宮部みゆき|おすすめの小説本ランキング【作家名から作品を探す】

宮部みゆきは1960年、東京の深川生まれ。
高校卒業後に速記の専門学校に入学し、法律事務所に就職した後23歳で小説の執筆を始め4年保の27歳のとき、オール読物推理小説新人賞を「我らが隣人の犯罪」で受賞、作家の道を歩み始めます。
その後、ミステリはもちろん、時代小説・怪談・ファンタジー・SFなどジャンルを問わず活躍。
その全てで、日本有数の賞を獲得するなど評価を得、まさに現代における日本を代表する作家であり、また、日本文学史においても稀有の作家と言えます。
今回はそんな宮部みゆきの作品をご紹介しますね。

作品ランキング1位|理由(新潮文庫)

宮部みゆき作品の特徴は、終始「一般人」の目線が生き続けているということ。
どんなに凄惨な事件であろうとも、震撼させるような出来事であろうとも、そこに関わる人間の「素」の部分が多く描かれ、それだけによりそこはかとない不安感を感じます。
第120回直木賞受賞作であるこの作品もまた、そんな宮部作品の特徴が色濃く出た作品。
そして、全く別世界の人物のような人たちが、自分と殆ど変わらない人間だと知らされたとき、そこにある「理由」のほんとうの意味がわかるのです。

作品ランキング2位|ぼんくら(講談社)

宮部ミステリの最高峰が「理由」ならば、時代小説の最高峰はこれ。
宮部みゆきの時代劇は、とにかく江戸情緒の伝え方がうまく時代小説にありがちなとっつきにくさがまるでない、そんな宮部みゆきの時代小説の特徴は当然本作にもはっきり出ています。
そして、本作でもキラリと光るのがキャラクター。
さらに、ミステリーとしては当然一級品。
最高の時代小説であり最高のキャラ者であり、そして最高のミステリー。贅沢な作品です。

作品ランキング3位|蒲生邸事件(文春文庫)

さて宮部みゆき本の中で、SF要素の強い作品での最高峰はこちら。
2・26事件の只中にタイムスリップした主人公という、まさに王道のSF小説です。
もちろん、歴史的大事件である2・26事件をモチーフにしているのですから歴史好きにはたまらない作品。
しかし、宮部みゆきのすごいところは、歴史好きを骨の髄までしっかりと満足さてなお、それに全く興味のない人もまた、同じようにしっかりと魅了できる筆力。
すべてが揃った作品です。

作品ランキング4位|ブレイブ・ストーリー(角川文庫)

こうなんでもかけると、流石に宮部みゆきは何人もいるんじゃないかと思えるのですがこちらはファンタジー。
その特徴としては、現実世界とのリンク。
昨今のファンタジー小説のごとくいわゆる異世界転移モノなのですが、この作品は常に「現実の出来事」がファンタジーを生きる主人公にまとわりついてきます。
そして主人公は現実世界に起こった問題を解決するためいに、広大なファンタジー背系を縦横無尽に駆けるのです。

作品ランキング5位|模倣犯(新潮文庫)

宮部みゆき3大ミステリーのうちの一つ、模倣犯。
映画化もドラマ化もされたこの作品ですが、何故か東野圭吾さんと違って宮部みゆき作品って映像化に向かないんですよね、というのが映画とドラマの感想です。
個人的には、宮部みゆき作品は視点が庶民的すぎるのだと思います。
だからこそ、映像化には向かないのでしょう。
しかし、小説としては、その当たり前の大切さがぐっと胸に刺さって、強い衝撃を生むのです。

作品ランキング6位|火車(新潮文庫)

宮部みゆき3大ミステリーで最後に紹介するのがこの「火車」
この作品もまた、普通の人間が普通に陥りやすい、社会に潜む落とし穴のような出来事、クレジットカードによる多重債務がきっかけで起こる事件。
そう、火車とはまさに「火の車」のことなんですね。
クレジットカードによる多重債務という、社会の構造が生んだ闇。やはりこの作品も、あたりめの日常の直ぐ側にある「異常」なのです。

作品ランキング7位|スナーク狩り(光文社文庫)

本当に宮部みゆきは普通の人が狂気をはらむ様子を書くことに関しては天才の天才。
この作品は、高速道路殺人の予定現場へと向かう犯人とそれに関係する人たちの車が進むに連れその狂気が濃くなていくというまさに「普通の人が狂気に変わっていく過程」を描いた作品。
当たり前が当たり前でなくなっていく、その転換点に何があるのか。
日常の薄皮一枚向こうにある異常を描いた宮部みゆきの真骨頂です。

作品ランキング8位|あかんべえ(新潮文庫)

幽霊モノ、それはある意味時代小説におけるファンタジー。
そんな幽霊モノに、時代小説の名手でありファンタジー小説の名手でもある宮部みゆきが挑んだら・・・・・・当然、傑作があ生まれること間違いなし。
そんな、読者の期待にしっかりと答える、ほっこり泣ける時代小説。
全く時代小説に興味のない人が、これをきっかけに時代小説にハマっておかしくない、リーダビリティの優れた名作。
最後にあなたはきっと涙を流します。

作品ランキング9位|ステップファザー・ステップ(講談社文庫)

宮部みゆきの多彩さを物語る小説の一つが、本作。
凄惨な殺人事件を、じっくりと書き上げる宮部みゆきの「軽快でライトな小説」を得意とする一面を垣間見ることができるのです。
もちろん内容はミステリーですが、その味わいはとにかくスッキリと軽やか。
ユーモア度の高い、ライトな読み口は、それこそ小学生でも高学年であれば読めてしまうようなそんな味わいもあります。

作品ランキング10位|クロスファイア(光文社文庫)

超能力者が出てきた段階でミステリー、特に推理は成り立たない。
これは当たり前の話で、壁抜けができる人間がいては密室殺人も何もあったものではないのですが、本作はそんな常識を打ち破る作品。
そして、頂上の力を持ったばかりに、過酷な人生をくらざるを得ない人間の悲しいお話。
どんなに強い力を持とうと、そして、どんなに優れた才能を持とうと、宮部みゆきの作品の中に「当たり前」を逸脱した「心」を持つ人間は出てこないのです。

作品ランキング11位|おそろし 三島屋変調百物語事始(角川文庫)

宮部みゆきの不思議な時代小説シリーズ「三島屋変調百物語」の1冊目。
これもまた、時代小説でありながら、怪談であり、そしてミステリーでもあるという贅沢で要素のたくさん詰まった小説になります。
連作短編であることもあって、とにかく彼女の発想力には脱帽する他ありません。
一人の少女が、江戸の街に起こる様々な不思議と直面することによって始まる物語。
そのすべてが長編の価値のある珠玉の短編集です。

作品ランキング12位|ソロモンの偽証(新潮文庫)

宮部みゆきが構想15年執筆9年という時間を費やして完成した、彼女のライフワークとでも言うべき一冊。
その内容は、中学生が中心となって、同級生の死の真相を解き明かしていくというストーリーで、その内容の濃さから作者の本気度が伺い知れる作品となっています。
ただ、面白いかどうかについては評価が分かれると言っておきましょう。
しかし、間違いなく力作ではありますので、ぜひ。

作品ランキング13位|楽園(文春文庫)

家族を見つめた「模倣犯」の主人公の一人前畑滋子が事件を解き明かすシリーズ。
今回の事件は、宮部みゆき作品にとって一つの定番とも言うべき超能力者を軸とした、ミステリー作品となっています。
しかし、やはりそこは宮部みゆき作品だけあって、超能力はただの味付け。
その物語の本質は、模倣犯と同じく「家族」の情景です。

作品ランキング14位|荒神(新潮文庫)

まるでホラーのような描写が、宮部みゆきの真骨頂を感じさせる、作品。
時代小説ですので、怪談話というべきかもしれませんが、その筆致ままさしくホラーのそれで、またしても宮部みゆきの新境地を見せられる重いです。
人間の業に深く切り込むそのラストは、読者に様々な感情を抱かせます。

作品ランキング15位|返事はいらない(新潮文庫)

宮部みゆきの隠れた名作短編集。
ミステリー要素のまったくない、人間のキビをしっかりと描いた作品集。
宮部ファンの中でも、読んだことのない人の多い作品で、ぜひ読んでいただきたい作品でもあります。

当たり前であることの恐怖と大切さ

宮部みゆきの作品は、あまりに普通の人たちが活躍します。
そして、あまりに普通の人たちが、たった一つ小さな怪談を踏み外したことで、異常な殺人者となる。
だからこそ、普通の私達が共感できる作品に仕上がっているのです。

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