教養と知性を磨く!いまだから読むべき大人向けの本・書籍7選

教養と知性。
この2つに必要なことは、物事をいかに考えることができるのかという頭脳の活用法でありその根本は知識です。
人間は知識を得て、その知識を活用することでしか知性を磨くことができず、知性を磨ける状態になることこそが教養があるというのですから、その両者の根本が知識であることはゆるぎようのない事実です。
ですのでここでは、そんな知性と教養を身につけるための知識を得る本をご紹介いたします。
それは知識そのものというよりも、その知識をどう活用するのかを念頭に置いた、脳の働かせ方ガイド部くとでも言うべきオススメの本たちです。

1|知的戦闘力を高める独学の技法(著者:山口周/ダイヤモンド社)


まずは知性を手に入れるための方法論から身につけていきましょう。
当然、知性や教養を身につける方法というのも立派な教養であり、その方法を獲得し使えるというのは言うまでもなく知性そのもの。
つまり、知性や教養を獲得するという知性であり教養の本です。
この本は、本を読むなどの方法で独学で知性や教養を手に入れるために必要な方法論と陥りやすい危険な落とし穴について書かれた本。
ただ闇雲に知識を手に入れるのではなく、目的意識をもって知識を手に入れるためにはどうしたらいいのか。
そして、必要のない知識や間違った知識を手に入れないためにはどうしたらいいのかなど、独学で成長するために必要なノウハウがしかりと書かれています。
ですからまずはこの本で、独学で手に入れる知性の下地を作り、より質の高い教養を身につけられるようにしておくといいかもしれません。

2|哲学個人授業(著者:鷲田 清一、永江 朗/筑摩書房)


哲学とは、人間の思考をフルに使っって物事の本質を読み解く学問。
つまり人間の知性と教養の行き着く先にある、いかに人間の脳を使うのかという脳の使い方そのものに迫った学問であると言っても過言ではありません。
とはいえ、哲学というのは簡単な学問ではありません。
人間の知性の最上位にあるような人たちが、その天才的頭脳をフル回転させてたどり着く地平のお話なので、まったく素養のない人間が手を突っ込めば、まったく分けのわからない話でしかないのです。
そこでこの本の登場です。
この本は哲学者たちが残してきた「名言」をもとに、そういった哲学的な思考方法についてとてもわかり易く解説し、哲学的考え方の面白さが解説されている本です。
しかも、その原点はなんとなくかっこいい名言たち。
少なくとも、この本を読んでやっぱり哲学は向いていないとあきらめることとなったとしても、ニーチェやサルトルの名言を知っていると言うだけで十分な教養を身に着けたといえます。

3|これからの「正義」の話をしよう(著者:マイケル・サンデル/早川書房)


正義とは、この世に存在する絶対的な価値観。
そのように思っている人は案外多く、そしてその正義に対して絶対視をしてしまうことで人間の思考は硬直し、知性は崩壊します。
そう。単一の価値観をもってしまった段階で人間の脳は発展をやめてしまうのです。
そんな時にはこの本を読み、正義とは何かという人間の価値観の根幹について徹底的に考えることで、今ある価値観の破壊と再構築をしていくのも知性を高めるためには重要な作業。
この世にある正義と、人々にとって耳障りの良い価値観。
そんな当たり前と言われているものは本当に当たり前なのか、この世界を構築する価値観の拠り所である正義は本当に正義と言えるものなのか。
そのそも正義とは何なのか。
自分の中にある、正しいという価値そのものを疑ってしまいたくなるような正義の心地よい崩壊がこの本によってもたらされた時、新しい知性が芽吹く準備が整ったと言えるのかもしれません。

4|嫌われる勇気(著者:岸見一郎、古賀史健/ダイヤモンド社)


哲学の次は心理学。
心理とはとうぜん脳と直結するものであり、それは切り離せない概念である以上、脳の働きを理解し知性を高めていくためには心理についての造詣も深くないといけません。
しかし哲学と同じく、やはり心理学を知らない人間には敷居の高い学問です。
そこでここで紹介する本書は、世界の3大心理学者のひとり、アルフレッド・アドラーの心理学について、対話形式で紐解いていく非常にわかりやすい入門書。
そしてこの本を読み勧めていくことは、心理学とともに哲学的な思考の方法論についても学ぶことのできる本でもあります。
また人生に悩む人にとっては、救いとなる本かもしれません。
知性とは、ある意味たくさんの考え方を持つことができる能力。
そんな考え方のひとつの方法論としてアドラー心理学の概念を持つことは、教養という点においても大きな進歩です。

5|思考の整理学(著者:外山滋比古/ちくま文庫)


頭の中にある知識を整理するにはどうしたらいいのか。
そのような思考という点においては最も初歩でありながらも、ある程度の教養がある大人でも苦労する方法論について書かれたのが本書。
しかも本書は、ネット時代の前に書かれた本であることが重要なのです。
ネット時代の到来によって、人々は情報の入手が簡単で、脳の中に知識を整理しておかなくても、コンピュータの中やクラウド上に知識を整理して置けるようになりました。
しかし、それでは脳の力は一方的に衰退するばかり。
ところが本書は、ネット時代が訪れる前の本なのですから、ネットを利用した方法などは書かれていません。
そこにあるのは、人間の体を使った、創造性を高めていくことのできる頭の整理の仕方であり、知識をいかに活かすのかそのためにはどのように整理すべきかという知性に直結する内容。
まさに、ネットに頼らない自頭を鍛えるための方法論なのです。

6|社会契約論(著者:J.J.ルソー/岩波新書)


現在の民主主義を基調とする社会の根底にある考え方、それがこの本。
今の社会の中で政治を考え政治を語りそれに参加していくためには、必ず読んで置かなければいけないと言ってもよいほどに、その源流となる考え方が書かれた本です。
つまり、現代社会における政治的教養の大本。
この本の存在が、フランスに民主主義革命をもたらし、この世界に民主主義という価値観をもたらしたのだと考えれば、本書を読むことがいかに重要な『教養』であるかは自ずと分かるはず。
大人の責任とは、この社会を作り維持していくこと。
そう考えるならば、政治に関心を持ち政治を知り、政治を自らの知性の中に宿すことは、大人としての責任にまで及ぶ教養だといえます。
であれば、読んでいないことを恥じるレベルの、一冊です。

7|地獄の季節(著者:アルチュール・ランボー/岩波書店)


詩とは、短い文章と少ない単語によって世界を表現する文学のカタチ。
そのため、その行間には、書いていないことによって無限に表現される作者の伝えたかった感情や世界観が存在し、詩を読むとはその行間を読むことにほかなりません。
つまり、文字を追って本を読んでいるだけで箸の良さを味わうことはできないということ。
それは、言い換えるならば、知性と教養のない人間には、詩の本当の良さを理解し味わうことはできないという意味でもあります。
人は感性というものを、知性や教養とはちがうものだと捉えがちです。
しかし、感性もまた脳の働きであり、感性を手に入れるためには、やはりそれなりの知性が必要であることは揺るぎない事実。
そこで、世界の詩人の中でも最も有名と言っていいランボーの詩集を読むことをおすすめします。
何度も繰り返し読み、何度も繰り返し考えていく中で、もし行間にランボーの思いを読み取ることがっできたなら。
あなたの中に教養と知識が息づいている、そう胸をはれるかもしれません。

思考力と知識の融合

知性や教養というのは知識と思考力の融合したカタチ。
ただ物を知っているだけでも、また物を考える力を持っていても、高い知性や教養を有しているとは言えません。
良く物を知り、そして考えることができる。
その両者が揃ってこそ知性や教養があるといえるのであり、そのためには、思考法と知識、その両方を得られる本を読むことが重要になるのです。

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