本を読まない初心者にもおすすめできる!面白いこと間違いなしの人気小説10選

普段はまったく小説を読まない。
だけど、小説を読むことは教養にもなるというし、できればそういったものも読めるようになっておきたい!と思っている人は多いと思います。
そこで今回は、そんな方々のためのおすすめ小説をご紹介いたします。
初心者でもしっかり読めて面白い小説ばかりですので、是非チャレンジしてみてくださいね。

1|これは経費で落ちません!(著者:青木裕子/集英社オレンジ文庫)


副題が「~経理部の森若さん~」となっているとおり、経理部の森若さんのお話。
話の内容としては、森若さんと営業部のエースである山田太陽との人間関係と言うか恋模様と言うか・・・そんなライトな人付き合いのお話なのですが、とにかくこの本に関しては森若さんのキャラが抜群。
これだけ可愛いキャラクターを欠かれると、そりゃ読むよね。といった感じです。
内容もとても簡単で、文章もスッキ入りしていて言い回しが特殊だったり変な暗喩がなかったりと、ちょっとしたブログでも読んでいるような感覚で読める一冊です。
しかも、いわゆる呼んでいて感じるストーリー的なストレスがない。
誰も死なない、誰も絶望に苛まれない、ただただ山田太陽他の人々に翻弄されていく最高に可愛い森若さんを愛でる小説です。
特に現役の経理のひとなんかは共感部分もおいのではないでしょうか。
人間関係を森若さんの仕事から読み解けば、社会の構造が見えてくる!なんて難しいことは考えず、リラックスして読み勧めたい一冊です。

2|学校のセンセイ(著者:飛鳥井千砂/ポプラ文庫)


教育モノや学校モノには、よく熱血教師というものが出てきます。
そうでなくても、一癖も二癖もあるような教師やできる教師、怪しげな教師などいろいろな教師が出てくるのですが、この小説はむしろそういう小説の向こう側にいる普通の教師が主人公。
教師という職業の特別性をなんとなく信じていたのに、なんの取り柄も特別なところもない自分が教師になってしまったという不思議な居心地の悪さ。
なんの理想も希望も、そして意欲もない、職業としての教師を淡々とこなす青年桐原。
そこにあるのは、現代の若者の特徴的な姿であり、それと同時に感じることのできる普通の人の普通の感覚を読むことで得られる圧倒的な共感。
そう・・・この作品は、小説を読まない人にも共感できる作品です。
小説に共感は重要な要素ですが、読み込まないと共感できないようなものやある一点にフォーカスしないと共感できないものが多い中、これは自然と共感できる。
小説なれしていないひとでも没入感を楽しめる、そんな小説なのです。

3|校閲ガール(著者:宮木あや子/角川文庫)


こういう職業物の小説は、特に初心者が読みやすい小説。
というのも、やはり職業物というのはその職業についてできるだけわかりやすく説明しながらストーリーを進めなくてはいけないため、知らないひとにもわかりやすくが鉄則になっているからです。
そんな読みやすい職業物の中でも、この校閲ガールは読みやすくてしかも面白い。
まずは、校閲という聞き慣れない職業の実態を知るという知的好奇心が読む手を進めさせてくれて、登場するキャラクターの魅力が飽きさせず、そして会話の軽妙なやり取りがテンポよく難しさを感じさせない。
それでいて、しっかりと物語として「解決」してくれるので、なんとなく違和感のあるようなボヤーッとした終わり方でないところが、小説慣れしていない人にもすんなりと楽しめる小説です。
特に初心者向けの小説に関しては登場人物のキャラは重要。
キャラクターの魅力こそが、小説の魅力であるというような小説は、文章の細かい色差などを感じなくてもグイグイ読めますので、小難しくないものが多いんですね。
サクッと読める良作です。

4|ステップファザー・ステップ(著者:宮部みゆき/講談社文庫)


宮部みゆきの作品は、とにかく読みやすいものが多いのが特徴。
どちらかと言うと装飾過多な文章を書くタイプの小説家とは違い、シンプルですっきりとした文章の中に微妙なニュアンスを盛り込んでくるので、引っかかり無く読める小説が多いんですね。
そんな宮部作品のなかでも、ライトで読みやすいのがこの小説です。
最近は、ソロモンの偽証などどちらかと言うと重めの小説を書くイメージが付いていますが、実は宮部みゆきはこういうライトな小説も抜群にうまい作家です。
しかも、ちゃんとミステリー。
ひょんなことから双子の父役を演じなくてはいけなくなった泥棒と、小生意気な双子の兄弟との軽妙な会話はミステリー要素で謎解きが絡んでくるストーリーの中でもほっこりする優しい雰囲気。
宮部みゆきの作品を何作か読んだことがある人にもおすすめできる、作者の意外な一面。
この人の作品人気の根底にあるのは、誰にでもしっかりと読める文章のわかりやすさとそのわかりやすさの中に感情をこめてくる巧妙さにあるとわかるような作品。
まさに、初心者におすすめな昨品です。

5|シアター!(著者:有川浩/メディアワークス文庫)


そもそも読みやすさが目立つ有川浩作品の中で、抜群に読みやすいのがこの作品。
とにかく登場キャラの会話のテンポが良く、会話をぐんぐん読んでいるうちに、小説がものすごいスピードで読み進められていく感覚すら味わえます。
もちろん、その会話劇の面白さがあるからこそ、おすすめの作品ではあるのですが。
さらに登場キャラのキャラクターの個性もかなり印象的。
むしろそれは、小説の登場人物と言うよりも漫画やアニメのキャラだと言いたくなるほどに個性的でおpも白いキャラが多いので、漫画やアニメに親しみのある人には本当におすすめです。
しかも、この作品の中では多く芸術論や創作論がそんなキャラの口を通して語られます。
ですので、今後小説を読んでいこうと思う人にとっては、面白いエンターテインメントとはなんなのかを考える切っ掛けにもなるのではないでしょうか。
最近の有川浩作品はどちらかと言うと理屈っぽくなりつつあります。
しかし、このあたりの小説は、本当に軽快で爽快なエンターテインメントですので、初心者の方でもサラサラと読めて、きっと面白いと感じてもらえるだろうと思いますよ。

6|ルーズヴェルト・ゲーム(著者:池井戸潤/講談社文庫)


企業系の小説や社会派の小説は難しい。
きっとそんなふうに思っている人は多いと思いますし、ある意味その考え方は間違ってはいません、というかほぼ正解と言ってもいいでしょう。
しかし、この池井戸潤の小説に関しては・・・話は別。
いまや企業系ドラマの原作者として、日本を代表する作家となった池井戸潤の小説の特徴は、勧善懲悪のすっきり感と読みやすい文章。
もうとにかく、わかりやすい構図と特撮ヒーローものに近い勧善懲悪ぶりは読んでいても爽快感がたまりません。
この小説に限らず、池井戸作品に出てくる主人公は、とにかくカッコ良くいい人で好感度が高いというまさに会社組織の正義の味方。
反面宿敵は、もうとにかく嫌なヤツで、一刻も早く敗北に歪む顔を見たいと思わせてくれる純粋な悪人。
そして、サクサクと読める文章を読み勧めていけば、期待通りに正義は悪を滅ぼして、かっこいい主人公が最低の悪役を懲らしめて話は終わります。

7|ビブリア古書堂の事件手帖(著者:三上延/メディアワークス文庫)


もともとライトノベルなので、読みやすさについては折り紙付き。
そのうえで、この本の読みやすさの起点となっているのは、古書という一風変わった世界への入門者として登場する大輔という登場人物の存在。
この大輔がいわゆる何も知らない男として存在し、主人公である栞子さんが大介に対してわかりやすく説明してくれるその形式は、小説初心者にとっては本当にありがたい形式になっています。
さらにミステリーの形式をとっていますが、そこまで難解な事件でもないというのもわかりやすくていいですね。
基本的にこの本に関しては古書という世界のなんとも言えない雰囲気を楽しみながら栞子さんと大輔の人間関係を暖かく見守ると言った感じの小説。
大輔のキャラもとても親しみやすいですし、主人公の栞子さんのかyラクターが良く、本当に可愛い女性として表現されていますのでキャラクター要素も抜群。
絵の浮かびやすい描写も相まって、文章の難解さを感じさせない作品です。

8|陽だまりの彼女(著者:越谷オサム/新潮文庫)


そこはかとない幸せ感、そして何物にも代えがたい幸福と切なさ。
そんな誰もが不自然な想像をしなくてもすんなり思い描くことのできる感情をしっかりと描ききってなお難解な表現もなくサラッとかきあげてあるのがこの小説。
いわゆる直球ど真ん中な恋愛小説ながらも、ただの恋愛小説ではなく、人間の幸せやその関係性のあり方の芯の部分までしっかりと迫っているのはお見事という他ない。
世の中に、恋愛感情を知らない人間はいない。
もしそれが真実であるならば、きっとこの本を読んで共感できない人間はいないだろうし、もし恋愛をしたことがなくても恋愛の感覚をこの本で知ることができる、そんな作品でもあります。
この本がハッピーエンドなのかどうなのかには触れませんが、少なくとも納得できいる結末もまた良い。
読後は無性に恋をしたくなる。
そんな恋愛小説のキャッチコピーとしては使い古された言い回しが本当にしっくり来る恋をしたい人なら間違いなく楽しめる小説です。

9|狼と香辛料(著者:支倉凍砂/電撃文庫)


出版社でご理解いただけるように、大人気ライトノベル作品です。
基本的にライトノベルでファンタジー要素の強いものは、漫画と小説の中間にあるようなもので、読みやすいことは間違いないのですが、小説初心者には「これ小説?」という感覚にさせられるものが多いですよね。
しかし、この狼と香辛料はファンタジー要素の強いライトノベルでありながらも、しっかりと読みごたえのある、読書をした気持ちを満足させてくれる作品でもあります。
しかもライトノベルなので読みやすいというおまけ付き。
特に中世ヨーロッパの宗教観や経済の基本、商人という職業のたくましさと狡猾さを感じることのできる!いわゆる読書をして知識を得るという読書の価値の大きな一つの要素を満たしてくれるのも、またライトノベルには珍しくておすすめできます。
しかもなんとこの小説全16巻という大長編。
ですので・・・一回ハマってしまうと、かなり一気に読書量が増えるという特徴もあります。一度読んでみて、ハマり込んでしまえばあなたも立派な読書家です。

10|ボッコちゃん(著者:星新一/新潮文庫)


読みやすい小説というカテゴリーでこの作者に触れない訳にはいかない!それが星新一という巨星です。
わかりやすい文章に短い作品、そして起承転結がはっきりしていて、ストーリーの把握がしっかりとできる構成の巧さ。読みやすい小説に必要なすべてがこの作者の作品には存在します。
しかも、あっさりとしたよみ口と短い文章にコメられた社会性の高さ。
ただ単にストーリーの展開を楽しむだけでも十分に面白いため、中学生でも読める作品でありながら、その裏にあるメッセージ性に気づいてその深さに目をやれば、間違いなくオトナが楽しめる作品。
まさに、大人の童話という言葉がピッタリ来る日本SF界の金字塔。
小説を読まない理由が長い時間文章を読み続けることができないという方には、星新一以上におすすめできる作家はいないと断言してもきっとどこからも苦情は来ないでしょう。
それだけ読みやすく、そして、評価の高い作品群です。

本を手にとることから始めよう

小説を読まない方にとって、まずは本を手に取るというのがあまりない経験ですよね。
しかし、とにかく何でもいいのでまずは本を手に取るということから始めれば、そのハードルはあんがいスッキリクリアできて、きっとすぐに小説の虜になれるはず。
ぜひこの記事を参考にして、一冊本を手にとってみてください。
小説は学問ではなく娯楽です。
気楽に本を手にすることが、まずは大事なはじめの一歩なのですから。

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