社)


超常現象のないホラー、人間の暗い側面を見せつけるそんな作品。
まさに、これこそが、一番怖いのは人間であるという言葉の証明になるような、本当に不快感満載の怖さをくれる一冊です。
『本書は、第2次大戦中、東ヨーロッパに生まれた少年の過酷な人生のお話。
少年は、戦時疎開をするもののそこで両親をなくし、弱冠6歳の身で東ヨーロッパをさまよう孤児となります。もちろん6歳ですから自分で生活することはできません。
しかし彼は、その肌と髪の色が、ジプシーかユダヤ人にしかないと思われていた色であったため、迫害を受ける身。
とはいえ生きていくためには仕方なく、自分をいじめ愚約対する大人に付き従って生きていくという過酷な人生を送り始めるのです。
そして彼の経験する数々の惨事。
迫害、差別、暴力、強姦、殺人。人間の本性をむき出しにした数々の暴虐の姿を、少年の目を通じて克明に描き出す恐怖。そして怒り。
人間がいかに卑劣で恐ろしい生き物なのか、これでもかと見せつけてくるのです』
汚い言葉で恐縮ですが、まさに胸糞悪いという言葉が合う一冊。
しかも教訓めいた流れにならないあたり、まさにホラーです。

3|ザ・ロード(著者:コーマック・マッカーシー/早川書房)


ホラー小説の中でも人気のあるディストピア系。
この本はそんなディストピア系の小説の中でも、しっかりとした構成とそして心の奥をかきむしるような恐怖が味わえる一冊です。
『本書は、文明の荒廃した終末世界が舞台。
地球上に栄華を誇っていた人間の時間は、刻一刻と終わりにむかい、動植物は死に絶え、気温はどんどんと低下し、荒廃した文明はもはや体をなしていない、そんな世界。
そんな世界では、食人口椅子ライト罠略奪と暴力の日々が当たり前に存在しています。
そして、主人公は、そんな世界で生きる父と子。
暴力と境域の真っただ中にある世界で、そんなものから逃れるように世界をさまよう親子はそれでも人間らしさを失わないようにこの世界を生きていこうとします。
しかし、人間性を失ったものとの闘いの日々の中、その信念は少しづつ削られて行くのです。
極限の生活の中、父と子は常に襲撃と、そして人間ではない何かになってしまうかもしれない自分たちの精神の荒廃におびえ続けるのです』
これもまた神霊やゴーストの出ないホラー。
人間の弱さとその本性の恐怖におびえる一冊です。

4|丘の屋敷(著者:シャーリイ・ジャクスン/東京創元社)


1959年に書かれた、まさにゴースト系ホラーの最高傑作。
1963年には「たたり(The Haunting )」というタイトルで実写映画化され、その後も1999年に「ホーンティング」としてリメイク映画化されるほど、長く愛される作品。
まさに古典ホラーの傑作中の傑作です。
『本書は、幽霊がいるのではないかという噂の古い屋敷を調査するところから始まります。
調査に名乗りを上げたのは心霊研究家のモンターギュ博士と、彼が集めた霊感の強い参加者たち。透視能力のあるセオドラ、ポルターガイストを経験しているエレーナ、そして屋敷の所有者。
そこで起こるのは、まさに心霊現象のオンパレード。
武器も泣けはい、どこからともなく聞こえる声、ラップ減少、血塗られた部屋。まさしく、ホラーで使われるありとあらゆる手法が矢継ぎ早に登場し、息つく暇のない恐怖。
そんな、得体のしれない恐怖体験が募っていく中で、段々と様子のおかしくなる主人公。
屋敷の調査の中で、次第に明かされるその真相と、真相を知った後にさらに訪れる最大の恐怖とは……」
もう本当に恐怖です。
不得意な人には絶対に勧められない一冊ですね。

5|黒衣の女 ある亡霊の物語(著者:スーザン・ヒル/早川書房)


スピード感と畳みかける恐怖。
まさに、ホラーのだいご味ともいえる感覚は味わえる一冊。
『本書は、とある町はずれの無人の館に訪れることになった主人公キップスの体験談。
その理由とは、その、館に住んでいたドラブロウ夫人の葬儀に参加した際に、そのドラブロウ夫人の遺産を整理してくれないか?という仕事を受けてしまったことにはじまります。
そして、その時、彼は気付くのです、葬儀の終盤から目についていた、一人の女性の姿に。
その姿は、まさに不気味の一言で、作中に「消耗性の病気にかかっていることがはっきり分かった」と表現されるような風貌、そしてこの女がこの先キップスを苦しめ続けるのです。
無人の館で起こる数々の怪奇現象。
その次々と起こる怪奇現象の中、段々と追いつめられるキップスと、その時々に影を表すその女。
一体その女は誰なのか、なぜこんなことが起こってしまうのか、その真相は……」
この作品はとにかくぞっとさせる演出にたけた作品で、あれよあれよという間に恐怖のドン族に堕とされてしまいます。
そして気がつけば……黒衣の女は後ろにいるかもしれませんよ。

6|淑やかな悪夢(著者:短編集のため複数/東京創元社)


最後にご紹介するのは、ホラー女流作家たちの短編集。
様々な観点から描かれる、ホラー作家たちの自由な発想と、それぞれが得意な切り口から迫ってくる恐怖の物語の数々は、まさに恐怖の見本市。
ホラー作品というのは、はまらなければぜんぜん面白くないこともありますが、これならどれかにははまるはず。
個人的オススメは「空地」
オーソドックスな幽霊騒動のお話です。

恐怖は時として甘い

いつも恐怖の状態で暮らしたいとは思いません、しかしたまの恐怖は時として恍惚感をもたらしてくれます。
だからこそ、吸い寄せられるようにホラー小説を読んでしまうわけで。
ぜひみなさんもお読みください。
ただ、背中に違和感を感じたときは、一度本を閉じた方が、いいかもしれませんよ。

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