今はビジネス関連の書籍がたくさん出ていますが、選択肢が多すぎてなかなか絞り込むことができないという方も多いのではないでしょうか?
今回は数あるビジネス関連の書籍から「知らないと損!」と言えるようなものをいくつかピックアップしていきたいと思います。
1|キーエンス解剖 最強企業のメカニズム(著者:西岡 杏)
まず挙げられるのが『キーエンス解剖 最強企業のメカニズム』です。著者は日経ビジネス記者の西岡 杏さんですね。
タイトルの通り、大阪に本社を置いているキーエンスという企業について詳しく書かれているのですが、キーエンスという企業を通してさまざまな学びを得られます。
キーエンスは日本を代表する優良企業として知られていますし、「カンブリア宮殿」などの番組で取り上げられることも多いです。今、日本国内の企業は会社の利益のためだけにお客様を表面的に大切にするというところが多く、そのために社員の犠牲は当然という風潮すらあります。
これに関しては、そもそも日本そのものが一部の人間だけで富を独占し、そのおこぼれを国民に分け与えるような国になっていることも影響しているのでしょう。
ただ、そういった中でもキーエンスでは本当の意味でお客様を大切にし、そのお客様と同じように社員も大切にしています。
企業というのはお客様と社員の両方がいてこそ成り立つものなのですから、企業がお客様と社員のその両方を大切にするのは当たり前のことでもあります。
冷静になって考えてみれば、誰にでもわかるような当たり前のことを当たり前に実践しているからこそ、キーエンスは他の企業とは一線を画す存在になったのです。それを痛感させられる内容ですし、読んだその日からでもビジネスに取り入れられるポイントがたくさん盛り込まれています。まだこの本を読んでない方にとっては、思っている以上に深い学びを得られることでしょう。
2|コンサルが「最初の3年間」で学ぶコト 知らないと一生後悔する99のスキルと5の挑戦(著者:高松 智史)
『コンサルが「最初の3年間」で学ぶコト 知らないと一生後悔する99のスキルと5の挑戦』もおすすめの1冊です。
著者は高松 智史さんなのですが、高松 智史さんの書籍は全体的に人気がありますし、高く評価されているものが多い印象です。
特に、この書籍では業界や業種に関係なく、ビジネスパーソンとして身につけておきたいコンサルの思考と作法を学んでいくことができます。
コンサルというとそれだけハードルが高く感じられる方もいるかもしれませんが、この書籍を含めて高松 智史さんの書籍はとても読みやすい仕様となっています。高松 智史さんならではの独特な表現やノリによって、サクサクと読み進めることができるでしょう。思わず笑ってしまうようなところも多いのですが、それでいてしっかりと中身は濃いものになっています。
楽しみながら読み進めていくうちにいろいろな知識を吸収することができるので、読者や勉強に苦手意識を持っている方でも安心です。
3|限りある時間の使い方(著者:オリバー・バークマン、翻訳:高橋璃子)
続いては、『限りある時間の使い方』という書籍についてです。著者はオリバー・バークマンさん、翻訳は高橋璃子さんによるものです。こちらは、全米でベストセラーになっている書籍でもあります。
この書籍の中で使われている「人生は4000週間」という表現はやはりインパクトがあるのではないでしょうか?
これを「4000週間しかない」と感じるのか、「4000週間もある」と感じるのかは人それぞれです。
今はビジネスの世界に限らず、政治の世界などでも「生産性」という言葉がよく使われています。
生産性がないと意味がないとでも言うような世の中になっていますが、生産性を追い求めていく中で現代人は多くのことを失っています。
改めて、生産性を追い求めることの無意味さのようなものを突き付けてくるのがこの書籍です。
生産性にこだわっているのは地球上でおそらく人間だけでしょうが、その人間こそが生き物としてもっとも生産性がないと言っても過言ではありません。
実際に、自然破壊や戦争などは人間が引き起こしていることだと考えれば、人間の生産性のなさと傲慢さには本当に嫌気がさしてしまうものです。
大袈裟に感じるかもしれませんが、この書籍を読むことによってそれくらい視野が広がっていきますし、自分自身の生き方や人生そのものを見直していくことができるはずです。
4|13歳からの地政学 カイゾクとの地球儀航海(著者:田中 孝幸)
『13歳からの地政学 カイゾクとの地球儀航海』というタイトルからはビジネス書という感じは受けないかもしれませんが、実はこちらは読者が選ぶビジネス書グランプリ2023「リベラルアーツ部門賞」を受賞している書籍になります。
著者は田中 孝幸さんで、著名人も絶賛している1冊です。
今はテレビ離れが加速していますが、それはテレビがつまらなくなった以上に正しいことや本当に伝えるべきことを放送できなくなったからでもあります。
この書籍は世界情勢からニュースの裏側まで、今のテレビでは触れることのできないところまでわかりやすく伝えてくれるものだと言えるでしょう。
現代人は「世の中ではそれが当たり前になっている」という認識で終わってしまい、そこから先に進もうとはしない傾向にあります。要は考えることを放棄してしまっているわけです。
この書籍では「世の中でそれが当たり前になっているのはなぜなのか」という一歩踏み込んだところまで教えてくれるので、同時に考える機会も与えてくれます。
年齢を問わず、現代人こそ読むべき1冊でしょう。
5|天才読書 世界一の富を築いたマスク、ベゾス、ゲイツが選ぶ100冊(著者:山崎 良兵)
『天才読書 世界一の富を築いたマスク、ベゾス、ゲイツが選ぶ100冊』もなかなか興味深い1冊です。
著者である山崎 良兵さんは、テスラCEOのイーロン・マスク、アマゾン創業者のジェフ・ベゾス、マイクロソフト創業者のビル・ゲイツの3人を直接取材したジャーナリストでもあります。
こちらの書籍では、今世界を牛耳っている人間がどのような分野でどのような本を読んできたのかを知ることができます。
それぞれの本からどのような影響を受けたのかもわかるようになっているところが一般的なブックガイドとは異なる点です。
巨万の富を築き、世界を思い通りに動かしている人間がどのような本を読み、そこからどのような知識や情報を吸収しているのかを知ること自体がそういった一部の人間に対抗するための第一歩にもなります。
自分自身がビジネスでどう成功していくのかという部分はもちろん、一部の人間に対抗できるような力を手に入れて、世界を少しでも良い方向へと動かしていくという意味でも役立ってくれるはずです。
6|嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え(著者:岸見 一郎、古賀 史健)
『嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え』はベストセラーになっている書籍なので、タイトルは見聞きしたことがあるという方も多いのではないでしょうか?
著者は岸見 一郎さんと古賀 史健さんで、アドラーの教えが青年と哲人との対話という形でわかりやすく解説されています。
タイトルのせいで「人のことを気にせずに自分は自分らしく生きればいい」といったよくありがちな自己啓発本だと思われがちです。
ただ、だからこそ実際に読んでみたときの驚きが大きくなります。
良い意味で期待を裏切られることになるでしょうし、多くの学びを得られるはずです。
もちろん、この書籍の内容がすべてというわけではないものの、ビジネスシーンに限らず、人間関係で悩んでいる方は是非一度は読んでおいたほうがいいでしょう。
7|時間最短化、成果最大化の法則 1日1話インストールする"できる人"の思考アルゴリズム(著者:木下 勝寿)
『時間最短化、成果最大化の法則 1日1話インストールする"できる人"の思考アルゴリズム』は、特に頑張っているのになかなか結果が出ないという方にこそ読んでもらいたい1冊です。著者は木下 勝寿さんですね。
人間に対してインストールという表現を使うのはいただけないのですが、この書籍では考え方を変えていくことやそれを行動に移していくことの大切さが具体的に説明されています。
自分なりに一生懸命頑張っているのに頑張っても頑張っても結果が出ないという場合には、その頑張りを無駄にしてしまうような要素がどこかに隠れている可能性があります。
この書籍を読んで、書かれていることを一つひとつ自分の中に落とし込んでいくと仕事での結果も変わってくるかと思います。
できる範囲で実践していくと日々の変化も実感でき、モチベーションのアップにもつながってくるのではないでしょうか?
8|解像度を上げる 曖昧な思考を明晰にする「深さ・広さ・構造・時間」の4視点と行動法(著者:馬田隆明)
『解像度を上げる 曖昧な思考を明晰にする「深さ・広さ・構造・時間」の4視点と行動法』については一般的なビジネス書と重複する部分はあるものの、解像度という新しい切り口で書かれているので新鮮な気持ちで読み進めていくことができます。
著者は馬田隆明さんで、初心者というよりは中級者から上級者向けのビジネス本と言えるでしょう。
初心者向けのビジネス書を読み漁って、マンネリ化してきたタイミングで読むと刺激になるかと思います。
ビジネスシーンでは「キャッチーに」「ハッピーに」「ポジティブに」などと相手の指示がふわっとしたものばかりで、イラ立ってしまうこともあるでしょう。
偉そうにする人間ほど具体性がないということもありますし、自分自身がうまく言語化できずにふわっとした表現でしか伝えられないということもあります。
そういった中で解像度という切り口から物事を見ていくと、ビジネスシーンで感じていたいら立ちやもどかしさのようなものが解消されていく可能性は大いにあるかと思います。
9|「会社四季報」業界地図 2023年版(編集:東洋経済新報社)
東洋経済新報社が編集をおこなっている『「会社四季報」業界地図 2023年版』は学生さんの業界研究で使われるものというイメージが強いかと思います。
ただ、こちらはすでに仕事をしている方にとってもかなり有益な情報がたくさん盛り込まれている1冊です。
業界の勢力図がどうなっているのか、そういった中で営業先となりそうな企業はどこなのか、顧客にどのようなアプローチをかけていけばいいのかなど情報を仕入れることによって、より具体的にビジネス展開を考えられるようになります。
基本的に毎年出ているものなので、できる限り毎年チェックしておきたいところです。
10|リーダーの仮面 「いちプレーヤー」から「マネジャー」に頭を切り替える思考法(著者:安藤 広大)
『リーダーの仮面 「いちプレーヤー」から「マネジャー」に頭を切り替える思考法』は2021年から2022年にかけてもっとも売れたリーダーシップ書と言われています。著者は安藤 広大さんです。
管理職やリーダー、マネジャーなどの立場になったばかりという方にとっては、良い指南書になるかと思います。
リーダーにカリスマ性や人間的な魅力は必要ないという時点で、安心できる部分もあるのではないでしょうか?
人によっては抵抗感を抱いてしまう部分もあるでしょうから、そのあたりは自分なりによく考えた上で実践に移していきましょう。
すべてを鵜呑みにせずに自分自身でも考えることが大切
知らないと損するビジネス本・書籍10選ということで、今回は10冊をご紹介しました。
ただ、今回ご紹介した書籍に書かれていることがすべて正しいとは限りません。
だからこそ、すべてを鵜呑みにせずに自分自身でもしっかりと考えるようにしましょう。
特に、ビジネス関連の書籍ではその人の経験や考え方によって大なり小なりの偏りが出てくることも珍しくありません。
実際に今回ご紹介した書籍の中にも時代には合わない内容が部分的に含まれているものはあります。
最初から100%の正解を1冊の書籍に求めるのではなく、できるだけいろいろな書籍に触れて自分自身でしっかりと考えて、正解を見つけ出すという流れが理想です。