まだ読んでないの?絶対に感動する名作小説ランキング【感動小説を読んで日常に彩りを】

小説を読んで感情をゆすぶられる快感は、何物にもかえがたいものですよね。
特に、心の琴線に触れて涙を流すような感動の小説は、その本を読んだ体験自体も貴重ですし、感動して涙を流すこと自体も心に様々な良い影響を与えると言われています。
そんな、感動の小説、ぜひ読んでほしい名作というもの会はあるもので。
今回は、そんな小説の中から、ここ数年ではやった名作小説を中心に紹介していきましょう。

1|君の膵臓を食べたい(著者:住野よる/双葉社)


まだ読んでないの?!というタイトルにまさにふさわしい作品がこれ。
タイトルだけであれば、読んでいない人もきっと知っているだろう「キミスイ」こと「君の膵臓を食べたい」です。
むしろここまで大流行したものであれば、感動する小説でなくとも社会の一般教養として読んでおきたいと言えるレベルのものですが、ただ、やはりはやるだけの力がある素晴らしい小説です。
もちろん、もとがライトノベルだけに、重厚な文体とはいきません。
しかし、それでも、ライトノベルのファン層だけに支持されたのではここまでのヒットはとばせなかったのは言うまでもありませんから、その物語としての魅力は折り紙付き。
これくらいはやってしまうと当然アンチといわれる人もたくさんいますが、そんな言葉に耳を傾けず「実在ではない病気」を取り扱うことへの批判にも耳を閉ざして、ただ純粋に物語を追ってみてください。
そうしてたどり着いた先、その結末という名のゴールにあるのは、とめどないあなたの涙。
声を上げて泣いたとしても誰はばかることのない、純粋な涙が、そこに待っているのです。

2|僕は何度でも、きみに初めての恋をする(著者:沖田円/スターツ出版)


こちらも映画化などのメディアミックスがなされた人気作。
一日しか記憶の持たない少女との切なくも悲しく、そして何より優しく温かい恋愛ドラマがこの小説の売りであり、その売りは間違いなく心に深く突き刺さる感動を呼び舞う。
と、書くと、そういった特殊なシチュエーションに依存した小説のように思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、ある意味、この短期しか記憶がもたないキャラクターが織りなす物語というのは、手垢まみれの使い古されたシチュエーションであり、物語の世界ではそこまで異色なシチュエーションではありません。
大事なことは、その、手垢まみれのシチュエーションの中で、いかに物語をおもしろくできるかということなのです。
それは言い換えれば、そのシチュエーションの中に、そんなシチュエーションでなくても通じる、読者の共感を得る人間の本質に迫る物語を紡げるのかということ。
そして、本作は、間違いなくそれに成功している好例です。
だからこそ、あふれる涙が止まらないのです。
あなたの中にそして周りにある、当たり前の、でも何よりも大切な時間や感情、そして人たちのことをより愛おしくなれる、そんな名作です。

3|優しい死神の飼い方(著者:知念実希人/光文社)


感動の名作として、本好きの間で話題になった名作といえば、この作品。
ホスピスという、ある意味悲しみの巣窟のような場所に左遷になった死神という、何とも奇妙な内容の小説なのですが、とにかくその押し寄せる感動の量と質が濃い。
もちろん、ホスピスという場所で繰り広げられる物語というだけで、泣かせに来ているということはわかりますよね。
しかし、本作のすごいところは、きっと泣かせに来ているんだろうなという読者の期待感を損なわないままに、その期待を裏切っていくという絶妙なそのストーリーにあります。
中でも、主人公である、犬の姿をした死神レオのキャラクターの魅力。
死に向かう人たち未練をなくすために、様々な事件や謎を解き明かしていこうとする、そのちょっと天然系な死神の姿には、確かに暖かな人間性を感じるのです。
こういう風に、死を扱う作品というのは、ある意味駄作でも泣けます。
しかし、きちんとストーリーの寝られた、そしてそこに人間性をしっかりと主題として描き切った名作を読んで流す涙というのは、同じ涙でもその質が違う。
そんな、涙の質の違いさえも感じられる、名作です。

4|君の名は。(著者:新海誠/角川書店)


もはや、国民の常識とも言える作品ですが意外と小説版を読んでいる人は少ないですよね。
もちろんこの作品は映画原作というわけでもない、映画人気をベースにした、映画を原作に持つ小説という派生作品ですから、映画ほどの注目度がなくても仕方のないものではあります。
しかし、やはりこれだけ大ヒットした映画だけあって、そのストーリーの面白さだけは読む前から太鼓判がおせるという作品でもあります。
そう、それだけストーリーの面白さに関しては、説明いらずなんですね。
しかし、そんな、名作映画として確立された作品をわざわざ小説で読む価値があるのか?と言われれば、私は胸を張ってその価値があると言えます。
映画の中では何気なく過ぎ去っていったシーン、美しい背景や可愛い姿でかすんでしまっていた画面の端にあるモノ。
そういった、一般的なものが他の進行速度に合わせて流れていく映画とは違い、自分の速度に合わせて読み進めていくことで初めて見つかる、さらなる物語の魅力。
音楽の助けも、声優の演技力も、絵の美しさも借りない、あなたの心だけによって流される涙。
映画では味わうことのできない、小説だけの「君の名は。」がそこにあるのです。

5|ちょっといまから仕事やめてくる(著者:北川恵海/メディアワークス)


こちらも2017年に映画化された話題作。
おりしもちょうど働き方改革などで、ブラック企業の問題や、労働者の意識の変化が問われていたときにその時代をしっかりと反省させて話題となった作品でもあります。
だからこそ、この作品で救われて人もきっと多かったはず。
昔から、こういった世の中のシステムに爽快に抗って、自分でも一度は考えたことがあるけれど、決して自分ではできないようなことをしてくれる小説というのは少なくありません。
そしてそういった小説は、自己投影の結果本当に爽快な気分にさせてくれるものです。
しかし、本作は、そんなよくある同種の作品の爽快さをきちんと継承していながらも、最後には、感動して泣けるという感動小説としての側面も持っている作品でもあります。
そう、ただ単に社会への憂さ晴らしでは終わらないところが本作の魅力なのです。
もちろん、ブラック企業で働かされる立場として共感する人もいるでしょう、そうではなくとも労働者の悲哀を感じている人は共感できます、もしかしたらブラック企業の経営者ですらそこに共感を得るかもしれません。
そして最後、人間ならば誰しも共感できるだろう感動がある。そんな作品です。

6|風が強く吹いている(著者:三浦しをん/新潮社)


映画にドラマ、漫画に舞台劇と、まさに様々なジャンルとメディアミックスされた人気作。
直木賞作家であり本屋大賞作家でもある、まさに人気作家という言葉の相応しい三浦しをんのその代表作といってもいいほどの作品となった、本作。
そんな当代きっての売れっ子作家の力量に間違いはなく、感動するか否かを抜きにしても、心の底からおなかいっぱい楽しめる作品であり、まさにまだ読んでないの?と言いたくなる名作です。
そんな売れっ子作家がこの小説の舞台として選んだのが、これまた国民的人気を誇る、箱根駅伝。
お正月のお茶の間が、のんびりした雰囲気から一気に熱い興奮と感動に包まれる、そんな魔力を秘めた一大スポーツイベントを人気作家が描くのですから、おもしろくないわけがありません。
そして、感動しないわけがないのです。
少なくとも、現在箱根駅伝に興味がない人でも、間違いなく面白く読める小説ですし、そんな人がきっと箱根駅伝を好きになる、そんな小説でもあります。

7|聖の青春(著者:大崎善生/講談社)


今注目の将棋界。
そんな将棋界のトップに君臨し続ける羽生善治永世7冠、そんな国民栄誉賞まで受賞した稀代の将棋棋士と並び称される天才の存在、そんな一人の棋士について書かれた作品が本作。
その人の名前は、村山聖(さとし)。
将棋界の選ばれた人間しか在籍することを許されない最高峰のA級棋士に上り詰め、そしてそこに在籍したまま29歳の若さでこの世を去った、伝説の棋士の物語です。
棋士の世界という、過酷で苛烈な世界の中を、不治の病を抱えたまま戦い続けた一人の男の物語は、もうそれだけで胸を熱くさせるストーリー。
そのうえ、この主人公の魅力的な人柄が、予定された悲しい未来の結末を思うたびに涙を誘います。
この作品、そしてこの人物、将棋ファンであるならば知らないものはいないという話であり、それだけにぜひ将棋を知らない人にも読んでもらいたいと願う作品でもあります。
将棋を知らない人にも、村山聖という男を知ってほしい、その一心でそう願う作品です。
ぜひ読んでみてください。
そして、はかなくも激しい人生を生きた一人の天才棋士の名を、ぜひ知ってください。そして、忘れないでください。

8|東京タワー オカンとボクと、時々、オトン(著者:リリーフランキー/新潮社)


まさに、まだ読んだことがないの?な名作、東京タワー。
基本的に、九州男児というものは、母親には全くかなわない生き物で、どんなにアウトローを装っても荒くれを気取っても、母親の一言の前に子猫のように委縮する生き物です。
そんな、九州男児の生態が、本当によく描けている作品が本作。
還暦を過ぎ、一人がんと闘う母親と、夢と勢いと、なんとなくのかっこつけで東京に出てきたはいいもののぼろぼろの生活を送る息子。
そんな二人が、東京で再び共に暮らし始めることで起こる、親子の感動ストーリー。
しかもそこに、子供の頃に別居した、これまたダメな九州男児である父親がいいスパイスとしてかかわってきて、物語は進んでいきます。
そして最後、誰もが予想しうるラストせいーんを読み終えたとき、予想を超える涙がほほを伝うことでしょう。
そして、きっと、母の姿を思い浮かべるはずです。
息子の姿が、目に浮かぶはずです。
家族への思いが、あふれ出てくるはずです。

9|いま、会いに行きます。(著者:市川拓司/小学館)


草彅剛主演の映画でおなじみ、のこの作品。
あの世から愛しい人が期限付きで蘇るという、もはや感動して泣かないはずのないシチュエーションの中で、期待通りにしっかりと泣かせてくる名作。
ある意味、涙腺が痛くなるほど泣ける作品です。
はっきり言って、物語のストーリー自体は、間違いなく素晴らしいとはいいがたい読む人を選ぶものになっていますし、間違いなく面白いとは言えません。
しかし、そこには間違いなく、人の心を強く引き付ける要素がちりばめられています。
すこしどうかなぁと思った人も、できれば最後までしっかりと読み進めていってください、途中で脱落しそうになった人もきっと最後まで読めばこの本を本棚の一等地に置きたくなります。
いつでも、また再び読み返すことができるように。
少なくとも、人前で読める本でないことは、間違いありません。

10|永遠のゼロ(著者:百田尚樹/講談社)


ともすれば、戦争の悲劇としてしか描かれない、神風特攻隊。
中には、無駄な犠牲であると論じたり、戦争が引き起こした無駄死にと称したり、または、狂信的な人間が起こした惨劇のように見られることもあるこの出来事を、しっかりと人間目線で書いた作品がこれ。
そして、きちんとした人間の姿を通して描かれた特攻の真実は、まさに人間の起こしたひとつのドラマ。
戦争の結果の無駄な犠牲だとか狂信者の惨劇という言葉が、いかに表面的で偏った見方なのかを感じさせてくれる、切なくも狂おしい人間の情念のドラマがそこにはあります。
もちろん、ここから戦争や世界情勢について学ぶこともできるでしょう。
現在の百田尚樹氏の言動を思えば、その様な先入観で読み始める人もいるかもしれません。
しかし、それはもったいないことです。
ただの一つの小説として、そして、戦争ものではなくしっかりとした人間ドラマとしてこの本を手に取って読んでみてください。
戦争の惨禍を知る為ではなく、現代社会への警鐘としてでもなく。
極上の人間ドラマを読んだ感動を、無心に感じてみてほしい作品です。

感動を忘れない生活

現代社会、ただ漫然と生きていると、感動することを忘れがちですよね。
日々の忙しい生活に追われて、ふと気づくと、感動の涙を流したのはいつだっけ?とその記憶をたどることさえできなくなっている人もいるはずです。
しかし、それではきっと生活に潤いや彩りが失われてしまいますよね。
そんな時こそぜひ、ここで紹介した、人気売り上げ評判共に折り紙付きの名作を読んで、あなたの生活に感動をくわえてみてはいかがでしょうか。
きっと、あなたの流す涙の味を、思い出すことができるはずですよ。

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