仕事で成長するために必要なもの、それは経験と知識。
そのうち、経験は日々の仕事の中で自然と蓄積されていくものですが、知識は自分から積極的に手に入れようとしなければ、自然と入ってくるということはありません。
なぜなら、物事を記憶することイコール知識ではなく、その物事の意味を知り噛み砕いて自分のものにして初めて知識と呼べる財産になるからです。
しかも、積み重ねた経験を財産として成長に役立てるために必要なものも、やはり知識。
ここでは、そんな成長には不可欠な要素であるビジネスパーソンとしての知識をいかに効率よく吸収するのか、そのためにはどんな本が良いのか。
そんな観点から選んだビジネス書をおすすめいたします。
1|東大読書(著者:西岡壱誠/東洋経済新報社)
本を読んで知識を身に着け成長に役立たせる。
それはもちろん大事なことで、だからこそこういう記事を書いているのですが、しかしそれにはまず身につけて置かなければいけない知識とスキルが存在します。
それが文章を読む力です。
いくら良い本を読んでも、素晴らしい理論に接することがあっても、それを読み解き自らの知識として噛み砕いて養分にすることができなければそれはただの時間の浪費。
読むという作業は、文章を追うことではなく、その内容を頭にわかりやすくアウトプットしやすいカタチでインプットするのだということを知らなければ、読書はまったく意味のないものになってしまうのです。
そんな中、まずはこの本なら呼んでほしいという一冊がこの東大読書。
この本に書かれているのは、ただ漫然と本を読むことの無意味さとそうならないために最低限気をつけて置かなければいけない・・・ある意味読書の教則本的内容。
本を読むということのほんとうの意味を知り、そのために必要なチェック項目とその方法をしる。
本に書いてあることを唯々諾々と鵜呑みにするのではなく、その本の内容に常に疑問を持つ姿勢などは、確かにビジネス本を読み勧めていく上で大切なことだと実感するはずです。
知識のためにこれから沢山の本を読んでいこうとする方。
そういう方にとっては、これを読んでいるかどうかでその行為の価値がまったく変わってしまうくらいの大きな力のある本だと思って間違いありません。
2|最先端科学×マインドフルネスで実現する最強のメンタル(著者:辻良史/ダイヤモンド社)
自己啓発本というのは、宗教臭くなる傾向にあります。
しかも本作の著者はヨガの行者としても有名な人なので、かなり眉唾な気持ちを読者に与えてしまいそうですが、読み進めればそんな懸念はまったく必要なかったことがわかります。
精神は人間を成長させるためには欠かせない要素。
特に現代は、精神の疲弊しやすい環境が多く、そのせいでうつ病や精神疾患を抱える人が多いほどにストレスフルな社会になってきています。
そして精神のダメージでそれを病んでしまえば、能力も才能もスキルも・・・すべて宝の持ち腐れ。
そう考えれば、現代のビジネスパーソンにとって、まずはじめにしっかりと成長させその理解と学習をしておかなければいけないのは、精神の分野だと言っても過言ではないのです。
そこでこのビジネス書です。
まずこの本のおすすめポイントは、よくある自己啓発本と違って、徹底的に科学的な観点から精神のカテゴリーに挑んでいるという点です。
ですのでこういう本にありがちな曖昧な感覚はありません。
しっかりと精神を脳の活動の一部と捉え、脳のタイプ別にそのタイプに沿ったアプローチを提唱しているのもまた、その汎用性において大きなポイント。
そうすることで、よくある自己啓発本の感想「わたしには関係なさそう」という感覚を極力排除してるのです。
仕事にお手、しっかりと成長するには、その効率性を高める高い精神性が必要。
その意義に気づくだけでも読む価値のある本と言えるでしょう。
3|ラクして速いが一番すごい(著者:松本利明/ダイヤモンド社)
成長するために一番必要な思考方法とは何か?
その答えとして最も最適な答えは、きっと・・・逆転の発想、つまり当たり前だと思われていることに対するカウンターのマインドをいかに育てることができるかではないでしょうか。
つまり、一般的に良くないと言われている事柄や方法の中に活路を見出すことのできる思考ということなのですが、そういった思考を育てる上で役に立つだろうと思われるのがこの本です。
その逆転の端層とは、このタイトルを見れば一目瞭然。
というのも、一般的に仕事をラクして早くするなどということは良くないこととされていて、特にこれまでの日本の会社組織にとってはダメ社員の烙印を押されそうなものです。
しかし、ラクして早く仕事をするというのを噛み砕いて理解すれば、それはつまり「効率の良い仕事ができる」という意味でもあります。
それは、言い換えれば「仕事ができる人」という意味。
この本にはそんな仕事のできる人はいかにして迅速にそして無駄な労力をかけずに「結果を出しているのか」について書かれているのです。
今、日本人は世界でも有数に労働の効率が悪いと言われています。
政府の働き方改革も、仕事の時間ではなくその結果によって評価された以下が払われるべきだという観点から始まったことです。
つまり、この本の言うラクして速いは、最も今の時代に求められている働き方。
これまでの常識と旧態依然とした価値観の外に出て、しっかりと現実を見るためには必要な本だと言えるでしょう。
4|自衛隊元最高幹部が教える 経営学では学べない戦略の本質(著者:折木良一/KADOKAWA)
成長の方向というものを考えた時、ひとと同じ方向に伸びるのは効率のいい伸び方ではありません。
それは、なんのために成長をするのかを考えた時、これが昭和や平成初期の時代であれば、みんなと同じことが同じようにできるためであったかもしれませんが今は違います。
今は、みんなといかに違う個性と才能を身につけることができるかが個人の価値なのです。
つまり・・・情報化が進み、労働力の代替物が増えてきている現代においては、代替物に変わられない才能やかけがえのない個性とスキルこそが有能な人材の証。
そこでおすすめするのが本書。
自衛隊という、間違いなく軍隊である組織の中で戦略を学んでき著者がビジネス戦略に活用できる戦略を教える、一風変わった本です。
しかし、ビジネス戦略とは、実は軍事戦略と同じような概念。
学びの短所としては、軍事に学ぶ経済というのは理にかなっていると言えるのです。
5|オリジナリティ(著者:本田直之/日経BP社)
副題は「~全員に好かれることを目指す時代は終わった 」。
その挑発的な副題は、ある意味人を敬遠させるものですが、その内容を読んで見れば、まさにこれは新しい時代の成長の方向を指し示してくれる本であることがわかります。
本書は料理人15人へのインタビューがその中心的な内容。
それだけを聞くと、ビジネスパーソンには関係のない内容のように思われるかもしれませんが、料理人とは、ある意味限られたカテゴリーの中でオリジナリティを競い合ってビジネスを展開しているひとでもあるのです。
そしてそれこそ、これからの社会で人や物、サービスに価値を持たせるために必要な概念。
物と情報が溢れ、誰もが世界中の商品やサービスを家にいながらに享受できる時代に、選ばれる存在になるためにはオリジナリティは必須の概念。
そして同時にそれは、ビジネスパーソンの成長していく方向性そのものなのです。
ただ成長するだけではダメな時代に
今や、ビジネスの世界に求められているのはただ成長すると言うだけの単純なものではありません。
多様化と技術革新のスピードはますます早くなるばかりで、しかも、価値観を破壊するような新しいものがどんどんと登場する世界で、大切なのはどう成長するかの方向性の決定。
その決定に役立つ本として、今回は5冊紹介しました。
あなたはどう成長していくべきなのか。
ぜひ、紹介した本を読んで、考えてみてくださいね。