泣けるのに面白い!青春時代を思い出す!おすすめの小説本15選

時には泣きたい時もある。
なんて日は誰しもあるもので、しかも青春時代のあの甘いような切ないような気分を思い出して泣きたいというのは大人は誰しも思うものですよね。
そして、いままさに青春時代にある人にとっては、等身大の感動を味わいたいもの。
そこで今回は、そんな泣ける面白い青春小説をピックアップしてみました。
おすすめの青春小説を厳選してご紹介します。

1|だれかのいとしいひと(著者:角田光代/文藝春秋)

無理やり絞るように泣かせるのではなく、ほんの少し切なくてじわっと泣ける小説。
8つの短編からなるこの小説は、どこか不器用な人たちが繰り広げる恋の話で、なんとも言えない不安定さとアンバランスさを持って読者の心を混乱させるお話です。
それだけに、泣けないひとは泣けないかも知れませんね。
ただ間違いなく、この本を読んで泣ける、不器用な人生と不器用な恋愛を重ねている人はいるはずですし、そういったひとにこそ読んでほしい作品。
そこまで不幸ではないけれど、どこか少しずれている。
なにかのせいで心の底から幸福とは言えない、そんな人生を生きる人達の、そんな恋愛を描いた短編集の名作小説です。

2|君の膵臓をたべたい(著者:住野よる/双葉社)

もう言うまでもなく泣ける小説の代表格となってきた、大ヒット小説キミスイ。
これまでに読んだことのない人というのもだんだん少なくなってきたとは思いますが、それでもやはり泣ける青春小説というタイトルでこれを紹介しないわけにはいかないんですよね。
というのも、これは平成を代表する泣ける青春小説だからです。
ある意味感動する小説、泣ける小説に必要な要素が全て詰まっていて、同時に青春小説の青春小説たるゆえんのすべてが織り込まれている小説。
とにかく、あの頃のの気持ちを思い出したいなら読むべき小説であり、泣きたいなら迷わず手に取るべき小説。
まず間違いなく泣かずに読み終わることはできません。
何度読んでも、そのたびに泣ける。
それだけの強いちからを持った小説であることは間違いありません。

3|君の名は(著者:新海誠/角川書店)

天気の子公開記念というわけではありませんが(2019年8月現在)。
だったら天気の子をおすすめすればいいようなものですが、個人的な感想としては、映画もそして小説としてもこちらのほうが圧倒的にクオリティーは上です。
あれほど映画で大ヒットしながらも2016年の最も読みたい小説ランキング1位になれたのも納得。
基本的に映画の原作小説は、話の内容がいい意味でネタバレしているのであまり注目されないものですが、これはそれ以上。
映画を原作にして書かれた小説ですからネタバレの度合いは更に上。
それでも、映画とは違う小説という媒体をうまく利用して、小説なら出羽の味わいを加味しつつ物語の保つ元々の力を存分に発揮できている秀作です。
そして当然、泣けます。

4|春や春(著者:森谷明子/光文社)

俳句甲子園というかなり特別な青春を描いた傑作。
作り自体は、よくある青春部活者のテンプレで、まずは同好会づくりのために主人公が走り回るというまさに王道中の王道の進行。
しかしながら、題材が俳句甲子園であるため、テンプレ感を感じさせません。
そして、俳句に青春を燃やす少女たちの熱い思い、健気さ、そして切なさ。
そのすべてが泣ける青春小説に求める、その要求通りの涙を流させてくれるそんな作品です。
また、俳句を通して描かれる描写は、文字から生まれる世界の美しさを十分に表現していて素晴らしいの一言。
悲しくて泣くのではなく、どこか青春時代の自分への憧憬やあの頃の懐かしい景色に対して重いわおはせながら、じんわりと泣けてくる作品。
同世代より大人に読んでほしい一冊です。

5|また、同じ夢を見ていた(著者:住野よる/双葉社)

泣かせる小説を書かせたら右に出るもののいない住野よるの作品
次から次に押し寄せる、不幸だと一般的に思われる人生を抱えた人たちとの出会い、そんなかなり異質な空間の中で一人の少女が幸せについて探していく、そんなお話。
冷静に読めば、きっとなにが面白いのだ?と思うような小説なのですが、なのに読んでいる時の没入感の凄まじさと結果訪れる感動の涙が不思議な読書体験をさせてくれます。
まるで、この小説が自分の人生の一部であるかのような錯覚。
そして、まるでその涙が自分に対して流れているような不思議な感覚の中でまた詩羽ても住野夜に泣かされてしまったと燃える、そんな作品になっています。
当然青春要素もしっかりと。
本当に不思議な感覚で小説を書く作家です。

6|余命七日の死神(著者:安東あや/アスキー・メディアワークス)

余命宣告という題材を扱っている以上、もう泣けるのは必須。
ある意味、こう言う小説は泣くことを全体に書いてある小説で、とにかく泣けるけどだから面白いかと言われればちょっとどうだろうという小説が多かったりもします。
しかしこれはちゃんと話も面白い。
余命七日を死神から宣告され、その死神との契約のため一人の女子に近づいていく男子高校生。
余命宣告というリアリティとどこかファンタジー色のある死神という存在との対比が見事で、現実と幻想の間の不安定さが青春期の心のようでピッタリと来ます。
しかも登場する女の子が純粋で可愛い。
物語の面白さ設定の旨さ、そしてキャラクターの魅力と揃った上での余命宣告という物語の主題は、しっかりとおもしろ小説であることのあかし。
恋人と登下校したくなる小説です。

7|世界の中心で、愛をさけぶ(著者:片山恭一/小学館)

もう言うまでもない泣ける小説の巨星。
日本中にセカチューブームを巻き起こした本作ですが、あまりに有名すぎてこう言う媒体であまり紹介されていないようなのであえて紹介します。
そろそろ若い世代の人たちの中には、知らない人も出てきているはずですから。
物語は、白血病に侵されてしまった恋人とその恋人のいきている証、ふたリが愛し合った確かなにかをどうにか刻もうと奮闘する少年の話。
彼女が白血病であるとわかるまでの恋愛の描写があまりにピュアで、そして健気であり、小さな幸せをかき集めてカタチにしたような恋愛であるためにその後の悲劇が本当に胸に刺さります。
運命の残酷さ物語の容赦の無さ。
しかし、だからこそその一瞬にすべてを燃やそうとする青春の痛々しさが感じられて涙が止まらないのです。

8|美丘(著者:石田衣良/角川書店)

直木賞作家である石田衣良の作品
ものすごく味気の名言い方をすれば、これもまた病気に侵されてしまう女性との飛散かつ残酷な別離の物語であり、それは泣けるに決まっているという感じの話です。
しかし、やはりこの作品の中心はこの美丘という女性の生き様。
破天荒でエネルギーに満ち溢れる美丘の生きているその様子は、その先にしが待ち構えているなど微塵も思えないほどに壮烈で印象的。
だからこそラストにいくに従って、この魅力的なキャラの行末を思って耐え難い喪失感を感じていきます。
そして、美丘の生き様に対して主人公である男が下した最後の決断の衝撃と、その衝撃を超えた場所にある死によって訪れる多幸感。
それでもこれはハッピーエンドなんだ。
そう思いながらそれでも流れてくる涙を感じてみてください。

9|聖の青春(著者:大崎善生/角川書店)

天才棋士、村山聖の生涯を描いた作品。
国民栄誉賞にして永世7冠のタイトルを手中にしている、歴史上最強の棋士と言われる羽生善治にとって数少ないライバルであった男の悲しくも胸躍る生涯です。
そう、この話は実話でそして最後は主人公の死に終わります。
しかし、将棋というもの位に対して狂おしいほどの周年と勝負の世界に生きる人間の狂気に近い情熱とを感じて、その熱い熱量のこもった人生に胸が踊るのです。
そういう意味で、まさにこれは青春小説。
数々の難敵、将棋という競技の難しさ、そしてままならぬ自分の体。
そんなものと常に戦い、戦い続けて、そして散っていった一人の男の切ないまでの熱い情熱の結晶。
悲しみだけではなく、そんな一人の男の熱い情熱の塊のあまりの美しさに涙が止まらなくなるそんな作品です。

10|空色ヒッチハイカー(著者:橋本紡/新潮社)

どこからどう読んでも、まじりっけなしのどストレートな青春小説。
これが日本の話しとは思えないほどアメリカンロード-ムービーのような色合いと破天荒さ、無謀さを持った小説で主演ジェームス・ディーンと言いたくなる小説。
ところが、でてくる単語が唐津であったり浜省であったりとやはりしっかりと日本なところが、またミスマッチ感が強くていいですね。
笑いも十分、爽快感もあって、泣ける部分も本当に多い。
どこまでもカラッとした経過しさと爽快さ、そして青春の甘酸っぱい香りに包まれた小説で、感動のシーンがなくてもなんとなく涙が出てしまいそうです。
こんな青春が贈りたかった、そして、こんな気持が確かに自分の中にもあった。
号泣することはなくても、その先にある自分の青春時代が心に迫って優しい涙をながさる作品です。

11|僕たちの戦争(著者:荻原浩/双葉社)

青春は青春でも、戦争を生きる若者の青春。
しかも、主人公は現代でフリーターをしていた人間で、二次大戦中の飛行訓練生と入れ替わってしまうといういわゆるタイムトラベルものに近い作品。
これだけ効くと、すでに悲劇の匂いしかしないのですが、とにかく文体がユーモラスなためほとんどコメディのような感覚で読み進めていきます。
しかし、やはり時代の流れの中で来たるべき日は来てしまう。
コメディとは最後に感動があって完成するとはよく言ったもので、戦時中を生きざるを得なくなった男のドタバタな青春のおもしろみは、最後にしっかり完結します。
構成の巧さ感動までの導入の巧みさ。
しっかりとした技工がなせる感動のさせ方を体験してみてください。

12|永遠の0(著者:百田尚樹/講談社)

書籍の売上に響くと言って最近はツイッターでおとなしくしようとしているらしい百田尚樹の作品。
この方は炎上王というだけのことはあって、作家の人間性において好き嫌いが別れる人ではあるのですが、流石にそれだけでこの名作を読まないのはもったいない。
もちろんモチーフは特攻隊。
二次大戦において最も悲劇的な出来事の一つであるこの特攻隊を題材にしているのだから、それは泣けない小説なはずはないのですが、それでもこの泣き方は以上というくらい泣けます。
そして、それはしっかりと戦時の青春を描いた作品。
言うまでもなくそこに描かれているのは戦争の惨禍であり戦争の悲惨さ。
しかし、一瞬のスパークのように輝いた主人公の命の煌きを目にした時、そこには悲劇という言葉では片付けることのできな崇高な魂を感じます。

13|出口のない海(著者:横山秀夫/講談社)

百田尚樹の永遠のゼロが特攻隊の話なら、これは人間魚雷回天の話。
特攻隊の乗っていた戦闘機と違い、人間魚雷回天は最初から特攻兵器として開発されたものであり、だからこそその悲壮感は相当なもの。
死ぬことが当たり前で、死ぬことが日常で、死ぬことが正義で。
そんな時代に生まれた人間が死ぬために重ねていく青春の日々は、それが輝かしければ輝かしいほど胸に迫るような痛みを与えそして辛い涙を流させます。
時代のせい、といえばそれまでです。
しかし、そこにあるのは人間というものの業でありその悲しい青春の背景には人間という大きなテーマがある。
考えさせられ、泣かされます。

14|二度目の夏、二度と会えない君(著者:赤城大空/小学館)

ラノベファンのために、青春を燃やしている主人公たちの泣ける小説としてこれをご紹介。
この小説、まずその題材の一つとしてバンド活動というものがあり、そしてもう一つの視点としてタイムリープというものがあります。
そんななか、一番大きな視点はヒロインが死ぬということ。
もう、かなり序盤で死にます。
そして、明らかにもう死ぬことがわかっている主人公との短い短い夏のその時間を、主人公は精いっぱい生きようとするのです。
それが本当に切ない。
本当にそれだけの小説、でもだからこそ、力の強い泣ける一冊です。

15|夏の騎士(著者:百田尚樹/講談社)

永遠の0、海賊とよばれた男、カエルの楽園などなど。
数々のベストセラーをこの世に送り出しそして物議を醸しながらも日本の文壇を縦横無尽に駆けに受けた百田尚樹。
齢50にして新人デビューした異色の巨星が、その引退をかけて発表した作品がこの夏の騎士。
その内容は、流石の一言。
青春という甘酸っぱい日々の情景をまるで少年のような感性で見事にかきあげながらも、どこかに大人としての視点が確かにあってしっかりと描写する、まさに日本のスタンドバイミー。
とにかく読んでみてください。
これぞ、泣ける青春小説の決定版です。

小説を読んで泣く要素は様々

ある程度歳を重ねると、何気ない青春時代の思い出で泣けるんです、人間は。
ですので青春小説というのは、明らかにみんなが泣けるものと、特定の人にだけ分けもなく涙を流させるものとあってそこが面白いところ。
今回はそんな観点からいろんな側面で泣ける本を集めました。
ぜひ読んでみてくださいね。

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