おすすめの女性エッセイ本ランキング【元気が出ること間違いなし!】

作家や芸能人の素顔が垣間見れるエッセイ本。
その内容は、書いている作者の内面と同じように、サクッと読めるような軽いものから大爆笑必至のもの、また深く人生について考えさせられるものまで、様々な種類・内容があります。
少なくとも、エッセイというくくりでその系統をまとめることが出来ないほどに多種多様です。
そこで今回は、女性作者という縛りでエッセイ本をまとめてみました。
人に読むことをおすすめしたいと思えるエッセイをランキング形式でご紹介いたします。

1|もものかんづめ(著者:さくらももこ/集英社)

2018年、惜しまれながらもこの世を去った漫画家さくらももこ。
漫画家としての代表作は、言わずとしれた国民的アニメの原作である「ちびまる子ちゃん」ですが、このもものかんづめも実は書籍界における大ヒット作。
なんと日本歴代書籍売上で34にに入る200万部を超える大ヒット作です。
ですので、この本が刊行された2001年前後にすでに本を読む年齢だった人の多くは既読だと思いますが、そうでなかった人にぜひ読んでほしい作品。
というのも、ある意味、ここにあるのはリアルなちびまる子ちゃんなのです。
漫画用にデフォルメされていない、さくらももこという奇妙な人間の生体に、あなたはきっと泣き笑いで涙が止まらなくなります。

2|男尊女子(著者:酒井順子/集英社)

「負け犬の遠吠え」で一躍有名になった酒井順子のさらに女性というものに深く切り込んだ作品。
この人のエッセイは、女性に対する同性としての深い愛情と、同性だからこそ持つ同族嫌悪のようなものが心地よく同居していて、しかも思考がとても普通。
この普通後宇野は決して悪いというのではなく、その普通が共感を呼ぶエッセンスなのです。
彼女の思考は、決して奇をてらわず、また奇妙な論理展開を行うわけでもなく、ただ着眼点が異常にする毒また心地よいのです。
そんな、思ってもみない着眼点から見た景色を、普通の感覚で語る。
だからこそ多くの女性の共感と、そういえばそうだよね!という新鮮な同意を得ることができるのです。

3|トラちゃん(著者:群ようこ/集英社)

もともとエッセイストとしてデビューした小説家群ようこのエッセイ。
つまりこれこそが群ようこの本職であり、まさに真骨頂といいたくなるような痛快で、そして鮮烈なエッセイを読むことができる一冊です。
しかも表題のトラちゃんは、猫。
ただエッセイを書いて読ませるだけで、爆笑必至の最高のエッセイをかく群ようこが大好きな猫について書いているのですから、その愛着の強さにおもわず頬が緩みます。
もちろんこの本は、誰にでもおすすめできます。
しかし、猫好きを公言してはばからないような人にとっては、ヘタをすれば家宝にすらなり得るのではないかと思えるほどの価値のある一冊です。

4|グアテマラの弟(著者:片桐はいり/幻冬舎)

個性派俳優 片桐はいりが書いた、紀行文。
片桐はいりは本当に個性派として最高の俳優でありながら、文章を書いてもまさに個性派と言うべきタッチと、しっかりとした表現力で作家を相手に引けを取らない文章を書かれます。
というか、弟がグアテマラにいるという時点で、もう家族も個性派。
その人言味ゆたかな文章が綴っていくグアテマラへの旅と、そこで出会った人簿と、そこで過ごした日々の描写は本当に愉快で読んでいて心躍る作品。
まさに、グアテマラがそこにあるように感じる高い筆力が最高の結果を読んでいます。
間違いなく、なにか手垢のついた表現で申し訳ありせんが『グアテマラにいき(生き・行き)たくなる』そんな紀行文であり最高のエッセイです。

5|眠る盃(著者:向田邦子/講談社)

日本のドラマの基礎を作ったとも言われる脚本家向田邦子の随筆集。
とにかくその豊かで情緒あふれる、厚みのある文章で表現されるその内容は、向田邦子という人物について書かれた1つの珠玉の私小説のようにすら感じる作品です。
ですので、エッセイではなく随筆と呼びたい。この気持、きっと読後に共感を得てもらえるはずです。
個人的には、こういったものを勉強のために読むのはどうかと思うのですが、それにしてもとにかく美しい日本語で綴られた作品のため、特に日本語を仕事にしているひとには読んでもらいたい。
それだけではなく、大人の作文のお手本にもあるはずです。
心底美しいと思える日本語で綴られる文章はかくも美しいと知ることのできる一冊です。

6|ああ言えばこう食う(共著:阿川佐和子、檀ふみ/集英社文庫)

日本人にはおなじみの二人の女性が赤裸々に綴った、エッセイ。
とにかくふたりとも、ここまで書いても大丈夫なのかというほどに、赤裸々で辛辣で明け透けにすべてのことを曝け出している貴重なエッセイです。
ともに、著名な作家を父に持つ二人。
内容は、本当に乱暴な内容なのですが、その深い教養と感受性、そして隠しても隠しきれない知性と品格がそこまで嫌な感じを持たせないのがすごいところ。
いうなれば、おばちゃんの井戸端会議を非常に洗練したもの、といった感じ。
こういう言い方は失礼ですが、まちがいなく日本のおばちゃんである二人の、まさに日本のおばちゃんらしい内容のおばちゃんらしくない言葉の応酬が楽しめる一冊です。

7|極め道(著者:三浦しをん/光文社)

一見、任侠ものと勘違いしそうなタイトルですが、ほのぼのした読書のすすめ。
舟を編むでお馴染みの作家三浦しおんが、ダラダラしながら本を読むという、読書の原点でもある本の楽しみ方をダラダラと書き綴った作品です。
といっても内容は非常に面白く、本が好きになること間違いなし。
でも・・・やはりダラダラと書いているんですよね、という印象が非常に心地よく、なんだか一緒にダラダラしたくなるそんな気持ちにさせてくれます。
そういう点でも、やはり作家というものはすごいな、と感じさせてくれます。
それこそ、1つのテーマで始まったはなしが、もはやなんの話をしているかわからなくなったり、話の途中で飽きてしまったりと、もう何でもありです。

8|まにまに(著者:西加奈子/KADOKAWA)

直木賞作家 西加奈子がお届けする、飾り気のないライトなエッセイ。
本当にいわゆるなんの価値もないどうでもいい話なんですが、そのどうでもいい話が本当に心地よく共感を呼ぶ、気がついたらサクッと読んでしまうそんなエッセイ。
ある意味、エッセイってこういうものだよな、と思わせるエッセイでもあります。
そしてやはりこの本の一番のポイントは、直木賞作家 西加奈子のあまりにも可愛らしいその内面。
内向的で照れ屋、根は優しいのにどことなくひねくれている、でもひねくれすぎていないからなんとなく微笑ましく感じてしまうその人間性は、本当にかわいい人だなぁと言った感じ。
西加奈子という人間にグイグイ引き込まれてしまうエッセイです。

9|指先からソーダ(著者:山崎ナオコーラ/河出文庫)

人のセックスを笑うな。でデビューと同時に注目を浴びた、山崎ナオコーラの作品。
とにかく言葉選びが上手で、作者の感性の高さをその言葉選びで存分に感じさせてくれる、内容以上にスタイリッシュな印象を受ける文章たち。
しかも、その話題の内容は幅広く、作者の好奇心の高さを感じさせます。
この作品から受ける印象は、非常に上質で、前向きな人間の書いた『意識高い系』のエッセイといった感じなんですね。
というのも読後感がとにかくおしゃれ。
お気に入りのファッション雑誌や趣味の本を読み漁ったあとのような、なんだか自分が一弾レベルアップした感覚を味わえる、そんなエッセイです。

10|泣く大人(著者:江國香織/角川文庫)

恋愛小説家として名高い、江國香織のエッセイ。
そのエッセイは、この方は心が少女のまま停止しているのではないだろうかと思えるほどに、まるで子供の感性で書かれたようなそんな印象すらうけるものとなっいています。
そう、それほどに彼女の完成はピュアでだからこそどこか危うい感覚を覚えるもの。
人間関係に関しても、どこかサバサバした感じを出しているものの、行間に『サバサバしようと頑張っている少女』の姿を感じてしまうのです。
もちろん、だからこそ彼女の恋愛小説は、裸の心に刺さるのかもしれません。
文章の素晴らしさは言うまでもなく、どこか詩的であるとさえ感じられる美しい言葉選びがまた、大人を演じようとする少女を感じさせる、そんなエッセイです。

11|九十歳。何がめでたい(著者:佐藤愛子/小学館)

誰がなんと言おうと、女性の書いた女性のエッセイ。ただし書いたのは御年90歳のおばあちゃん。
というのも別におばあちゃんは女ではないというのではなく、作者であるこのおばあちゃんの言動というか思考回路がもうまさに日本男児と言った感じなんですね。
とにかく、強い、そして何より社会の動きに決して鈍感になっていない。
日本に彼女より豊富な人生経験の人は殆どいないと言っても間違いないだろう人生経験が生み出す金言の数々。
女は幸あるべきだ、と感じる、いや人間はこう生きるべきだと感じるその力強さ。
こういうおばあちゃんと、渋い緑茶でも飲みながらよもやま話が出来たらどんなに楽しいだろうと思わせる作品です。

12|女の子が生きていくときに、覚えておいてほしいこと(著者:西原理恵子/KADOKAWA)

今や高須院長の恋人であることでも有名になった、破天荒な漫画家 西原理恵子、いやサイバラ。
ちょっと普通の人では経験できないような人生を、たくましく、そして意外にと言っては失礼だけれども、女性の魅力たっぷりに生き抜いてきたサイバラの女性として生きるその指南書。
その教えには、男世界に腕一本で切り込んでいったサイバラの戦場で得た知識が遺憾なく表現されています。
だからこそ、観念的で概念的なだけの育て方の本とは違う、どこまでもリアルで実用的で、そして、女性に対するあいある厳しさが満ち溢れた本です。
そして西原理恵子という女性の深い優しさに涙する、そんな人生の書です。

13|夜ふけのなわとび(著者:林真理子/文春文庫)

日本でも有数のエッセイストである、林真理子のエッセイ。
このひとのエッセイはどれもそうなのですが、興味深く面白い人生を生きたひとのエッセイというのは、人生を振り返るだけでこうも面白いのかと思わせてくれます。
もちろん文章表現も一流で、内容をより一層引き立ててくれています。
しかし、何よりこの林真理子という人間に降りかかる運命や宿命というものの面白さが、1つの大長編の小説を読んでいるように感じられる作品になっています。
決して普通の人では生きられない人生。
そんな人生を、ちょこっと端っこの方からのぞき見して楽しむような・・・ちょっと下世話な喜びのあるそんなエッセイです。

14|気になる部分(著者:岸本佐和子/白水uブックス)

著名な翻訳家である岸本佐和子のエッセイ。
もう最初から最後まで、なんて人間という生き物は馬鹿なんだろう、なんて岸本佐和子という人間は愛らしいのだろうと思ってしまう、そんなエッセイです。
とにかくバカバカしくて面白い。そして何故か切ない。
ちょっと他に類を見ない文章のセンスと、きっと誰の心の中にもあるだろう人間のバカでおろかで情けない部分を曝け出しているこの作品は、初エッセイ集とは思えないクオリティ。
こんな才能に、翻訳をさせていたのか(失礼)と思いたくなるような才気あふれるエッセイ集です。
でもとりあえず人前で読まないほうがいいですよ。

15|夫のちんぽが入らない(著者:こだま/扶桑社)

ちょっと書店で買いにくいタイトルですが、自伝的エッセイ(自伝小説?)として大ヒットを記録した作品。
一見、おちゃらけた内容のように思えるかもしれませんが、夫婦間においてこの問題がいかにその根幹に関わる問題で、深刻な問題であるかはいうまでもありません。
そんななか、作者は問題がないふりをして生きることを選ぶのです。
そして直面する様々なこと。
この世界がいかに男性に対して優位に出来上がっているのか、女性が性の悩みを抱えること、夫婦の性生活を諦める理由に自分がなっていることがいかに大変なことなのか。
最後は、タイトルを忘れて考えさせられる作品です。

女性だから分かる女性の心と気持ち

女性にしかわからない、女性の心と気持ち。
また、女性だからこそほんとうの意味で楽しむことができる女性のエッセイ。
女性として生まれたことに感謝しつつもそんな珠玉のエッセイを楽しんでみてはいかがでしょうか。

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2018.09.01

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